余ったiPhoneを活用
iPhone 7を買う前に、今お使いのデバイスの処遇をどうするか、きちんと決めていますか? 新製品を買ったあと、使い終わったデバイスは自宅で持て余してしまいがちです。使わなくなったデバイスを手放すとして、売却を希望する場合、大手ショップや通信キャリアに買い取りや下取りを申し込むのが一般的な方法ですが、アップルオフィシャルの下取りサービス「アップルRenewプログラム」を利用する方法もあります。
このプログラムを利用すると、今までよりもずっと簡単にアップルデバイスを売ることができるのです。これから、アップルRenewプログラムの詳細や手順、Q&Aなどを取り上げていきます。
それを見て、「アップルの下取り、思っていたより金額が安いな…」と思った人は、先述の大手ショップや通信キャリアに買い取りや下取りを申し込むか、ネットオークション「ヤフオク!」やフリーマーケットアプリ「メルカリ」を使った個人間取引を利用するという手もあります。手間や金額などを比較して、自分にとってベストな処分方法を決めましょう。
最後には、iPhoneを売る前にやっておきたい、買い取り査定額がアップする一工夫を載せておきます。ぜひ参考にしてください。
アップルRenewプログラムを完全理解
目的はリサイクル
今年4月から、アップルが独自の下取り/リサイクルサービスである「アップルRenewプログラム」をスタートさせました。このプログラムをうまく活用すれば、これまでより簡単にアップル製品を売却することができます。
まず理解しておきたいのが、アップルRenewプログラムは、使い終えたデバイスを回収してリサイクルするのが目的だということです。ソフマップなどといった買い取りを行っているショップとは異なり、ここで下取りしたデバイスは再販されることはありません。デバイスはすべて分解され、リサイクルされていきます。
買い取りとは異なる
アップルRenewプログラムを利用する場合、アップルストア直営店に持ち込むか、オンラインで申し込むかの2通りが選べます。これらは下取りの手順がそれぞれ異なるので、申し込む際には注意が必要です。また、アップルRenewプログラムの下取りは、20歳以上でなければ利用できません。これは直営店とオンラインで共通です。
アップルストア直営店に行って直接下取りを申し込む場合は、その場で新しいiPhoneやiPad、アップルウォッチを購入することが前提になります。その際に不要になったiPhoneやiPadを下取ってもらい、その代金を支払いの一部に充てられます。
一方、オンラインで申し込む場合は、アップル公式WEBサイトのリンクからパートナー会社である「ブライトスター(Brightstar)」のオンラインフォームを利用して下取りを申し込みます。下取り対象のデバイスを指定の住所に送り、査定終了後に下取り金額がチャージされた「アップルストアギフトカード」がメールで届く、という手順になっています。
このギフトカードは近くのアップルストア直営店やオンライン上で利用可能です。直営店が近くにない人でも自宅から申し込めるので、すぐにでも使わなくなったiPhoneやiPadを下取りに出すことができます。また、Macや他社製のスマートフォン、ウィンドウズパソコンを下取りに出せるのもメリットの1つです。
アップル製品の中で、iPodはアップルRenewプログラムの対象外になってしまいます。ただ、不要になったiPodをアップルストア直営店に持って行くと、その場でiPodナノもしくはiPodタッチを10%割引で購入できます。ただし、iPodシャッフルは持ち込み対象外です。
アップルストア直営店で売るメリット
その1・その場で新しいデバイスにグレードアップできる
その2・不明な点をアップルストアのスタッフが丁寧に解説してくれる
その3・希望ならパーソナルセットアップまでしてくれる
その4・キャリア版のiPhone、iPadにも機種変更できる
アップルストアオンラインで売るメリット
その1・直営店まで持って行く必要がない
その2・下取り金額の見積りができる
その3・配送キットが送られてくるのでデータを消去してアップル製品を返送するだけ
その4・Macや他社製のスマートフォン、ウィンドウズPCも下取りに出せる
Apple Storeで下取り
