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モニタヘッドフォン「Clear MG Pro」を体験。 開放型で軽いから、まるで耳に何もつけてないみたい!/宮本佳林のDTMでは研修生【第19回】

モニタヘッドフォン「Clear MG Pro」を体験。 開放型で軽いから、まるで耳に何もつけてないみたい!/宮本佳林のDTMでは研修生【第19回】

※この記事は『Mac Fan』2023年11月号に掲載されたものです。

Macで作曲に励む宮本佳林さんには、気になるDTMツールがいっぱい!第19回はFocalのモニタリング用のヘッドフォンを試聴しました。

宮本佳林

宮本佳林

歌手。ハロー!プロジェクト所属の女性アイドルグループ・Juice=Juiceの元メンバー。現在はソロ名義で活躍の場を広げている。趣味はアニメ・漫画鑑賞、射撃(シューティング)。

株式会社メディア・インテグレーションの並木大輔さん。近年、高価格帯のヘッドフォンはFocal製品を含め売れ行きが良く、いい環境で音楽を楽しむ人が増えていると感じているそう。

モニタヘッドフォン「Clear MG Pro」は左右からコードが接続できる。 高級な証なんだって!

今回取り扱うのは、フランスのオーディオブランド「Focal」のモニタヘッドフォン「Clear MG Pro」。輸入代理店であるメディア・インテグレーションのセールス担当・並木大輔さんが解説してくれました。

Clear MG Pro

【発売】
メディア・インテグレーション
【価格】
25万8500円

Clear MG Proは仏・Focalが開発する最高品質のモニタヘッドフォン。新開発のマグネシウム・ドライバを搭載しており、素材の軽量化、硬質化、振動吸収率が大幅に向上。全帯域にわたり目覚ましいトーン・バランスを実現している、まさに究極のモニタ・ツールです。

並木大輔

並木大輔

今回紹介したいのは、作曲家やエンジニアのための製品をラインアップした「Focal」ブランドの「Clear MG Pro」です。宮本さんは、このブランドのモニタスピーカに見覚えがあるかもしれません。

宮本佳林

宮本佳林

レコーディングスタジオで見たことがある気がします! Clear MG Proはケーブルが左右両方から出ているんですね。音楽の仕事を始めたときに「ヘッドフォンはケーブルがついているほうが左」と教えてもらったので、このパターンの製品もあるのかと驚きました。

並木大輔

並木大輔

左右のドライバに独立して信号が行くように、どちらにもケーブルが挿さるようになっているんです。10万円以上するヘッドフォンは両方挿さるタイプが多いですね。

宮本佳林

宮本佳林

高級な証なんですね! モニタヘッドフォンというのは、音を確認するために使うんですよね?

並木大輔

並木大輔

はい。なので、リスニング用のヘッドフォンとは違い、なるべくフラットな原音に近い音が鳴るように設計されています。

2022年に発売されたプロフェッショナル向け開放型ヘッドフォン「Crear MG Pro」。開放グリル部に新しいハニカム・グリルを採用し、新開発のマグネシウムドライバを搭載。専用ハードケースにはスペアのクッションが付属しています。

ドライバへのこだわりがすごい。 傾斜と素材で聞こえる音が変わるんだ!

宮本佳林

宮本佳林

Clear MG Proには、どんな特徴があるんですか?

並木大輔

並木大輔

開放型で、音がよく広がるうえに本体も軽いので、装着して音を聴いているとまるでヘッドフォンが消えてしまったような感覚になるんですよ。自宅で音楽制作をする場合、時間を気にせず大きな音を出すのは難しいですよね。そういう場合でも、このClear MG Proを使えば、モニタスピーカで聴いているかのように音をモニタリングできます。

宮本佳林

宮本佳林

今使っているヘッドフォンだと、いざ自宅以外の環境で鳴らしてみると「こんな音だっけ?」ということがあるんですよね…。

並木大輔

並木大輔

原音に近い音で聴けていないのかもしれませんね。Clear MG Proはどの周波数帯の音もきれいに出るので、どこをどう調整するかを正確に判断できるんです。ちょっと装着してみますか?

宮本佳林

宮本佳林

耳に当たる部分がフカフカですね! 開放型だから、ちゃんと外の音も聞こえます。ゲームにもよさそうだなぁ。頭に当たる部分が合わないと、痛くなってきちゃうんですけど、これは大丈夫そうです。

「Crear MG Pro」で音楽を聴いた瞬間「すごい…」と語彙が消失した宮本さん。他社製の一般的なヘッドフォンと聴き比べしたところ、「全然違う…! Crear MG Proの音はA5ランクの和牛って感じですね」とのこと。
並木大輔

並木大輔

人間工学に基づいて設計されていて、耳の角度に合わせてドライバが斜めになっているんです。

宮本佳林

宮本佳林

スピーカの聴き心地を、ドライバの向きでも調整しているんですね。

並木大輔

並木大輔

あとはドライバの素材が、従来のものはアルミニウム/マグネシウムだったのを、マグネシウムのみに変更しました。これによって、さらに音が良くなったんです。

宮本佳林

宮本佳林

素材で音が変わるんだ。ヘッドフォンって奥が深い…!

ヘッドフォンアンプがなくてもiPhoneにつないで聞ける。 モニタリング以外でも使いやすいかも!

並木大輔

並木大輔

そうそう、Clear MG ProはiPhoneに接続して聞くこともできるんです。高級なヘッドフォンは、抵抗値が高くてオーディオインターフェイスやヘッドフォンアンプがないと音が鳴りきらないことが多いのですが、これは抵抗値を下げてさまざまな環境で聞けるようにしています。

宮本佳林

宮本佳林

それ、すごくありがたいです。以前せっかく奮発して高いヘッドフォンを買ったのに、自分の携帯用音楽プレーヤでは音がしっかり鳴らなかったことがあって。あれは抵抗値の問題だったんですね。こういう機器は、ちゃんと調べて買うことが大事!

並木大輔

並木大輔

音楽制作だけでなく、Clear MG Proで映画を観るのもおすすめですよ。

宮本佳林

宮本佳林

アメコミ映画を臨場感たっぷりで観てみたいです…。

並木大輔

並木大輔

プロユースのClear MG Proは性能を極限まで高めているので少々高価ですが、同ラインの「Listen Professional」は5万円ほどで購入できます。いい音を聴く喜びをもっとたくさんの人に知ってもらいたいですね。

Listen Professional

【発売】
メディア・インテグレーション
【価格】
5万1700円

Focalの音響技術を注ぎ込んだ密閉型ヘッドフォン「Listen Professional」。レコーディングやパフォーマンスなど現場で使うのに適しており、ヘッドバンドに特殊なプラスチックを採用しているため耐久性が高いのもポイントです。

Listen Professionalを使用してみると、開放型と密閉型の違いなのか「Crear MG Proはふわっと聴けて、音が“流れている”感じ。こちらは集中して聴けて、音が“鳴ってる”感じです」と表現した宮本さん。どちらも上質な音で、その種類が違うと感じたそうです。