Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

押さえておきたいiPhone X購入の勘所?

押さえておきたいiPhone X購入の勘所?

購入の勘所1・Apple Storeとキャリアショップどっちで買えばいいの?

「使い方」が選択のカギ

iPhone Xの購入を決心したあと、次に直面するのが「どこで購入するか」という問題です。直営店やオンラインを使ってアップルから直接購入することもできますし、これまでiPhoneを扱っていたドコモやau、ソフトバンクでも、もちろんiPhone Xを購入できます。アップルストアかキャリアショップ、どちらで購入するのがいいのかは、「iPhoneの使い方」によって大きく異なります。

まずアップルストアですが、これにはオンラインと直営店での2通りの購入方法があります。ここで注意したいのが、「アップルのオンラインではSIMロックフリー版しか購入できない」という点です。一方、同じアップルストアでも直営店で購入する場合、SIMフリー版に加え、ドコモやau、ソフトバンクで利用中のiPhoneをiPhone Xに機種変更することもできます。オンラインで注文したiPhoneを直営店で受け取ることもできますが、この場合はSIMロックフリー版です。

一方、キャリアショップや家電量販店などでは、SIMフリー版のiPhone Xは購入できず、「各キャリア版のiPhone X」としてしかデバイスを購入できません。現在、iPhoneをキャリア契約で使用していて、今後もキャリア版として使っていくなら、迷うことなくキャリアショップに行きましょう。アップルストア直営店でもキャリア版の機種変更はできますが、キャリアショップのほうがその場でより詳しく料金プランなどを変更できます。また、ドコモやau、ソフトバンクでは、直接ショップに出向かなくても、オンラインで機種変更する方法も選べます。

SIMフリーはApple Storeのみ

SIMフリー版のiPhone Xは、Apple Storeでしか購入できません。オンラインのApple Storeで購入すれば、配送もしくは直営店での店頭受け取りが選べます。

キャリアもオンラインで購入可能

キャリア版のiPhone Xは、各キャリアショップまたはオンラインサイトで購入できます。オンラインサイトで購入したiPhone Xは、自宅配送だけでなくショップで受け取ることもできます。

Apple Storeで買えるiPhone X

Apple Storeの直営店では、SIMロックフリー版以外にも、各キャリア版のiPhone Xを新規/MNP(携帯電話番号ポータビリティ)や機種変更で購入できます。一方、オンラインのApple Storeで購入したiPhone Xを店頭受け取りにする場合は、SIMフリー版のiPhone Xしか購入できないので注意しましょう。

 

購入の勘所2・AppleCare+には加入したほうがいいの?

修理費が高くなる?

iPhoneを新しく購入するときに勧められるアップルの製品保証サービス「アップルケア+(AppleCare+)」。iPhoneは毎日使うものですし、万が一の故障に備えて加入してきたいところですが、別途で加入代金が必要なため「毎回悩むけれど、結局加入しない」という人も多いかもしれません。けれど、本当にそれでいいのでしょうか…?

まず、iPhone Xには、他のアップルハードウェア製品同様、「購入後1年間」のハードウェア製品限定保証と「90日間」の無償電話サポートがデフォルトでついてきます。アップルケア+は、このハードウェア製品限定保証と無償電話サポートを「2年間」に延長するものです。

一般的には2年の延長保証だけと思われがちなアップルケア+ですが、これにはもう1つ重要なサービスがあります。それが、「過失や事故による損傷」に対する修理などのサービスを、画面の損傷なら3400円、そのほかの損傷では1万1800円で最大2回まで受けられるというものです。

仮にアップルケア+に加入していないと、購入後1年以内のハードウェア製品限定保証であっても、「過失や事故による損傷」は保証対象外になってしまい、別途で費用がかかってしまいます。原稿執筆時点ではまだiPhone Xに対する修理代金は発表されていませんが、iPhone 8の場合は3万8800円、8プラスの場合は4万3800円かかることから、同等もしくはそれ以上の費用になると予想できます。特に、iPhone XはOLEDディスプレイを採用しているので、画面の損傷だけでもiPhone 8の1万7800円、iPhone 8プラスの1万9800円を超える修理代金が発生するのは確実でしょう。

一方、アップルケア+の代金は2万2800円。こうした過失や事故による損傷に対する保証を考えると、決して高いものではありません。万が一のことを考えれば、アップルケア+は加入したほうが賢明といえます。

なお、アップルケア+に加入するためには、新しいiPhoneと同時に加入するのがベストです。もし購入後に加入したくなった場合は、iPhone購入日から30日以内にアップルオンラインもしくは直営店で加入することができます。

