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iPhoneアプリでワンタップ!「アップル株が買えちゃった」

著者: 小平淳一

iPhoneアプリでワンタップ!「アップル株が買えちゃった」

1万円でアップル株を購入

「あぁ、もっと昔にアップル株を買っておけば今頃は億万長者だったのに…」。古くからのアップルファンから、そんなつぶやきが漏れることがある。

初代iMacを発表した1998年頃に1株あたり1ドル前後だったアップルの株価は、昨年2月には133ドルにまで達した。これだけでもかなりの倍率だが、さらにアップルは過去数回の株式分割を行っているため、1998年時点で所持していた株の価値は1000倍以上になっている。億万長者というのもそれほどオーバーな話ではない。

そんな景気のいい話を聞くと、「アップル株は今後もまだ上がるのではないだろうか」と期待を膨らませたり、「第二第三のアップルになるようなベンチャー企業の株を買っておくといいのでは?」と考える人も出てくるだろう。では、実際に外国企業の株を購入するにはどうしたらいいのだろうか。その1つの答えが「ワンタップ・バイ(One Tap BUY)」というサービスだ。

ワンタップ・バイは、今年の6月に正式なサービスインを行ったばかりの外国株取引サービスだ。株取引というと難しい印象を持つ人も多いだろうが、このサービスは独自の取引システムによりそのハードルをぐっと引き下げている。

まず第一に、スマホアプリの使用を前提に、極めてシンプルなインターフェイスと手順で売買できるということ。さらに特徴的なのが、最低金額1万円から、1万円単位で株を購入するという方式だ。通常の株取引は「何株買うか」を指定して取引するが、このサービスでは「何万円買うか」を購入者が決める。結果として「1万円分で0・95株所持している」というように、1株未満の所持も可能になる。

最低1万円からという金額は投資未経験の人も気軽に感じられるし、「1万円の投資が1万500円になった」という変化の仕方もわかりやすい。投資に対するイメージを大きく変えてくれるサービスだといえる。

投資で経済が見えてくる

試しに筆者も、このサービスでアップル株を1万円分購入してみた。

筆者がアップル株を購入したのは、アップルのWWDC(世界開発者会議)が開催される直前の6月13日。発表内容次第で株価が上がるかもという淡い期待もあったが、その期待は見事に裏切られた。

WWDCどうこうよりも大きな影響があったのは6月24日(日本時間)の英国で行われた国民投票だ。EU離脱派が上回ったことで世界の為替相場が大きく変動したのは記憶に新しい。外国株は、企業の株価だけでなく、ドル/円の為替相場も影響してくることは注意が必要である。EU離脱を巡る動きでは大幅なドル安円高を引き起こし、1万円で購入したアップル株は、一時9000円程度まで下落してしまった。

それから徐々にドル/円相場は元に戻ってきたが、本稿執筆時点(7月中旬)でアップル株は476円の含み損となっている。とりあえず次のiPhoneが出るまで手放さずに様子を見ようと思っている次第だ。

さて、実際に1カ月試してみて、このサービスの長所と短所が見えてきた。長所は先にも述べたとおりハードルが極めて低くわかりやすい点だ。逆に短所としては、アプリ上で株価チャートが確認できないことが挙げられる。チャートを確認したいときはアプリからサファリに切り替わり、ブルームバーグの株価ページに移動させられる仕様になっているが、これがなんとも煩雑だ。

総じていえば、サービスとしては魅力的な部分もあるものの、アプリとしてはまだ発展途上だという見方になる。外国株を売買できるネット証券会社はほかにも存在するし、株式取引経験者であればあえてこのサービスにこだわる必要はないかもしれない。しかし、これから投資を始めてみたいという人や、少額でできる投資サービスを望む人には十分魅力的な選択肢だといえる。投資や経済の勉強にもなるし、興味のある人は、まず1万円から始めてみてはいかがだろうか。

このサービスでは、執筆時30社の外国株から選んで取引することができる。アップルをはじめ、アマゾンやフェイスブック、アルファベット、ツイッターなどIT企業が並んでいるので、本誌読者諸氏にとっては興味を持ちやすいはず。今後取引できる銘柄の増加にも期待したい。

購入画面。1万円単位で買えるというのがこのサービスのユニークなところ。また、最初の購入額に対して「利益分売る」という機能もあり、こちらもユニークだ。

One Tap Buy

【価格】無料

【販売】One Tap BUY Co.,Ltd.

【カテゴリ】App Store>ファイナンス

【News Eye】

株取引では、株価の変動による利益のほか「配当」という利益もある。ワンタップ・バイでも、通常の株取引と同様に所持株数に応じて(1株未満の場合でも)配当金が分配される。