新技術の導入が「検証で終わる」課題
ホロラボは2017年の創業以来、XR・空間コンピューティングと3D空間データを軸に、製造、建設、インフラ、まちづくりなどの現場で取り組みを重ねてきた。プレスリリースとして公表した事例だけで約120件にのぼる。

一方、同社によると、新しい技術を使った取り組みの多くは検証(PoC)で一区切りとなり、運用や事業への展開まで進まないことが課題だったという。
同社は、この1年でAIが日常的に使われるようになり、現実の空間を短時間で3Dデータ化するスキャナや、現場の様子をそのまま記録できるスマートグラスも普及したことで、現場をデジタル化してAIにつなぐ条件が揃ってきたとしている。
ライセンス製品とモジュールの組み合わせで構築
Xynapseは、同社がこれまで開発してきた製品と技術を、ライセンス製品とモジュールとして整理したものだ。必要なものを組み合わせて使えるため、ゼロから開発する場合に比べ、コストやリスクを抑えながら短期間で導入できるという。
ライセンス製品は、製造業・建設業向け可視化の「mixpace」、XRデジタルツインの「torinome」、高速点群表示の「Dawn」、教育効率化MRの「Assists」の4種。主なモジュールとして「Xynapse AI」「Xynapse Glass」「Xynapse VPS」「Xynapse Hub」「Xynapse FormFit」「Xynapse 3DGS」「Xynapse LCC Converter」「Xynapse MDM」を用意する。
空間のデジタル化、作業記録、遠隔協働
同社が提供価値として挙げるのは3点だ。1つ目はフィジカル空間のデジタル化で、現実の空間を高精度な3Dデータとして取り込み、図面や既存システムと重ね合わせることで、関係者が同じ空間情報をもとに判断できるようにする。2つ目は現場支援・記録で、作業手順をスマートグラスに表示し、作業しながら映像・音声・位置情報を記録する。記録はAIが要点を整理して残す。3つ目は遠隔での協働で、離れた場所から同じ現場を共有し、確認・判断・連携を早めるとしている。
個別開発の負担を抑え、導入後の運用まで支援
同社は、共通部分をあらかじめプラットフォームとして用意することで、顧客向けの個別開発と導入後の保守・運用に注力するとしている。モジュールの提供にとどまらず、顧客の業務領域(ドメイン)に入り込み、現場で共同で取り組む体制をとる。
代表取締役 CEOの中村薫氏は、AIの進化によって10年間の現場での取り組みを一つひとつつなげ、より大きな価値にできるようになったとコメントしている。
ホロラボはXynapseを通じて、初期開発の負担軽減から導入後の保守・運用までを支援する。現場業務のデジタル化を検証段階で終わらせず、継続的な活用につなげたい企業にとって、選択肢の一つとなりそうだ。

