「オスモ・コーディング(Osmo Coding)」は、文字どおりプログラムの「コードを書く(Coding)」ことを体験できるゲームシステムだ。しかし、その「コードを書く」仕組みは、ほかのプログラミングツールと一風異なっている。
あらかじめ用意するのはiPadのみ。専用の無料アプリをダウンロードしたら、ベースステーションにセットしてアタッチメントをカメラ部分に取り付け準備完了だ。アプリを起動すると画面内にオービーというキャラクターが登場する。彼を誘導してゴールを目指すのがこのゲームの目的だが、オービーは画面をタップしてもスワイプしても動かない。彼を移動させるためには、手元の専用ブロックを使うのだ。
「走る」や「ジャンプ」といった動作のアイコンブロックに、行動回数を決める数字ブロックを組み合わせる。最後に実行ブロックを重ねてボタンを押すと、画面内のオービーは作成された命令のとおりに動く。アナログ(ブロック)とデジタル(キャラクターの動き)で、インプットとアウトプットの概念を明確に分けている点が画期的だ。遊ぶうちに、自然とプログラミング的思考が身につくよう設計されている。
実際に10歳と13歳の兄弟にコーディングで遊んでもらった。簡単な説明をしただけですんなりと操作方法を覚えた2人。プログラミングは未経験というが、ブロックを組み合わせて動かすというちょっと特殊な仕組みも難なく理解したようだ。印象的だったのは2人で命令ブロックを触りながら、「こうじゃない?」「違うよ、こうだよ」とコミュケーションしながら正解を模索していたこと。もしもこれが画面内で行うプログラミングゲームだったら、1人は見ているだけになってしまっただろう。複数人が同時に楽しめるのは、アナログなブロックだからこそだ。
結局2人は予定時間を大幅に過ぎてもブロックを離さず、熱中して遊び続けていた。感想を聞くと、「ブロックをたくさん組み合わせて動かして正解できると気持ちいい」「どういうふうに動かすかを考えるのが楽しい」との声。これまでプログラミングとは無縁だった子どもを瞬く間に虜にしたオスモ・コーディングの効果は、まぎれもなく本物だった。
アナログなブロックだから2人で一緒に遊べる
Osmo Coding Game Kit for iPad
【発売】Osmo
【販売】アップル
【価格】9800円(税別)
知育ツールを多数リリースしているオスモが、プログラミング教育のために開発したブロック型トイ。専用アプリ(無料)をダウンロードしたiPadにセットして遊ぶ。プログラミングのコードそのものではなく、基礎的な考え方がゲーム感覚で身につく。対象年齢は5~12歳となっているが、実際にはもっと幅広い層が楽しめる。