※本記事は『Mac Fan』2024年2月号に掲載されたものです。
利用前に知っておきたい確認事項
OpenAIが2022年11月に「ChatGPT」をリリースしてから、早2年が過ぎました。わずか2年とはいえ、ChatGPTは、すでに広く認知されるツールになっていますよね。
まず、同サービスがどのようなものか改めて確認しておきましょう。ChatGPTは、テキストで質問を投げかけるとAI(人工知能)がその回答を表示するサービスで、まるで人間が書いたかのような自然な文章でAIとやりとりできるのが特徴です。たとえば「メールの例文を考えて」と送信すると、「もちろんです。以下は一般的なビジネスメールの例文です…」といったように、会話調でメールの雛型を生成してくれます。そのほか、文章の構成案を作ったり、プログラミングの補助に使ったりと、活用できるシーンは多岐に渡ります。
ところで、ChatGPTには、無料版と有料版が用意されているのはご存じでしょうか。テキスト生成を試すといった用途では無料版で十分ですが、有料版(月額20ドル)ではWeb検索や画像生成にも対応します。たとえば、自分の顔写真を送ってイラスト調のアイコンを作ってもらったり、条件を提示して簡単なロゴを作ってもらったりすることが可能です。
さらに、GPT4-Turboではプログラミング不要で独自の言語モデルを作成することもできます。Web検索の場合も、Bing検索との連係で参照元のURLを提示してくれるので、情報を確認しやすく安心です。
そのほか知っておきたいのは、ChatGPTに対して機密情報は送信してはいけないということ。ChatGPTは利用者からの質問データを蓄積して学習しているため、個人情報などを入力した場合、重要な情報を記録してしまいます。
なので、ChatGPTに投げかけた質問を学習に活用されないようにしたい場合は、ChatGPTにログインする→[Settings]をタップし[Data Controls]を開く→[Chat History&Traing]をオフにします。これで、その端末からのやりとりが機械学習に利用されることはありません。


ChatGPTのアプリを利用する
ChatGPTは元々ブラウザのみで利用可能なサービスでしたが、2023年5月にはiOS向けアプリが、さらにその翌月にはiPad OS向けアプリがリリースされました。ここからは、そのiPad OS向け「ChatGPT」アプリの注目機能を解説します。

ログイン方法や質問を投げかける方法など、基本的な操作はブラウザ版とほぼ変わりません。一方、アプリ版にしかない機能として、音声対応が挙げられます。質問は音声コマンドで、回答は読み上げられるので、料理中や身支度中などといった、手が離せないシーンでも役立つでしょう。
音声で質問する方法はとても簡単。テキスト入力欄の右端にある音声のアイコンをタップし、入力したい内容を音声で話したあと、画面右端のチェックマークをタップ。すると質問内容を送信できます。


また、画面右端のアイコンをタップすると、ChatGPTと会話することができます。「えっと」などの意味をもたない言葉や、言い間違えて言い直した箇所などを訂正した状態でテキスト化してくれるので、履歴を見返しやすいです。

また、もう一点ブラウザ版と異なる点は、デフォルトの状態では、過去のチャット履歴が表示されないこと。履歴を確認したい場合は、画面左上のアイコンをタップするか、画面全体を右へスワイプしましょう。そうすればブラウザ版のように、過去のチャットの質問と回答を確認できます。

仕事をAIに奪われるなどとよく言われますが、うまく活用すれば仕事の効率を大きく高められる優秀な秘書になってくれます。メールの文面を考えてくれたり、文章の誤字脱字を校正してくれたりと、一度使えばなくてはならない存在になるでしょう。まずは無料版を、ぜひ試してみてください。
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著者プロフィール

井上晃
スマートフォン・タブレット・スマートウォッチなど、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌で、速報やレビュー、コラムなどを執筆している。新製品やサービスのレビュー、比較検証記事の執筆本数は年間100本以上。