(1)下取りに出したいデバイスを持って、近くのアップルストア直営店へ行きましょう。アップルRenewプログラムでの下取りは、キャリア版の機種変更の場合でもOKです。新しく購入するデバイスも、一括購入か割賦購入かを選択できます。アップルRenewプログラムに関して疑問点があれば、この時点でいろいろ質問しておきましょう。
(2)ストアスタッフが端末をチェックし、査定額を提示してきます。問題なければ、身分証明書を提示し、進めましょう。下取り後にキャリア版の新機種を買う場合は、キャリアの契約更新手続きもアップルストアで行います。
(3)下取り金額がチャージされた「アップルストアギフトカード」がもらえます。一括払いならその場で新しい端末代から値引きしてもOK。割賦支払いの場合は、店内の商品購入に充てられます。下取りに出したデバイスはリセットされ、データを完全に消去します。SIMカードが取り出され、気泡緩衝材に入れられてついに昔のデバイスとお別れです。
(4)下取り後に買った新しい端末は、SIMカードのセットからバックアップデータの復元、キャリアメールの再設定までストアのスタッフがサポートしてくれます。面倒だと思っていた下取りですが、ストアのスタッフは丁寧で、思っていたよりずっと簡単に終わらせることができます。
オンラインで下取り
(1)?まず、アップルの公式WEBサイトにあるアップルRenewプログラムのページにアクセスしましょう。下取りに出したいデバイスのリンクを選択します。ブライトスターのオンラインフォームに切り替わったら、下取りに出したいデバイスの製造番号やモデルナンバー、シリアル番号を入力して[検索]ボタンをクリックしましょう。検索結果が表示されたら、デバイスの状態に関する質問項目に回答して、フォームに沿って進めましょう。【URL】http://www.apple.com/jp/recycling/
(2)オンライン上での申し込みが完了したら、3~5営業日以内にデバイス発送用の配送キットが佐川急便の「受取人確認サポート」という配達サービスで登録住所に届きます。配送キットには、「申し込み内容確認書」やマニュアルなどが同梱されています。内容確認書に署名をし、緩衝材に入れたデバイスと一緒に返送しましょう。データの消去やSIMカードの抜き取りも返送前に自分で行います。
(3)デバイスを返送すると査定が実施され、査定結果が登録メールアドレスに届きます。下取りが成立すると、物理的なカードではなく、登録したメールアドレスにアップルストアギフトカードが届きます。ギフトカードはアップルストア直営店またはオンラインで上で利用しましょう。
アップルRenewプログラムのQ&A
疑問点はここで解決
アップルRenewプログラムの概要や手順は理解いただけたと思いますが、実際に行ってみないとわからないこともたくさんあるかと思います。ここでは、プログラム利用時に悩みになりうる疑問点に解答してみました。
まず、アップルストアでの申し込みの場合、「そもそもアップルストアはあまり行かないから、誰に声をかければいいかわからない…」という方も、中にはいることでしょう。でも、まったく心配はいりませんよ。アップルストアのスタッフは皆フレンドリー。入店したら近くにいるスタッフに声をかけてみるのがいいと思いますが、スタッフの方なら誰でもアップルRenewプログラムへ案内してくれます。
また、オンライン申し込み時に、査定希望のデバイスの検索がうまくできない人の疑問を解消しましょう。iPhoneの場合は製造番号(IMEI)かモデルナンバーを入力すれば、すぐに査定額が出てきます。「設定」→[情報]から知ることができます。
Q・一度に何台まで下取りに申し込めるの?
直営店では台数制限あり複数台ならオンラインで!
アップルストア直営店でアップルRenewプログラムに申し込みできるのは、iPhoneとiPadのみで、それぞれ同時に1台までとなります。また、アップルストア直営店ではiPhone、iPad、アップルウォッチのいずれかの購入(キャリア契約モデルを含む)が前提となります。複数台のデバイスやMacなども下取りをしてもらうのであれば、オンラインでの申し込みを検討してみましょう。
アップルストア直営店とは異なり、オンラインで申し込めば、複数台まとめて下取りに出すことができます。ただし、申し込み自体は各デバイスごとに必要です。
Q・どれくらいの傷なら下取ってもらえるの?
