【困った! 1】アップグレード中に操作できなくなってしまう
今回のiOS 9のアップグレードで最も脅威的だといわれているのが、画面が「スライドでアップグレード」表示から先に進まなくなったり、セットアップ中にアイクラウドのアップルIDとパスワードを入力すると「iCloud設定をアップデート中」表示から先に進まないなどの「何も操作できない系」トラブルが存在することです。
アップルでもこの問題はすでに認識しており、対策が施されたiOS 9・0・2が提供されています。問題の症状が発生して動作しなくなってしまった場合には、iTunesを使って上書きアップデートを実施することで、比較的高い確率で中のデータを保ったまま復旧させることができます。
【解決技】iTunesを使って上書きアップデートをする
(1)デバイスがMacに接続されている状態で、スリープボタンとホームボタンを「iTunesに接続」画面(リカバリモード)が表示されるまで同時に長押しし続けます。
(2)リカバリモードになったデバイスをMac(もしくはウィンドウズマシン)に接続すると、iTunesが起動して「アップデートまたは復元を必要としている●●●(デバイスの名前など)があります」というダイアログが表示されるので、右下の[アップデート]をクリックしてiOSの上書きを開始します。
(3)アップデートが完了すると、再び画面が戻ってきますが今度は操作が可能になっているはずです。表示される指示に従ってセットアップを完了させれば、デバイスは使えるようになります。
【困った! 2】バックアップデータからのデータ復元が終わらない
機種変更などで新しいiOSデバイスにデータ復元を行ったとき、アプリのダウンロードが終わらなかったり、アプリや中のデータが消失してしまったりなどで復元作業が完了しないことがあります。この場合、原因は「Wi─Fiの接続速度が遅い/不安定」「バックアップ前のアプリのデータが更新されておらず古い」「バックアップデータが多すぎる」など多岐にわたるため、いくつかの対処法が想定されます。当然ながらそれぞれ対処法が異なるので注意してください。
【解決技】復元するときはWi-Fi環境に注意しよう
(1)アイクラウド(iCloud)バックアップからのデータ復元は、インターネットを経由して行われます。そのため、ネットワークの「品質」が復元完了時間に大きく関わってきます。単にWi-Fiに接続できていればよいわけではなく、公共や無料のWi-Fiスポットではアクセスが集中するため、転送速度が安定しません。また、モバイルルータ経由では、そもそも短時間に大容量のデータ転送を前提に設計されていないためデータ復元に失敗する可能性が高くなります。
【解決技】最新版にアップデートしてからバックアップ/データ復元しよう
(1)アプリやデータが消失してしまう問題はアップルもすでに認識しており、サポート情報「iOS 9で作成したアイクラウド・バックアップから復元した後でAppやデータがなくなった場合」として公開しています。対象となるアプリは対策が始まっているので、もう一度以前のデバイスで最新版までアップデートを行ったあとにバックアップを行い、データの復元を行いましょう。
(2)新しいデバイスをアイクラウド・バックアップから再度戻したい場合には「設定」アプリの[一般]から一番下にある[リセット]を選択。表示されるリストから[すべてのコンテンツと設定を消去]を実行することで、最初の状態に戻してデータ復元を行うことができます。
【解決技】バックアップデータが大きい場合は復元方法にも考慮を
(1)写真を数千枚撮っていたり、メッセージソフトで大量の写真やスタンプなどを交換しているユーザのバックアップサイズは、数十GBになっていることも珍しくありません。問題になるのが、大容量データのデバイスへの復元です。アイクラウド・バックアップはインターネット経由でデータを戻すため、巨大なサイズのデータを戻すのに時間がかかります。5GBサイズのバックアップを戻すだけでも1時間以上かかると考えておくとよいでしょう。
(2)大きなサイズのバックアップを行うのであれば、iTunesでのバックアップと復元の準備しておきましょう。アイクラウド・バックアップよりも短時間、かつ安全に復元作業を行うことができます。
デバイスの復元(初期化)を試してみよう
トラブルの多くは私たちがデバイスの中で使っていたアプリやデータ、設定といったものが壊れているなどの問題で起動できなくなっていることがよくあります。アップデートやデータの復元を試してもうまくいかない場合には、リカバリモードに切り替えてiTunesに接続したときに表示されるダイアログにある「復元」を試してみましょう。
