【Q】セキュリティは大丈夫なの?
【A】Macにウィンドウズ環境を入れるという意味で、ブートキャンプも仮想化ソフトもセキュリティが不安になります。特にブートキャンプはMacのハードウェアにウィンドウズをそのまま入れるので、当然ながら対策をしないとMacが無防備になります。
しかし、仮想化ソフトやブートキャンプのウィンドウズがウイルスに感染してしまってもOS X側に影響を与える心配はほとんどありませんが、ファイル共有機能を経由してOS X側に感染ファイルが混入し、他人に流出することは考えられますので、対策はするべきでしょう。
パラレルスやフュージョンなどの仮想化ソフトには、無料のセキュリティソフトがワンタッチでインストールできるのでぜひこれを利用しましょう。ブートキャンプでも無料でいいのでセキュリティソフトをインストールし、ウィンドウズの自動更新も有効にしておいたほうが安全でしょう。
パラレルスでは、メニューバーの[ファイル]メニューから「カスペルスキーセキュリティ」を無料でインストールできます。フュージョンでも「マカフィーアンチウイルス」をインストールできます。
【Q】ウィンドウズのライセンスは?
【A】ブートキャンプや仮想化ソフトでウィンドウズを使うとき、もちろん正式なライセンスが必要です。どちらも普通のウィンドウズPCと同様にアクティベーションが必要になり、仮想マシンを再作成したり、ブートキャンプに再インストールするとアクティベーションのリセットが必要なことも物理的なウィンドウズPCと同じです。
また、パラレルスやフュージョンは、ブートキャンプボリュームを起動ディスクとして仮想マシンを動かすことも可能ですが、このような使い方をするときはライセンスが2つ必要になります。物理的なMacは1台なのですが、仮想マシンは別のコンピュータとして解釈されるからです。同様に、ブートキャンプと仮想化ソフトを併用する場合もライセンスが2つ必要です。
逆に、ブートキャンプをインポートして仮想マシンを作成した場合、ブートキャンプ側を削除すればライセンスは1つで済みます。ただし、ウィンドウズPCからインポートして仮想化したとき、ウィンドウズPCが自作機ではなくメーカー製の場合はライセンスの追加が必要になります。OS Xと違ってウィンドウズのライセンスはかなり厳格で面倒ということです。
インストールされたウィンドウズが1つであってもブートキャンプと仮想マシンで共用した場合、ライセンスは2つ必要になります。ブートキャンプと仮想マシンにそれぞれインストールした場合も2つ必要です。
【Q】デジタル著作権管理(DRM)はどうなるの?
【A】ブートキャンプでは、ハードウェア的に普通のウィンドウズPCを使っているのとほぼ同じなので、iMacやMacBookシリーズならなら地デジやブルーレイなどの著作権管理された機器やソフトが使えます。一方、仮想化ソフトでは、ウィンドウズメディアやiTunesストアの音楽や映画は再生できますが、地デジやブルーレイはより厳格な著作権保護への対応が必要なため使えません。さらに、電子書籍リーダなどではスクリーンショットの撮影を防止するため、仮想マシンでの動作を禁止しているブックリーダもあります。
仮想マシンであることを検知してDRMのかかった電子書籍(暗号化されたPDFファイル)を開けないものもあります。
【Q】ウィンドウズのエディションはどれがいいの?
【A】ウィンドウズは1つのバージョンで複数のエディションが用意されています。ホーム版とプロ版にそれぞれ32ビット版と64ビット版があり、DSP版やアップグレード版も用意されます。
ブートキャンプで使う場合は、Mac本体ごとに対応するウィンドウズのバージョンとビット数が決まっているので適切なものを選んでください。仮想化ソフトの場合は基本的にどのエディション・ビット数でも構いません。
アップグレード版は、以前のウィンドウズを持っている人しか購入できません。新規にインストールするにはパッケージ版を購入しましょう。プロ版かホーム版かは使い道によって選んでください。なお、10はパッケージ版よりもDSP版のほうが高いという逆転現象が起きています。
ネットショップでウィンドウズを検索するとずらりと出てきてしまいますが、以前のウィンドウズを持っていない場合はパッケージ版を選ぶのがいいでしょう。
【Q】社内ネットワークにログインできるの?
【A】社内ネットワークでは、ウィンドウズベースのマシン管理システムが導入され、Macは管理できないことから、禁止というルールの企業も少なくないでしょう。しかし、パラレルスによる仮想マシンならば、「Parallels Mac Management for Microsoft SCCM」を導入することで、Macの管理をマイクロソフトのSystem Center Configuration Manager上で管理できるようになります。
仮想マシンのネットワークをブリッジモードにするとIPアドレスを取得できるので、サーバ運用したり社内システムに接続しできるようになります。
【Q】OS Xをアップグレードしても大丈夫なの?
【A】ブートキャンプや仮想化ソフトを使っている状態で、OS Xのアップグレードをしてもいいのか、という声もあります。まもなく、OS Xエルキャピタンがリリースされるので、気になりますね。結論からいえば、基本的に問題ありません。しかし、まれにブートキャンプのウィンドウズが起動しなくなる事例もあるので、念のためバックアップを取っておいたほうがいいでしょう。仮想化ソフトの場合は、仮想マシンをスタンバイではなく、シャットダウン(停止)しておきましょう。
OS Xや仮想化ソフトをアップグレードするときは、仮想マシンをシャットダウンしてウィンドウズを完全に終了しておきましょう。