小さな傷や凹みは減額対象外 致命的な故障は下取り不可
下取り可能な条件は、端的にいえば「内部の電子部品が再利用可能な状態であること」です。たとえば、まったく電源が入らない故障機や、液体損傷が見られるようなデバイスには価格がつきません(リサイクルのための引き取りは可能)。一方、小さな傷や凹みなど、動作に支障がなければ減額の対象にはなりません。ボタンが動作しないものや、画面が破損しているものも、大幅に減額になりますが、下取り可能です。
画面の破損は、動作に支障がない程度のものであれば下取り可能です。破損している自分のデバイスがいくらで下取ってもらえるのか、1度直営店に行ってみるとよいかもしれません。
Q・どんなデバイスでも下取りしてくれるの?
下取りは対象デバイスのみ 対象外はリサイクルを
アップルストア直営店で下取り可能なデバイスは、iPhone 4以降ならびにiPad 2以降のみです。オンラインでは2007年以降のMacおよび一部の他社製スマートフォンやウィンドウズPCも下取り対象となっています。また、リサイクルによる引き取りのみであればすべてのiPhoneおよびiPad、2002年以降のMacも直営店で無料で引き取ってもらうことができます。
たとえば、iPhone 3Gや初代iPadは下取りに出すことができません。自宅で保管しておくか、アップルストア直営店に持って行きリサイクルに出しましょう。
Q・直営店とオンラインでは下取り価格が違うの?
直営店でもオンラインでも買取価格は同じ
対象となるiPhoneやiPadの価格を調査してみたところ、アップルストア直営店とオンラインの下取り上限額に関しては、両方まったく同じ設定になっています。つまり、その場で査定をして購入するものから割引してもらうことが可能なのが直営店のプログラムで、一度送付して査定結果から買取額がチャージされ、後日割引として利用可能なのがオンラインのサービスという違いのみです。
アップルストア直営店で申し込んだ場合でも、デバイスに問題がなければオンラインの下取り上限額と同じ金額が提示されます。事前にオンラインで上限額を確認しておくとよいでしょう。
Q・割賦支払いが残っているけど下取りしてくれるの?
完了していなくてもOK! 「赤ロム」は下取り対象外
下取りサービスの対象となるiPhoneやiPadは、SIMフリーモデルはもちろんキャリアモデルでも受け付けてもらえます。さらに、端末の割賦が完了していないものでも下取り対象、というのが大手ショップなどにはない大きなポイントになります。ただし、注意しておきたいのは、支払いが滞納していたり紛失扱いになってロックされている、いわゆる「赤ロム」は下取り対象外となります。
自分のデバイスが「赤ロム」であるかどうかは、各キャリアのWEBサイトで確認することもできます。
Q・イヤフォン、アダプタなど元箱や付属品は必要?
下取るのは本体のみ! 元箱や付属品は必要なし
アップルが下取るiPhoneやiPadは、本体のみが対象で、外箱や付属品は引き取りません(直営店・オンライン共通)。このため、電源アダプタやライトニングケーブル、イヤフォンなどは手元に残しておき、下取り後も引き続き利用することができます(オンライン申し込み時に同梱して送付した場合は不用品として廃棄されます)。ただしMacの場合には、電源ケーブルや電源アダプタは下取り品として必須です。
iPhoneやiPadは、本体のみ回収するので、元箱や付属品は一切必要ありません。イヤフォンや電源アダプタを手元に残しておけるのは大きなメリットです。
Q・アップルギフトカード以外で下取り金額を受け取れるの?
下取り金額の受け取りは例外なくギフトカードで
査定された金額は、アップルストア直営店とオンライン共通で、例外なくアップルストアギフトカードにチャージする形で渡されます。直営店で手続きした場合、ギフトカードはその場で一括購入の際に使用することもできますし、残しておいて、あとで別のアップル製品の購入に充てることもできます。ギフトカードは原則有効期限がないことと、直営店なら複数枚同時に使用することも可能です。
アップルRenewプログラムで下取りを申し込んだ場合、下取り金額はアップルストアギフトカードにチャージされて渡されます。現金での受け渡しは一切行っていません。
Q・申し込んだあとにキャンセルはできるの?
