大都会の片隅で、深夜にだけ営業する喫茶店“真夜中のジーニアス”がある。そこには夜な夜なさまざまな客が訪れ、モバイルに関する相談が繰り広げられる。マスターとアシスタントがおすすめの“裏メニュー”で問題を華麗に解決します。今夜のお客様はMacBookのドレスアップでお悩みとのこと。
意外と潔癖なんです
マスター●春ですねえ…。
ユミコ●暖かくなってくると、気分がアガってくるわ~。
(カランカラン♪)
ユミコ●おっ、早速お客さん登場! いらっしゃ…なーんだチャラ男先輩か。
客●ひどいな、俺見た目ほどチャラくないよ! 結構マメだしマジメだし。
ユミコ●ふっ、どうだか。で、ご注文は?
客●コーヒーと、いつもの裏メニューを頼みたいわけよ。
ユミコ●モバイルのお悩みですか? 今日は何でしょうか。
客●ユミコも知ってると思うけど、俺って割とファッションに気を使うタイプなんだよね。このMac Bookもドレスアップしたいんだけどテック系の連中みたいにベタベタステッカー貼るのもどうかなあ…と思っててさ。意外と潔癖なんでMac汚したくないんだよね。
ユミコ●はあ、そうですか。Mac汚したくなければいっそのこと触らなければいいんじゃないですか?
客●意地悪だねえ。でもMacは使いこなしてナンボじゃない? 人前で目立つようにデコりたいけどMacはきれいに保ちたいというビミョーな男心わかってもらいたいなあ。
ユミコ●先輩の場合、使いこなすというかスタバでドヤりたいだけなんじゃないかという気もしますけど。
Macをきれいに保つ利点
ユミコ●うん、でもMacを汚したくないって気持ちはわからなくもないんですよね~。毎日使っているとキーボードがテカってきたり、ディスプレイに変な跡が付いていたりしますし。
客●おっ、わかってくれた?
ユミコ●いえ、無駄にデコりたい気持ちは全然わかんないんですけど、きれいに保っておけばMacを中古で売るときに有利かなと思って。
客●そっちかい!
ユミコ●でも、普段のMacの掃除は無水エタノールと「キムワイプ(日本製紙クレシア)」があれば十分な気がしますよ。専用のクロスやクリーナーがあればそのほうが安全ですけど。
客●何その理系の実験室みたいな装備。確かにクリーニングはそれでいいかもしれないけど、できればMacBookもiPhoneみたいに最初から保護フィルムなんかできれいに保ちたいんだよね。
ユミコ●ああ、先輩はそういうの付ける派なのね、わかりました。でしたらそのあたりのアクセサリから確認していきましょうか。
客●オッケー! よろしく。
フィルムやカバーでMacBookを守る
ユミコ●フィルム系の保護シートにもいろいろあるんですけど、一番ニーズが高いのはディスプレイ用のフィルムですよね。
客●だよね、どれを選べばいいんだろう。
ユミコ●まず、当たり前ですがお使いのMacのモデルにあったサイズのものを選ぶこと、そしてどの製品であれフィルムを貼る以上は標準の状態よりはクリアでなくなることを理解しておいてください。最近の製品は透過度が高いので、あまり気にならない人も多いと思います。
客●WEBで見ると「グレア」とか「アンチグレア(ノングレア)」とかあるけど、それに関係する?
ユミコ●グレアは「光沢」の意味で、光沢があると動画の視聴時などでクッキリ見える場合があります。アンチグレアは反射を防止するために表面がわずかにザラつく処理が施されています。照明などの映り込みが気になる人はそちらを選んでください。
客●「ブルーライトカット」はあったほうがいいのかな?
ユミコ●う~ん、その辺は好みもありますがmacOSには色温度を自動変更する「ナイトシフト(Night Shift)」がありますので、そこまで優先度は高くないと思いますよ。もし機能を追加したいのであれば、視野角を狭める「覗き見防止」タイプのフィルムがノマド作業でのプライバシー確保に効果的です。
客●なるほど~。保護フィルムはほかにも種類があるの?
ユミコ●ディスプレイ以外の貼る場所という意味では「タッチバー/タッチID」やトラックパッド用の保護フィルムがあります。あとはフィルムではありませんが、キーボードカバーも定番ですね。ま、私はキータッチ重視なのでカバーは付けませんけど。
客●ユミコは生が好きなんだ。
ユミコ●やかましい。
ディスプレイの保護フィルムは多数ありますが、照明などの映り込みを防ぐ「アンチグレア」タイプの場合は透過率の数値が90%以上のものを選ぶとよいでしょう。写真は12インチMacBook用の「アンチグレアフィルムセットPEF-12」(【発売】パワーサポート 【実売価格】2000円前後)。
システム環境設定の[ディスプレイ]パネルに[Night Shift]タブがあり、ここから色温度を変更できます。そのため、macOS Sierra以降のMacではブルーライトカット製品を積極的に利用するメリットは大きくありません。
指が触れて汚れやすいトラックパッド用のフィルムもあります。写真は12インチMacBook用の「PTF-73」(【発売】パワーサポート 【実売価格】800円前後)。また、パームレスト部分をシールで保護する製品を併用するのも汚れ防止に効果的です。
シールやフィルムとは異なる発想としては、アクリル製のキーボードカバーを置いてその上で外付けキーボードを利用する製品もあります。写真はバード電子の「キーボードブリッジ(クリア色)」(【発売価格】バード電子 【実売価格】8000円前後)。
ステッカーをきれいに剥がそう
客●とりあえず、MacBookの内側の保護は万全だね。そうなると次はいよいよMacBookの天板をどうデコるかだけど…。
ユミコ●先輩みたいに汚したくないのであれば、MacBookに直接貼るのではなくて、プラスチック製のシェルカバーを装着してからステッカーを貼るのがいいと思いますよ。私は重くなるの嫌だから付けませんけど。
客●そういう方法もあるんだ! でも…それって何かあんまり潔くない気も?
