忙しい人こそOS Xの環境を見直そう
直感的でわかりやすい操作性は、Macの利点の1つです。高いハードウェア性能を謳うコンピュータを探し求めるよりも、迷わずすぐに操作できるMacを選ぶほうが、結果的にユーザの時間を節約できるといえます。
そのまま使っていても効率よく作業できるOS Xですが、さらに時間を節約したいという忙しい人もいるでしょう。
そうした「時短」のニーズに応えるテクニックには、いくつかのアプローチがあります。ショートカットキーなどを駆使してユーザ自身の作業効率をアップするという方法もありますが、それだと習熟のための時間や労力がある程度かかってしまいます。手っ取り早いのは、システムやソフトの環境設定を見直して細かくチューニングすることです。一つ一つの設定では、それほど速度の改善を実感できないかもしれませんが、複数の設定を積み重ねることで、長い目で見ると繰り返し作業や無駄が減って時短が実現します。
また、システムやソフトの不具合が原因でMacの速度が低下している場合は、メンテナンス作業で元どおりの速度を取り戻せます。場合によってはOS Xの再インストールなど手間のように感じるかもしれませんが、定期的にソフトの状態をチェックすることも、トータルで見れば操作の時短につながるのです。
今号ではこれらのアプローチの中から、設定の変更だけで手軽に実現できる時短テクニックを中心に解説します。
「時短」のための4つのポイント
Macの時短には、(1)システムの設定を変更するだけで実現できるもの、(2)ユーザが操作を習得することで高速化できるもののほか、(3)各ソフトに備わった設定や機能で作業を自動化・効率化するもの、(4)ハードウェアの性能向上やメンテナンスで時間を節約するといったアプローチがあります。今回は1を中心に、OS Xの時短テクニックを解説します。
設定を見直す3つの場所
(1)システム環境設定
(2)ファインダ環境設定
(3)ソフトごとの環境設定
時短の設定を調整する場所は、(1)システム環境設定、(2)ファインダ環境設定、(3)ソフトごとの環境設定の3つがあります。今回は主に1と2の設定で行える時短テクニックを取り扱います。
【基礎】トリあえず知っておきたい
設定だけで時短を実現できる代表的な項目をチェックしましょう。意外と知らないことがあるかも?
【1】検索対象の絞り込み
スポットライト検索にたくさんの項目が表示されてしまう場合は、システム環境設定の[Spotlight]パネルで[検索結果]で不必要なカテゴリのチェックを外します。すると、必要な情報がすぐ表示されるようになります。
【2】ドックのアニメーション効果
OS Xにはさまざまなアニメーション効果がありますが、たとえば[Dock]パネルで[ウインドウをしまうときのエフェクト]を[スケールエフェクト]にするとアニメの効果が変わり、体感速度が向上します。
【3】カーソルを高速化
[トラックパッド]パネルまたは[マウス]パネルで[軌跡の速さ]のスライダを速くすると、カーソルの反応が鋭敏になります。自分の使いやすい速度のギリギリまで速くしてみるとよいでしょう。
【4】Wi-Fi接続の高速化
スリープ復帰時やモバイル時のWi-FIアクセスポイントの接続が遅い場合は、[ネットワーク]パネルで[Wi-Fi]の[詳細]をクリックし、登録済みのネットワークの順番をドラッグ操作で入れ替えて、接続優先度を調整しましょう。
【5】ホットコーナーを活用
[Mission Control]パネルで[ホットコーナー]をクリックし、画面の四隅に任意のアクションを割り当てましょう。たとえば、[デスクトップ]を指定すると、素早くすべてのウインドウを画面の周囲に片づけられます。
【6】通知パネルから即レス
[通知]パネルで[メッセージ]の通知スタイルを[通知パネル]に指定しておくと、不在時に届いたメッセージに対してもソフトを起動せずに返信可能です。
【7】任意のフォルダをすぐ表示
ファインダの環境設定から[一般]を選択し、[新規Finderウインドウで次を表示]で[マイファイル]以外の場所を指定すると、よく使うフォルダを新規ウインドウですぐに表示できます。
【豆トリセツ】
目的に対して最適なツールやソフトを選ぶというのも、大きな視点では「時短」の一部です。たとえば、エクセルを表計算にではなくデザインレイアウトツールのように使うことは不可能ではありませんが、そこには大きな無駄が潜んでいます。
【豆トリセツ】
[アクセシビリティ]パネルで[スプリングローディングの時間]を短くしておくと、ファインダでアイテムを別のフォルダにドラッグした際に自動で開くまでの時間が短くなります。