Apple Care+ for iPhone X

「AppleCare+ for iPhone X」の代金は2万2800円(税別)。iPhone Xと同時に購入するか、購入日から30日以内にオンラインかApple Storeで加入できます。

AppleCare+ for iPhone X 保証の対象(ハードウェア)

Apple Care+での保証対象は、通常のiPhone本体やパッテリ、付属アクセサリに加え、普段なら保証対象外となる過失や事故による損傷に対する修理もカバーしてくれます。

ソフトウェアのサポート

ハードウェア面だけが注目されがちですが、AppleCare+に加入すればソフトウェアのサポートも2年間無料で提供されます。また、専任スペシャリストがiPhoneやiOS、iCloud、Apple純正アプリケーションに関する問題解決を手伝ってくれるのもAppleCare+の魅力です。

iPhoneの修理方法

iPhoneを修理する際は、ピックアップ&デリバリーか持ち込み修理が選べますが、 AppleCare+に加入しているとエクスプレス交換サービスも利用できます。

キャリア独自の保証サービス

iPhone Xをドコモやau、ソフトバンクのキャリア契約で購入する場合は、各社が提供する独自の保証サービスもあります。こちらに加入すれば、過失や事故による損傷の場合でも、AppleCare+と同等の保証が得られます。

 

購入の勘所3・キャリアに縛られない使い方SIMフリー版を検討してみよう

SIMフリー版で格安運用!

iPhone Xをアップルオンラインから購入する場合、すべてSIMフリー版になるのはすでに説明したとおりです。SIMフリー版なら、ドコモやau、ソフトバンク以外のSIMも使え、大抵の場合は通信料が安くなります。

まず、日本国内で販売されるiPhone Xは、すべて「A1902」というモデルで、SIMフリー版もキャリア版も「デバイス自体」に違いはありません。各キャリアで契約した際に認証作業(アクティベート)を行うとSIMロック状態となり、以後、別のキャリアのSIMが使えない状態になります。一定期間を経過すれば各キャリアでSIMロック解除ができるのは、こうした仕組みでソフトウェア的にロックされているからです。

一方、アップルストアで購入したSIMフリー版のiPhone Xは、キャリアのアクティベートを行わないため、格安SIMと呼ばれるMVNO(仮想移動体通信事業者)のSIMが利用できるのです。

ただし、SIMロックがかかった状態でもMVNOのSIMが使えるケースがあります。国内のMVNOは、どれもドコモまたはau、ソフトバンクの移動通信サービスを使って運用しています。そのため、提供元のキャリアでSIMロックされていても、同じキャリア系のMVNOならロック解除せずにサービスを使うことが可能です。

現在、多くのMVNOはドコモの移動通信サービスを使っています。そのためドコモ版のiPhone Xなら、SIMロック解除しなくてもドコモ系のSIMカードを使っているMVNOがそのまま利用できます。

MVNOがキャリアの移動通信サービスを使っているからといって、すべてのキャリアサービスが利用できるわけではありません。通話やデータ通信が使えるというだけで、それ以外のサービスは使えないものがほとんどです。場合によっては、今まで利用できていたサービスが利用できなくなるケースもあります。こうした点もSIMフリー版を使う際の注意点として、事前に認識しておく必要があります。

本当に自分にとってSIMフリー版はメリットがあるのか、料金やサービス内容は満足できるものかどうかをしっかり考えてみましょう。

SIMトレイにカードをセット

取り出したSIMカードはiPhoneのSIMトレイにセットして挿入します。SIMトレイを引き出すには、iPhoneに付属のピンを使います。

Nano-SIMを利用

iPhone Xで使用するSIMカードは「Nano-SIM」と呼ばれるもっとも小さなタイプです。クレジットカード大の樹脂製カードからSIMカード部分を取り出してiPhone Xにセットします。

他社のSIMは利用不可

キャリアのSIMロックがかかったiPhoneにほかのキャリアのSIMをセットしても、操作はできません。使用するにはSIMロックを解除する必要があります。

キャリアごとにアクティベート

キャリアのSIMカードをセットしてアクティベート作業を行うことでSIMロックがかかります。SIMロックを解除しない限り、ほかのキャリアのSIMは使えません。

SIMロック解除せずにMVNOを使う方法

SIMロックがかかったiPhoneでも、同じキャリア系のMVNOのSIMカードなら、ロック解除せずに使えます。

SIMフリー端末のメリットとデメリットは?