これはデバイスの中のデータを引き継がずに、iOS 9を初期化インストールするための機能です。デバイスの復元で正常に動作する場合には、トラブルシュートの切り分けとしては、デバイスの中のデータに問題があることがわかります。
デバイスの復元にも失敗する場合には、アップルのサポート記事「iOS のアップデート時や復元時のエラーに関するサポート情報」を参照するか、ハードウェア不良を併発している可能性があるので、修理サポートに相談するとよいでしょう。
デバイスの復元を行うには、iTunesに接続し、iPhoneをリカバリモードに切り替えましょう。表示されるダイアログの「復元」を選択すると、デバイスが初期化されます。
【困った! 3】Wi-Fiの接続が不安定
Macやほかのデバイスは問題ないのに、iPhoneだけ自宅やオフィスなどいつも使っているはずのWi-Fiにうまく接続できない、気がつくと接続解除されている…といった場合には「設定」アプリから[モバイルデータ通信]にある[Wi-Fiアシスト]をオフにしてみましょう。この機能はWi-Fi接続状況が悪いときに自動的にモバイルデータ通信を使用するもので、オンになっていると接続速度が低下した場合になどに自動的に切り替えられてしまいます。
それでもうまくいかない場合、「設定」アプリの[一般]から一番下にある[リセット]を選択。表示されるリストから「ネットワーク設定をリセット」を実行してみましょう。過去にさまざまなアクセスポイントに接続していた場合、リストの数が多くなりすぎていたり、同じ名前で違うパスワードが設定されていたときのものが上書きできずに残っているなどの問題を解消することができます。
【解決技】Wi-Fiアシストをオフにしよう
まずは「設定」アプリの[モバイルデータ通信]の一番下にある[Wi-Fiアシスト]をオフにしてみましょう。
【困った! 4】ブルートゥースデバイスに接続できない
OSアップデート後に今まで使えていたブルートゥース機器と接続できなくなってしまう場合があります。ブルートゥースのペアリング管理はハードウェアでも行っているため、iPhoneではなく機器のトラブルも考えられますが、まずは自分の出来る範囲で解決できないか試してみましょう。
「設定」アプリにある[Bluetooth]の項目です。一度でもペアリングしたことがあれば「自分のデバイス」の中にリストアップされているはずです。デバイス名の右端にある「情報を見る」アイコンをタップすると「このデバイスを登録解除」を選ぶことができます。使っていないデバイスがあれば解除してしまい、リストを整理することで接続状況が改善することがあります。アッップルの公式ページには、仕様上は最大7台まで同時にブルートゥース接続できるそうですが、現実的には3~4台程度であると記載されています。
【解決技】未使用のデバイスは解除しよう
[Bluetooth]の項目には、自分がペアリングしたことのあるデバイスがリストアップされるので、使っていないデバイスは解除しましょう。
【困った! 5】ネットにつながらない/電話ができない
SIMフリーのiPhoneやiPadと格安SIM(MVNO)を組み合わせて使う人が増えていますが、iOSのアップデートを行うと使えない、というトラブル報告をよく見かけます。ドコモ、au、ソフトバンクという通信契約が想定されているキャリア(プライマリキャリアとも呼ばれます)のアクセス情報はiOSに反映されているものの、その他のキャリアは「どういった設定でネットワーク接続すればよいか」という情報が提供されていないため、システムに組み込まれていないことが原因です。
これを回避するために、格安SIMを提供する各プロバイダは設定情報を組み込んだ「プロファイル」を提供しており、事前にインストールしてから使う必要があります。アップデートのタイミングで接続できなかった場合には、再度プロファイルをダウンロードして更新し直すことで接続できることがあります。
【解決技】プロファイルをインストールしよう
[設定]アプリの[一般]から[プロファイル]に進むと、提供されているプロファイルを確認することができます。
【困った! 6】特定のアプリが開かない
バックアップからデータ復元したアプリが、タップしてもまったく反応しない…そんなときはアプリのアップデートを試みましょう。アップストアで対象となるアプリのアップデートが出ていたり、システムのアップデートができる場合には適用し、環境を最新にすることをおすすめします。実際にほとんどのアプリがこれで解消すると案内されています。
もう1つの方法は、アプリをいったん削除して、再度アップストアからダウンロードし直す方法です。同じアップルIDであれば有料アプリでも再課金されずに使うことができます。しかしながら、ユーザデータがクラウド同期型ではないもの(主にゲームアプリなど)ではデータを失う可能性があるので、事前に各アプリのサポートに問い合わせをしておくとよいでしょう。