ユミコ●今さら何言ってるんですか! だったらバシッと格好いいステッカーの一枚でも貼ってみたらいいですよ。WEBにはセンスのよさそうなステッカーがいろいろ売ってますからっ。
客●へぇ…話題のグラフィティっぽいのもあるんだ、やばいバイブス上がるわ。
ユミコ●茨城の防波堤じゃあるまいし、先輩のMacにバンクシーが描いてくれるとは思いませんけどね。いっそのこと全面を覆ってしまうスキンカバーを貼ってしまえば美観とMac保護を両立できますよ。
客●探せばいろいろあるもんだねえ。でも、これって剥がしたくなったらきれいに剥がせるの?
ユミコ●ステッカーの粘着成分によっては白い台紙が残ってしまうことはありますね。その場合はシール剥がし用のスプレー使えば結構きれいに取れますよ。ネットだとホワイトガソリンとかライターオイル(ナフサ)を使う方法も紹介されていますが、可燃性のものは危険なので安上がりでもオススメしません。あと、いずれの方法でも作業は換気に気をつけてくださいね。先輩にはここまで言わないとドジ踏みそうなので。
客●信用されてないなあ(笑)。でもきれいに剥がせる方法があるんだったらステッカーを貼る心理的ハードルは下がるな。
ユミコ●それならよかったです。あとは自分の好きなステッカー探してくるだけですね。
クリア素材のシェルカバーも販売されています。写真は2018年モデルのMacBook Air用ケース(【発売】 TopACE 【実売価格】1500円前後)です。本体の保護だけでなく、ステッカーを貼るのにも適しています。
IT系のエンジニアを中心に利用しているサービスなどのステッカーを貼るカルチャーがあります。斜めに貼る、大きさの異なるステッカーを重ね貼りするなどでオリジナリティを主張できます。【URL】https://www.flickr.com/photos/blakespot/4666099543Blake Patterson
オリジナルのステッカーをつくろう
客●でも、そういうWEBサービスのステッカーってハッカソンとかのイベントに出ないと手に入らないんじゃないの? 実は俺エンジニアじゃないから、そういうのに参加しないしな。
ユミコ●うん、知ってた。企業やサービスのステッカーはネットオークションで手に入ることもありますけど、基本的には非売品ですからね。そういうのが手に入らないのであれば、オリジナルのステッカーを作ってみるというのはどうです?
客●え? そんなことできるの?
ユミコ●専用のステッカー用紙とインクジェットプリンタがあればきれいなものが作れますよ。図柄はフォトショップやイラストレータでオリジナルを作るもよし、海外のフリーイラスト素材から気に入ったものをダウンロードして使うもよし。
客●自慢じゃないけど俺は絵心もないからね。それにしても海外からイラスト探すの大変だなあ。
ユミコ●もう君はみふねたかし先生の「いらすとや」ステッカーを作って貼っておけばいいんじゃないかな。
客●一周回ってものすごくオリジナリティあるわ…。
ユミコ●いえ、ほんの冗談です。自分で作れないのであればハンドメイド通販サービスで探すと作家性の強いスキンシールやステッカーに出会えますのでこちらもおすすめですよ。
印刷用のラベルと保護フィルムがセットになった手作りステッカーが販売されています。ラベルは透明なものとホワイトタイプがありますので、デザインに応じて選んでください(【発売】エーワン 【価格】1300円前後)。
全体を覆うシェルカバーを自作するのであれば、「あいほん屋」のシェルケースプリントサービスを利用してみるのもよいでしょう。現行のMacBookシリーズに対応し、価格も3800円からというのが魅力です。【URL】https://aihonya.com/?mode=f39
厚みのあるステッカーを作る!
写真や紙片などをアルバムにスクラップできる「シールメーカー」という文房具があります。特にザイロン(XYRON)社製のものが有名で、これを利用することでオリジナルのステッカーや布製のパームレストラグを作れます。粘着ロールは強粘着タイプと貼り剥がし可能なリフィルタイプがありますので、後者を選ぶとよいでしょう。使い方は簡単で、幅12cmまで対応する「X500」の場合は、シールにしたい紙片をローラーで送るだけ。ローラーには厚さ2mm程度まで利用可能なので、厚みのあるオリジナルシールも作成できます。
ザイロンX500
【発売】ザイロン
【実売価格】1万円前後
ユミコの日誌
今日のお客様はMacBookのデコレーションと保護でお困りのお客様でした。3つのオーダーは
・MacBookのディスプレイやキーボードを守る方法
・ステッカーの貼り方・剥がし方
・オリジナルのステッカーを作るには?
についてでした。個性を主張しつつMacBookを傷や汚れから守れるなんて一石二鳥ですね!