デバイスを引き渡した後のキャンセルは不可
規約書にも記載されていますが、申し込みを完了させたあとに手続きをキャンセルしてデバイスを返却してもらうことはできません。そのため、個人情報などのデータは事前にバックアップなどを実施し、デバイス内から削除しておくこと、SIMカードの取り出しなどは忘れずにやっておきましょう。ただし、オンラインでは見積り金額と実際の査定金額が異なった場合のみキャンセル可能です。
下取り金額はアップすることはできるの?
答えは「ノー」です。下取り金額は、オンライン上での見積り金額が最高額になります。当然ながらいくらお願いしても、この金額よりアップすることはありません。オンラインの入力フォームで、デバイスの状態に関する質問項目の回答を「いいえ」にした場合でも、査定で問題なしと判断されれば見積り金額よりアップする場合もあります。しかし、アップするといっても、質問事項をすべて「はい」で回答したときのマックスの見積り金額を超えることはありません。査定額に満足できない場合は、下取りを中止しましょう。
ストアの店員さんに、査定額の交渉しても、応じてくれることはありません。事前にオンラインで金額を確認しておくとスムースでしょう。
アップル以外のストアでの売り方
アップル以外の選択肢は3つ
大手ショップや各通信キャリア、個人間取引などでも、使っていないiPhoneを売ることができます。これらの方法のメリットは、アップルRenewプログラムよりも高い金額で売れる可能性があるという点です。ただし、手間がかかるうえ、傷があったり付属品がない場合は大きく減額されるケースもあります。
まず、大手ショップへの売却といえば、「ソフマップ」や「じゃんぱら」が有名です。自宅の近くに店舗があればその日のうちに査定してくれますし、来店が難しい場合は通信買い取りも行っています。
次に、auやドコモ、ソフトバンクといった通信キャリアでも下取りを行っています。iPhoneの機種変更やMNPの値引きサービスの一環として利用可能です。
最後に、個人間取引として「ヤフオク!」や「メルカリ」を利用するのも1つの手です。相場以上の価格がつく場合が十分にある一方、購入者とトラブルに遭遇してしまう可能性もあるので、利用には十分な注意が必要です。
(1)大手ショップで売る
iPhoneを買い取ってもらうなら、いわゆるリサイクル業者よりも「ソフマップ」「じゃんぱら」などのコンピュータ系の大手ショップを選びましょう。中古市場の相場に則した料金表と査定ノウハウを持っています。通常の家電売り場とは別に、買い取り専門の店舗を設置している場合もあります。
メリット
・アップルよりも上限価格が高い
・査定が速い
・下取り金額を現金やポイントで受け取れる
デメリット
・デバイスの状態が悪いと査定額がダウン
・付属品の有無で査定額がダウン
・分割払い中は原則買い取り不可
(2)キャリアで下取り
各通信キャリアでも機種変更の際に古い端末を下取りしてもらえます。キャリアの場合、アップルの下取りサービスと同じように、付属品や元箱を必要としないのも特徴です。下取り額は新しい端末代金に充てたり、月額利用料の割引に使うことができます。
メリット
・分割支払い中でも下取り可
・付属品、元箱が不要
デメリット
・破損が激しいと下取り不可
・端末代金に充てられない場合がある
・下取り金額を現金で受け取れない
(3)個人間で取引
ヤフオク!やメルカリなどの個人間取引を利用する場合、もっとも高い金額でiPhoneを売却できる可能性があります。ただし、個人間での取引になるので、落札者/購入者からの入金が遅かったり、デバイスを届けたあとにクレームがつくといったトラブルが起こる可能性もあります。
メリット
・相場より高い金額で売れる
・破損があっても売れる場合がある
・下取り金額を現金で受け取れる
デメリット
・トラブルが起こる可能性がある
・取引に時間がかかる
・出品作業が手間
大手ショップで売る
高額ながら減額も大きい
ソフマップでは、基本的にアップルRenewプログラムよりも高い金額で買い取ってくれることが多く、現金で受け取れる点もアップルRenewプログラムにはないメリットといえるでしょう。また、買い取り金額をポイントカードにチャージすることができるので、ポイントで受け取ると、買い取り金額が5%~10%ほどアップします。新しいデバイスをソフマップで購入する予定がある場合、ポイントでの受け取りを優先するとさらにお得でしょう。
