※この記事は『Mac Fan』2023年11月に掲載されたものです。
関西在住者に朗報! Apple PayでICOCAが使える
Apple Payに登録できる日本国内の交通系ICカードは、これまでSuicaとPASMOの2種類でした。しかし今年6月末、ICOCAも対応を果たしたのをご存じでしょうか。
「ICOCAアプリ」を使って作成したデジタルカードや、カードタイプのICOCAをApple Payに登録できるようになりました。
交通系ICカードの発行会社によって管轄のエリアが決まっているため、それぞれのエリアをまたいで乗車する場合は交通系ICカードで決済できません。しかし各エリア内であれば、国内のどんな交通系ICカードでも支払えますから、関西周辺に住んでいない人は「関西に行くときもSuicaがあればいいんじゃない?」と思われることでしょう。
ですが、ICOCAは交通系ICカードのなかでもオトクに利用できる仕組みが多いんです。関西圏に住んでいる人や出張などの用事で関西圏に行く機会が多い人は、ぜひとも活用してみましょう。
まず、ICOCAおよび相互利用に対応している交通系ICカード全般に適用される割引の例をお話しします。神戸市バス(全路線)および神姫バス(山手線)に乗車したあと、これらの路線に乗り継ぐと1乗車目の料金を上限に2乗車目が割引されます(割引上限は210円/小児・敬老・特割の割引上限は110円/1乗車目の降車から60分以内に2乗車目を降りていることが条件)。
そしてICOCAであれば、先述のふたつの路線と山陽バス(高速バスを除く全路線)の利用状況に応じてポイントが貯まる「神戸市バス・山陽バス共通乗車ポイント」を利用できます。1カ月間(1日〜末日)の利用額/利用時間に応じて5〜20%のポイントが貯まり、貯まったポイントが乗車料金を超えると自動的にポイントから乗車料金が支払われる仕組みです(ポイントで支払った場合、先述の乗り継ぎ割引は適用外)。最初に利用登録を完了させる必要はありますが、一度登録すればあとは乗車するだけでOKと、ポイントを無駄なく使えます。
「WESTER」との連係で、電車に乗ってポイントを貯めよう!
ICOCAを使えば、JR西日本グループの共通ポイントサービス「WESTERポイント」が貯まるのも見逃せません。いうならば、JR東日本エリアで提供されている「JREポイント」の関西版といったところで、特定の店舗での買い物および鉄道利用でポイントが貯まります。
提携店舗での利用時は「WESTER」アプリでバーコードを表示するなどの方法でポイントを加算できますが、鉄道利用時はさらに手軽。「WESTER」アプリなどを使ってICOCAの利用登録を済ませておくだけで、あとはそのICOCAを使って鉄道を利用すればポイントが加算されます(対象はJR西日本の特定エリア)。そして、鉄道利用時に加算されるポイントは2種類あります。
「WESTER」アプリを使えば、提携店舗や鉄道利用時にポイントを貯められます。関西圏在住の人は使って損はないでしょう。
1つ目は時間帯指定ポイントです。通勤時間など混雑する時間帯以外に乗車する際、1カ月間(1日〜末日)で4回目以降は乗車料金の10%がポイントとして貯まります。なお、ポイント適用区間/時間は複数のグループに分かれており、乗車回数はそのグループごとに計算されます。
2つ目は、1カ月間(1日〜末日)に同一区間を11回目以上乗車した際に貯まるポイントです。11回目以降は、1回ごとに乗車料金の10%が貯まります。
なお、ICOCAをApple Payで利用する際に注意したいのが、モバイルSuicaようなオートチャージ機能が用意されていないこと。チャージするためには、都度「ICOCAアプリ」を起動しなければいけません。
ちなみに、大阪の地下鉄やバスに乗車する際には「Osaka Point」というポイント還元サービスも利用できますが、これに対応しているのは現状カードタイプのICOCAのみ。デジタル化の過渡期を経て、Apple Payに登録したICOCAにも対応することを期待しています。
SuicaやPASMOで利用することができない割引/ポイント制度を存分に享受できるのICOCAの魅力です。Apple Payに対応した今こそ使いましょう!