【解決技】アプリを最新版にアップデートしよう
まずは、アプリを最新にしましょう。それでもうまくいかない場合、一度削除してみるのも1つの手ですが、データ紛失には注意が必要です。
【困った! 7】テザリング接続ができない
テザリング接続がうまくいかないとき、まず簡単に試せるのが再起動です。一度電源を終了して再起動し直すことで、問題なくテザリングが再開されるようになることもよくあります。これはアップデートなどに起因する問題ではなく、それぞれのシステムが長時間稼働しているとうまくネットワーク接続ができなくなるというアドホック通信の「クセ」のようなものです。
それでもうまくいかない場合、Mac側のiTunesを再インストールしてみましょう。テザリング接続はWi─Fiやブルートゥースのほかに、USB接続などでも利用できますが、その制御はiTunesがインストールされる際に同時に追加される「カーネル機能拡張」と呼ばれるプログラムを介して行われています。最新のiTunesをインストールし直すことで、これらの機能拡張を上書きされるので改善することがあります。
【解決技】MacでiTunesを再インストールしよう
iTunesの再インストールはアップルのダウンロードWEBサイトからダウンロードすることができます。【URL】http://www.apple.com/jp/itunes/download/
【困った! 8】アプリ内の言語が英語になってしまう
iOS 9にアップデートしたら突然アプリ内の言語表示が英語になってしまった! 今まで日本語で表示されていたし、ほかのアプリは正しく日本語で表示されているのに…。
実はこれ、iOS 8から段階的に行われてきた言語仕様の変更(今まで日本語は「ja」とシステムが返していたものを「ja─jp」と表記を世界標準に改めたこと)にアプリが対応していないことに起因しています。
もしアプリ内で言語を手動で変更できれば、自分で直すことができます。しかし、多くの場合はこの問題に対応するようにアプリがアップデートする必要があります。
ただ、以前から開発者には告知されていたこともあり、現時点ではほとんどの主要なアプリで対応が終わっています。未対応のアプリもさほど多くないのであまり目にする機会がない問題かも知れません。
【解決技】アプリ内で言語を手動で変更しよう
万が一英語表記になってしまった場合、アプリ内で言語変更できるようであれば手動で変更しましょう。
【困った! 9】時間が正しく表示されない
iOSデバイスは、時刻合わせをモバイル通信回線で使用する基地局から提供される情報や、Wi-Fiを通じて「NTPサーバ」と呼ばれる時報サービスのような仕組みを使って行っています。ところが「iOSをアップデートしたタイミングから時間が正しく表示されない」という症状が一部発生しており、アップルも現在調査中の問題として存在しています(2015年10月13日時点)。
具体的な解決策が見つかり次第、ソフトウェア・アップデートを通じて提供する予定のようですが、現時点では手動で解決するしかありません。時刻がずれているようであれば、「設定」アプリの[一般]にある[日付と時刻]を選択。表示される画面で[自動設定]をオフにします。また、時間帯が「東京」や「大阪」といった日本の都市名が選ばれていない場合には、JST(日本標準時)の時差修正を正しく適用するために、都市を正しく設定しておく必要があります。
【解決技】設定で[自動設定]をオフにしよう
「設定」アプリの[一般]にある[日付と時刻]を選ぶと表示される画面で[自動設定]をオフにしましょう。
【困った! 10】アイメッセージが使えない
「アイメッセージ」や「フェイスタイム」は、iOSデバイスを使うメリットに挙げる人もいるほど便利なコミュニケーションツールです。
この2つのアプリは、アップルIDを使ってアクティベーションします。よって、アップストアやアイクラウドにログインできていれば使えると思われがちです。しかし、実際には異なるシステムがサービスを提供しており、この2つだけ利用できないというトラブルが発生することがあります。
もし、ほかのデバイスでアイメッセージやフェイスタイムが使えているのに、iOS 9を利用している特定のデバイスだけが使用できない場合、[日付と時刻]をチェックしてみましょう。一般的に時刻の誤差が5分以上ある場合に認証ができないように設計されているものが多く、この部分を直すだけで通常どおり使えるようになるケースも多くあります。
【解決技】[日付と時刻]をチェックしよう
「設定」アプリから[一般]に進み、[日付と時刻]をタップ。ここで5分以上時刻に誤差がある場合は修正しましょう。