一方、じゃんぱらでは傷や付属品の欠品といった減額対象があると、パーセンテージで査定額が下がっていきます。1つの傷で5%引き、といった具合に減額されていくので、上限額の高いデバイスほど、買い取り上限価格から大きく変動します。じゃんぱらは、基本的にはソフマップよりも買い取り上限金額が高く設定されている傾向がありますが、デバイスの傷の程度によってはじゃんぱらのほうが低い金額になる可能性もあり得ます。
キャリアで下取り
ユニークな還元方法
キャリアで下取りを申し込む場合、下取り対象の機種を確認するのが第一ですが、もう1つ注意しなければならないのが下取り金額の受け取り方法です。
auでは、同社の電子マネー「auウォレット」にポイントが付与される形で下取り金額を受け渡されます。店頭で機種変更の申し込みと同時にポイントを利用すれば、新しいiPhoneの端末代から割引きすることも可能です。
ドコモの場合、店頭で下取りを申し込むと、新しい端末代金から下取り金額が割り引かれます。郵送の場合は、ドコモのポイントサービス「dポイント」での付与になりますが、auウォレットに比べると利用シーンが限定されてしまうので注意が必要です。
ソフトバンクでは、店頭で申し込むと毎月の利用料金から割引、もしくは「ソフトバンクカード」へ下取り金額相当をチャージすることが可能です。オンラインで申し込んだ場合、カードへのチャージは選択できません。
auの場合、電源が入らなかったり、画面が割れていると下取り不可になります。また、改造が施されている場合も下取り対象外です。
ドコモの下取りサービスは、店舗に持ち込みをすれば、機種変更の際に購入する新しい端末代金から下取り金額が割り引かれます。
ソフトバンクでは、他社のiPhoneを比較的高く下取ってくれます。店頭や郵送で申し込めるのは他社と同様です。
個人間で取引
トラブルを回避すべし
大手ショップやキャリアの下取りよりも手間がかかってしまいますが、「できるだけ高く売りたい」と思っているのならば、ネットオークション「ヤフオク!」やフリーマーケットアプリ「メルカリ」を使った個人間取引を利用してみてはいかがでしょうか。
個人間取引における最大のメリットは、これまで挙げた下取り方法の中で、「もっとも高く売れる可能性がある」ということです。中古ショップでは、中古相場からショップの利益を引いた額が通常の買い取り上限額となりますが、個人間の取引では中古相場以上の価格で売れることもあります。
ヤフオク!やメルカリを使ってiPhoneを売る際、なるべく高く買ってもらうためにはいくつかの工夫が必要です。まず、売却したいアップル製品の写真をできるだけきれいに撮影するよう、心がけましょう。ただし、傷や凹みなどのマイナスポイントを隠すような補正は絶対に避けてください。購入者との取引後のトラブルにつながる恐れがあります。
というのも、個人間取引の最大のデメリットは、購入者とのトラブルが起こる危険性があることだからです。このリスクを回避するためにも、製品写真やデバイスの紹介文には、状態や付属品の有無などを包み隠さず記述することをおすすめします。互いが気持ちのよく取引を終えられるよう、気配りの精神を持つことが大事です。
開始価格はどれくらい?
ネットオークションであるヤフオク!の場合、オークションの開始価格を設定しなければなりません。これは、「この価格で売りたい」という目標額の半分くらいが目安でしょう。最初から目標額に設定してしまうと入札が減り、結果的に落札価格が伸び悩むことになります。オークションで価格を上げるためには、まず「この値段だったら欲しい」と思わせ、入札者を集めることが重要です。
なお、iPhoneやセルラー版のiPadの場合、ヤフオク!の規約により支払い方法が、ヤフオク!の支払いサービス「かんたん決済」か「代金引換」のみとなっています。通常なら代金先払いなども選択できるのですが、不正利用を防止するため、後払いのみというルールになっています。
また、商品説明に製造番号(IMEI)を記載することがガイドラインで定められています。分割払い中だったり、支払いが遅延してネットークから利用制限のかかった端末が流通しないように配慮されているのです。
出品者の評価欄は厳しくチェック!
