紙の断捨離を目指して
私事で恐縮ですが、昨年から取材稼動の仕事が増え、資料や名刺、レシート、手書きメモなどの“紙モノ”が急増しました。増え続ける資料を整理もせず大きな箱の中に溜め込んでいたのですが、年末の大掃除の際、それらをどうやって整理&保管すればいいのか悩んでしまいました。
そんなときに思い出したのが、モバイルスキャナ「iX100」です。これを活用して紙の資料を「断捨離」すれば、机の周りの省スペース化にも役立つハズ。実はこの製品、以前もレビューしたのですが、今回、PFUの新サービス「スキャンスナップ・クラウド」を使って資料整理をしようと思い、再び引っ張り出しました。
スキャンスナップ・クラウドはスキャンスナップのユーザが使用できる無料のサービスで、対応機種は私の持っているiX100と、据え置き型スキャナのiX500。このサービスを使うと、スキャンしたデータがPFUのサーバにアップされたあと、エバーノートやドロップボックスなどの主要クラウドサービスに転送されます。
「転送なんて、iPhoneでできるじゃん」と思うかもしれませんが、このサービスのスゴイところは、一度設定すればすべてを自動で行ってくれるところ。つまり、スキャンしたデータをどこにアップロードするのかだけ設定してしまえば、あとはスキャンボタンを押すだけで、MacやiPhoneに触らずとも、iX100がデータを既定のクラウドサービスにアップロードしてくれるんです。
スキャンデータが同社のサーバに転送された際に、「レシート」「名刺」「文書」「写真」が自動判別され、各種クラウドサービスに転送されます。データの種類ごとに転送先を指定できるので、僕は書類を「ドロップボックス」、名刺とレシートを「エバーノート」、写真を「グーグルフォト」にアップするよう設定しました。
10種類のサービスに対応
本文で紹介したクラウドサービスのほかに、「ワンドライブ」「フリー」「ドクターウォレット」「ストリームド」「エイト」「MFクラウド会計・確定申告」に対応しています。アイクラウドドライブに対応していないのが惜しい!
ボタン一つで全部アップ
実際にA4サイズの文書をスキャンしたところ、30秒~1分後にはドロップボックスにPDFファイルとして保存されました。レシートもスキャンして1分程度でエバーノートに登録されます。また、文書の場合はわかりやすいタイトルを自動で抜き出してファイル名に挿入してくれるので、ファイルを開かなくても書類の内容がわかります。スキャンは多少斜めに挿入しても自動でまっすぐに修正されるので、煩わしい調整などは不要。あまりの便利さに衝撃を受けました。
iX100単体で資料やレシート、名刺などをサクサクとクラウドに保存、そのうえ分類まで自動でやってくれるというのは、ズボラな僕には夢のような環境です。あとは膨大な書類を整理するだけですね・・。
タイトルを読み取ってファイル名に
「文書」のみですが、原稿からわかりやすいタイトル文字を抜き出し、日付と組み合わせて自動でわかりやすいファイル名を生成してくれます。
通知センターで知らせてくれる
無料ソフト「ScanSnap Cloud」をMacにインストールして設定しておけば、書類がクラウドに保存されたタイミングで通知されます。
早川厚志の評価
● 本体だけで文書をクラウド化
● アップロード先を自動で振り分け
● アイクラウドには自動アップできない
● スキャンスナップ・クラウドはOCR非対応
【補足】
iX100は、名刺やレシートなどを2枚同時に読み取ったり、見開きページを自動合成したりする機能を搭載しています。また、Mac用ソフト「ScanSnap Manager」を使えば、A4より大きな原稿を2つ折りにして両面を読み取ることで自動でつなぎ合わせることも可能です。
SPEC
[使用期間]9日
【発売】PFU
【価格】Scansnap iX100:2万2000円(税別)、Scansnap Cloud:無料
【URL】http://scansnap.fujitsu.com/jp
【Size】273(W)×36(H)×47.5(D)mm
【重量】400g
【インターフェイス】USB2.0、IEE802.11b/g/n
【備考】光学解像度:600dpi/バッテリ容量:720mAh
早川厚志 Atsushi Hayakawa
新製品には即飛びつき、飽きたら売り払う。特に日本未発売の製品には目がなく、海外の運送業者のヘビーユーザ。旅写真が趣味。Macソフト情報サイト「新しもの好きのダウンロード」主宰。