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iPadのノートアプリ、正解はどれ? Goodnotes 6/Notability/Nebo

著者: 井上晃

iPadのノートアプリ、正解はどれ? Goodnotes 6/Notability/Nebo

※本記事は『Mac Fan』2023年11月号に掲載されたものです。

書類データを読み込んで、手書きのメモや注釈を書き込む!

iPadでノートをとりたい場合、iOSの純正「メモ」アプリで十分なことは多いでしょう。しかし、より高度な作業をしたいならば、サードパーティ製ノートアプリが活躍します。

たとえば、PDFやWordで作成された書類データを読み込んで手書きのメモや注釈を書き込みたいなら、「Goodnotes」の出番です。

同シリーズはiPadユーザから長く愛されてきた定番ノートアプリであり、昨年は前バージョンの「Goodnotes 5」がApp Store Awards 2022にて、優れたiPadアプリに贈られる賞「iPad App of the Year」を獲得しました。そして、2023年8月からは最新バージョン「Goodnotes 6」が提供されています。今回は、多彩な機能を備える本アプリの、書類を読み込む方法にしぼって解説しましょう。

Goodnotes 6

【開発】
Goodnotes Limited
【価格】
無料(アプリ内課金あり)

具体的な操作手順は、まずノート画面の右上にある[ページを追加]のアイコンから[読み込む]を選びます。

書類を追加するには、「Goodnotes 6」で作成したノートの画面を開き、画面右上にある紙に[+]が描かれたアイコンをタップ。ここでは、既存ページの末尾に資料を追加したいので[後に]を選んだ状態で、最下部の[読み込む]をタップしました。

すると、「ファイル」アプリが起動するので、開きたい書類を選べばOKです。ノート上に書類が展開されたら、注釈を書き込んでいきましょう。

「ファイル」アプリが起動します。書類を選択してウィンドウ右上にある[開く]をタップすれば、読み込み完了です。あとは通常の書類に注釈を書き込むように、操作できます。

同じく書類に書き込みができる「ファイル」アプリのマークアップではなく、こうしたノートアプリを使うメリットは、機能の多さにあります。たとえば、ページを複製したり、図形や関連画像を貼り付けたり、Apple Pencilで画像を好きな形にトリミングしたりといった操作は、Goodnotes 6の得意分野です。

なお、Goodnotes 6のアプリ自体は無料でインストールできますが、すべての機能を解放するには、4080円の買い切り購入か、年額1350円でのサブスクリプション契約をする必要があります(従来バーションの購入者が新バージョンへアップグレードする場合には一定の割引が適用される)。有料アプリとしてはやや高額に思えるかもしれませんが、手書きノートを使用する頻度が高い人ならば、購入しておいて決して損はないでしょう。

音声とテキストを連動させたり、手書き文字をテキスト化したりする!

iPadをノートとして使うなら、キーボードよりもApple Pencilをメインに使いたいという人もいるでしょう。以降は、そんな人にこそ使ってほしいおすすめのノートアプリを2つ紹介します。

1つ目は、「Notability」です。特徴は、音声を録音しながらメモを残せること。たとえばセミナーや講義のノートを取ったり、インタビューのメモをとったりする際には、話が速いと、すべてを文字に残すのが困難なことも多くあります。

Notability

【開発】
Ginger Labs
【価格】
無料(アプリ内課金あり)

そんなときはNotabilityの録音機能を使い、キーワードだけをメモしてみましょう。Notabilityで録音した音声は、手書き文字と連動するため、ノートをとったあと、メモした単語をタップすると、その文字を書いていたタイミングで録音された音声をピンポイントで再生することができます。

「Notability」のノート上で録音をスタートすると、書き込んだメモと、そのタイミングで録音された音声が紐づいて記録されていきます。停止ボタンをタップすれば録音が完了されます。
録音後に再生ボタンを押すと、その音声と同タイミングで取ったメモが薄く表示されます。文字をタップすると、その文字を書いていたタイミングで録音された音声のところまで再生位置がジャンプします。

2つ目は「Nebo」です。同アプリで注目したいのは、手書き文字をピンポイントでテキスト化する機能。書き込んだ文字を投げ縄ツールで囲み、指先でダブルタップすることでテキストデータに変換できます。

Nebo

【開発】
MyScript
【価格】
無料(アプリ内課金あり)

もちろん、iPadOSのペンツールに備わっているスクリブル機能のツールでもテキスト化はできますが、こちらはアップルペンシルの切り替えがおっくうに感じる人もいるはず。一方、Neboのテキスト化機能ならば、ツールの変更を意識せずに、後から必要な箇所だけを変換できます。

「Nebo」で作成できるノートは、「文書」と「メモ」の2種類。「文書」では書いた文字がすべてリアルタイムでテキストに変換されます。一方、「メモ」では投げ縄ツールで囲んだ文字をダブルタップすることで、手書き文字をテキスト化できます。
ダブルタップすると、手書き文字がピンポイントでテキストデータに変換されました。「メモ」ではフリーハンドでの描画なども交えやすいので、さまざまな用途で使いやすいでしょう。

また、下線の引き方によって文字サイズを変更したり、点を打ったあとに文字を続けて書くと箇条書きに変換されたりといった応用ができることもユニークです。

最後に、これらのアプリの料金について紹介しておきます。Notabilityは、無料でインストール可能です。すべての機能を利用したい場合は、月額700円、または年額1480円〜のサブスクリプションに契約する必要があります。Neboも無料でインストールできますが、こちらは機能制限なく使うために、買い切りのアプリ内課金が必要です。プランがいくつかあるので、用途に合うものを選びましょう。

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著者プロフィール

井上晃

井上晃

スマートフォン・タブレット・スマートウォッチなど、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌で、速報やレビュー、コラムなどを執筆している。新製品やサービスのレビュー、比較検証記事の執筆本数は年間100本以上。

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