アップル製品は、日本のみならず諸外国において高値で転売しやすいため、海外の業者もヤフオク!を閲覧しています。そのため、出品者への質問欄に「相場以上の金額で買う」というメッセージが送られることもありますが、これには絶対に応じてはいけません。また、入札者にも業者が紛れていることがあります。確かに業者は高く買ってくれますし、代金支払いもスムースですが、言葉が通じない、あとから条件を出してくる業社も多く存在します。これを回避するため、評価欄を厳しくチェックすることをおすすめします。
ヤフオク!で、「iPhone 6s」と検索してみると、たくさんのオークションが出てきました。逆に安すぎるものには、なにか理由があることを理解しておきましょう。
アップル製品を売るときのひと工夫
高く売れる工夫をしよう
これまで紹介してきた方法のいずれにせよ、アップル製品を売る場合、何か少しの工夫をするだけで買取価格が上がるとしたら、やらない手はありませんよね? ここでは、売る前にやっておきたい工夫と、普段から日常的にやっておきたい工夫をそれぞれ5つずつ、伝授します。
売る前にやっておきたいのは、見た目を少しでも改善することです。デバイスの掃除は必須で、ステッカーなどは剥がしておきたいところ。もちろん、無理して剥がしてしまって、傷が付いてしまっては元も子もありませんので、控えめに。
日常的にやっておきたいことは、ケースや画面保護シールを使って、常日頃本体に傷を付けないように扱っておくことが一番に挙げられます。また、付属品や元箱や捨ててしまいがちですが、これの有無によって買取価格が大きく変動することがありえますので、ご注意を。領収書や保証書と一緒に大切に保存しておくことをおすすめします。下記の10個のポイントを参考に、デバイスの高値買取を勝ち取りましょう。
●売る前にやっておきたい5つのこと
(1)デバイス全体を掃除しておこう
大手ショップに買い取りを申し込む場合には、事前に掃除しておくことをおすすめします。買い取りチェックのときに小さい傷や凹みなどが確認されますし、手垢やホコリまみれで渡すよりも、ピカピカな状態で買い取りに出すほうが良い印象を与えます。大手ショップの場合、担当するスタッフの個人差によって査定結果が変わる場合もあるので、デバイスをきれいに掃除してから手放したほうが、買い取りの際に減額される可能性が低くなるでしょう。
iPhoneの掃除に適したクリーナなども販売されているので、買い取りの前に掃除するよう心がけましょう。
(2)AppleCareに加入している場合はあらかじめ修理に出しておく
画面が割れているiPhoneなどは、そのまま売っても査定額が低かったり、最悪の場合買い取り自体を拒否されることがあります。かといって修理代金がかさんで見積り金額を超えてしまい、結果的に赤字になるのは避けたいところです。そんなときにアップルケアやキャリアの保証サービスなどに加入していれば、安価で修理できる場合があります。故障箇所はできるだけ修理した状態で下取りや買い取りに出しましょう。
売却したいiPhoneの画面が割れている場合、あらかじめアップルケアなどを利用して故障箇所を修理しておくとよいでしょう。
(3)シールやステッカーは剥がしておこう
iPhoneにシールやステッカーを貼っている人を見かけます。しかし、このシールやステッカーも、買い取る側から見れば単なる汚れとして見なされてしまいます。掃除するのと同じように、シールやステッカーはあらかじめ剥がしておきましょう。剥がした跡もクリーナなどできれいに掃除するのを忘れずに。
シールやステッカーは、大手ショップから見れば汚れの一部です。買い取りに出す前にきれいに剥がしておきましょう。
(4)購入時の状態にリセットしておこう
直接金額とは関係ありませんが、アップルRenewプログラムでも大手ショップの買い取りでも、売却したいデバイスはあらかじめ初期化した状態にしてから手放しましょう。データや設定が残ったまま渡すのは、セキュリティ面からしてもやってはいけないこと。iPhoneを売却する場合もしっかりとリセットして下取りや買い取りに出しましょう。
