※この記事は『Mac Fan』2018年4月号に掲載されたものです。
「あと人生が半月しかなかったら何をするだろうか?」
今、書いている書籍のテーマである。
受験シーズン真っ盛り。テストのとき、残り時間が1分になったらどうするだろうか? もし、タイマー式の時限爆弾を解体中、残り時間が1分になったらどうするだろうか? そんなことをよく考える。
テストだったら答えを見直したり、最後まで解こうと脳がフル回転になるだろう。爆弾処理中だったら、映画のように赤い線を切るか? 青い線を切るか? 最後まで悩むだろう。そして3秒前ぐらいで青いほうを切るような気がする。そう、人はギリギリに追い詰められると懸命にもがく。
だからボクは、いつも人生が、残り半月しかなかったらと思って生活をしている。そうギリギリに追い込んでいるのだ。ケチなので余裕は敵である。「この人に会うのは最後かもしれない」「親には何をしてあげられるだろうか?」などと思っている。
ご飯を食べに行っても「残り半月だったらこのファーストフードには入らない」と思って、できる限り美味しい料理を食べる。できる限り一番好きなものを注文する。お鮨屋さんでも「中トロ」から食べる。ケチだからより美味しいものから食べるのだ。だって、お腹いっぱいになったら中トロは美味しくないだろう。きっと。
ケチだから少しでも美味しい料理を食べたいのだ。だからアシスタントA嬢からは「そんな考えだから太るんです(キッパリ)」と怒られる。
今朝も面倒くさかったがジムへ。「あと半月しかない。こんな体型では情けない。死ぬときぐらい痩せていたい」と急に思ったのだ。厳しいトレーニングをする。
以前は、「面倒だ」と思っている仕事もあったが今は違う。「この8分間で企画書をちょっと書こう」「2分あるから本の一節を書こう」と思う。分単位で仕事ができるようになった。
ボクはケチだからゲームやパチンコはやらない。仕事での成功のほうが気持ちがいいからだ。
現在、東京・大門のスターバックスでこの原稿を書いているが、隣でビジネスマンがゲームをやっている。もったいない。成功体験は仕事で体験したい。脳内物質がシュワ~と出る瞬間がたまらない。そんな瞬間が1時間に2、3回はある。
このあとも某IT企業で戦略会議だが、「シュワシュワシュワ~」っと出るはずだ。せっかく仕事をするのだから成功しないともったいない。究極のケチだ。
ボクはいつも自分を「大リーガー」に例える。「もし、イチロー選手だったらこの一球を打つよな」「見逃しの三振はもったいないよな」「せっかく大リーガーになったらもったいないから練習をするよな」などといろいろなことを考える。
著者プロフィール
野呂エイシロウ
放送作家、戦略的PRコンサルタント。毎日オールナイトニッポンを朝5時まで聴き、テレビの見過ぎで受験失敗し、人生いろいろあって放送作家に。「元気が出るテレビ」「鉄腕DASH」「NHK紅白歌合戦」「アンビリバボー」などを構成。テレビ番組も、CMやPRをヒットさせることも一緒。放送作家はヒットするためのコンサルタント業だ!と、戦略的PRコンサルタントに。偉そうなことを言った割には、『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)『プレスリリースはラブレター』(万来舎)が、ミリオンセラーにならず悩み中。