わざわざSIMフリー端末にauやドコモなどの大手キャリアのSIMを入れて使う人は少ないでしょうから、ほとんどの場合、MVNOを使ってiPhoneを利用することになるはずです。メリットだけ注目されがちなMVNOですが、キャリアと違ってサポートやサービス内容が異なるため、そこがデメリットになる場合もあります。

一部のMVNOでは家電量販店に専用の窓口を用意している場合もありますが、基本的には実店舗はありません。そのため申し込みや問い合わせなどはすべてオンラインで行う必要がありますし、SIMカードのセットから設定作業などもすべて自分で行います。キャリアのように窓口で担当者がすべて作業を行ってくれることはありません。

また、一部のMVNOを除いてメールアカウントも提供されませんし、ボイスメールを使った留守番電話サービスなどもありません。テザリングや公衆無線サービスなどを提供しているMVNOもありますが、こうしたサービスに対応していない業者もあるので、その点にも注意したいところ。利用する人によっては、メリットよりデメリットのほうが多くなるケースもあります。

iPhone Xを機会にSIMフリー端末を導入してキャリアからMVNOに乗り換えを検討している人は、現在自分が利用しているキャリアのサービスをリストアップして、検討しているMVNOでどこまでカバーできるかじっくり確認してみることをおすすめします。

SIMフリー端末のメリット

SIMフリーのiPhoneを使うメリットは、なんといってもドコモやau、ソフトバンクといったキャリア以外の格安SIM(MVNO)が使えること。MVNOならキャリアのように24カ月の縛りもないので、一定期間使用すれば解約して別のMVNOに乗り換えることもできます。また、海外旅行の際には、現地のプリペイドSIMなどを使って安価に通話やデータ通信が利用できます。

MVNOを利用する際に注意したいポイント

サポートなどキャリアとはサービス内容が異なる点を理解する必要があります。特にキャリアから乗り換える場合は、これまで使えていたdocomo.ne.jpやezweb.ne.jpなどのキャリアメールが使えなくなります。代わりにicloud.comやGmail、PCで使っているプロバイダメールなどのアカウントを使った場合、相手がガラケーだと受信制限などでメールが届かないケースもあります。

キャリア版とのサービスの違い

MVNOでは、通話やデータ通信など基本的なサービスも大手キャリアと異なる場合があります。メールアドレスが提供されなかったり、キャリアのような通話かけ放題サービスを提供していないMVNOもあります。これまでauやドコモ、ソフトバンクと契約していた人は不便に感じるかもしれません。

SIMフリー端末は本当に運用コストが安くなるの?

MVNOが登場した直後は、データ通信料がキャリアの契約より割安だったため、月々の支払いが大幅に安くなるケースもありました。しかし最近では、家族でデータ通信料を分け合ったりデータプランを多様化するなど、キャリア側も対抗しています。ひかり電話やインターネット通信などの契約とセットにして割引を適用できる場合もあるので、一概に「MVNOにすると月額料金が安くなる」とは言い切れないケースも増えてきています。

また、通話料に関しても同様です。一定時間の通話料金を割り引いたり定額のかけ放題サービスを提供しているキャリア契約と違い、MVNOでは使用した分だけ通話料がかかる従量制が基本です。一定条件のもと通話料金を無料にしたり、かけ放題と同等のサービスを提供しているMVNOもありますが、データ通信より通話が多いケースだとMVNOのほうが月額料金が増える場合もあります。

また、キャリア契約であれば、デバイス代金を割賦にして月々の割引と合わせて安価に入手できますが、MVNOの場合はデバイスを自分で用意するのが一般的。Apple Storeから購入する際、ローンで分割にもできますが、基本的にはデバイス代金を一括で支払う必要があります。総額が安くなっても、MVNOだと初期コストがかかるケースも多くなるのです。通話やデータ通信など、自分の使用形態を確認して、本当に月額の支払い料金が安くなるのか、総額でどのぐらい違ってくるのか調べることが重要です。

ドコモの支払いシミュレーション

5分以内ならかけ放題のライトプランをベースに、5GBのデータパックを組み合わせた契約内容です。iPhone Xの機種代金も24カ月の割賦にして加えると、月額の支払いは1万1178円になります。

IIJmio「みおふぉん」の支払いシミュレーション

MVNOは、IIJmioの音声通話付きSIM「みおふぉん」を使ってみました。こちらは10分以内なら誰とでも何回かけても定額の通話オプションを追加しています。MVNOとしての月額支払いは3293円ですが、これにはiPhone Xの代金は含まれていません。iPhone X(256GB)の代金は14万184円ですが、これをアップルストアの24回ローンを利用すると14万7599円になります。これを単純に24回で分けると月額6150円。IIJmioの月額3293円と合わせても9443円で、ドコモの月額支払いより安くなります。

ドコモとIIJmioの総額の差

ドコモとIIJmioの総額を比較してみました。どちらも24カ月の総額を計算すると、ドコモは26万8272円、一方のIIJmioはiPhone Xのローン価格代を加えた額が22万6631円となり、2年間で4万1641円の差が出ました。