iPhoneを買い取りに出す場合、[設定]→[リセット]から、リセットをしておきましょう。
(5)売る時期やキャンペーンを把握しよう
大手ショップの買い取り金額は時期によって異なります。通常、そのデバイスが販売した直後が1番高く、次のモデルが出ると徐々に価格が下がります。また、キャリアでも独自のキャンペーンを行っており、新モデルへの機種変更を勧めるケースもあります。こうしたキャンペーンを把握しておくと、より高額での売却が可能です。
ソフマップやじゃんぱらでも、定期的に買い取りキャンペーンを行っているので、売却するタイミングを逃さないようにしましょう。
●普段からやっておきたい5つのこと
(1)保護シールやケースを付けて本体を傷から防ごう
大手ショップの買い取りは、買い取ったデバイスを再販することが目的なので、美品であればあるだけ買い取り価格が上限価格に近づきます。逆に、傷や汚れが多いと査定額が下がってしまうのが一般的です。できるだけ高値で買い取ってもらうためにも、普段から傷をつけないように配慮しましょう。iPhoneの場合は、常に持ち歩くため、裸のままでは傷がつきやすいため、本体を守るケースやカバーを装着しておきたいところです。それに加え、スクリーンを保護するシートを貼っておくと、もしもiPhoneを落としてしまったときも、ディスプレイを守ってくれるでしょう。
将来的に下取りや買い取りを考えている場合は、ケースなどを着用し、iPhoneやiPadに傷をつけないようにしましょう。
(2)ガラス修理は非正規の修理店には依頼しない
iPhoneやiPadのガラスが割れた場合、アップルの正規修理ではなく非正規の修理店でもガラス交換を行えます。アップルケアに入っていない場合は、非正規の修理店でガラス交換を行ったほうが安く済むことも多く、読者の皆さんの中にも、経験がある方がいるかと思います。しかし、正規修理以外を行った場合は、なんと「改造」にあたるので注意が必要です。しょうがなく行ったガラス交換でも、ユーザ側で行った改造とみなされて下取り金額や買い取り価格が下がる場合がありますので、アップルケアに加入することを前提に、アップルストアに依頼することをおすすめします。
アップルの公式WEBページに記載されている利用規約にも、MacやiPhone、iPadが改造されている場合、リサイクルプログラムの提供ができない旨が明記されています。
アップルによるiPhoneの画面の修理代金です。非正規修理店で修理するのではなく、正規ルートで修理を依頼したほうが、下取りに出すときも心配ありません。
(3)水濡れや湿気に注意しよう
防水仕様でないiPhoneは、湿気や水分に非常に弱く、水没しなくても湿気で内部に水滴が発生すると、ショートして壊れてしまうことも。iPhoneは内部に液体浸入インジケータが貼ってあり、このインジケータが反応していると、下取りや買い取りが不可になるケースもあります。
基本的にiPhoneやiPadは湿気や水分に非常に弱い性質を持っています。買い取り不可にならないよう水気のある場所での利用は避けましょう。
(4)領収書や保証書は捨てずに残しておこう
大手ショップへ買い取りに出す場合、そのデバイスの保証期間が残っていると評価額がアップする場合があります。購入時期や購入価格、モデル名を知るうえでも領収書や保証書は重要です。デバイスを購入したときは、領収書や保証書は捨てずに保管しておきましょう。
捨ててしまいがちな保証書や領収書ですが、大手ショップの場合、保証書が残っていると買い取り金額がアップする可能性があります。
(5)付属品や元箱は保管しておこう
アップルRenewプログラムを利用する場合は心配ありませんが、大手ショップなどの買い取りは、付属品の有無が査定額の大きな減額につながります。将来的に中古ショップでの買い取りを想定しているのならば、元箱は捨てずに、付属品もなるべく紛失しないように自宅でキープしておきましょう。
大手ショップでは、元箱や付属品の有無が非常に重要です。下取りの際に大きな減額にならないよう、これらはすべて残しておきましょう。