【実践1】AirMacでホームネットワークを構築しよう
無線でつながるホームネットワーク
AirMacベースステーションの最大のメリットは、なんといっても既存の親機に接続するだけで、すぐにホームネットワークが構築できる点です。家庭内のパソコンと周辺機器をワイヤレスでつなぐもっとも簡単なソリューションといえます。
たとえば、iTunesのライブラリをネットワーク上のファイルサーバに置いてリビングのスピーカで聴いたり、映画や写真をテレビのスクリーンで鑑賞したりといったことが手軽に楽しめるエアプレイも、ホームネットワークの醍醐味です。
もちろん、データバックアップやプリンタ共有などの実用的な使い方だって朝飯前。家中にケーブルを這わせることなくこうした環境をワイヤレスで構築するのが、AirMacベースステーションの真骨頂です。電波が届きにくい部屋にはAirMacエクスプレスを設置するなど、複数のベースステーションを設置することで、家全体をカバーできます。家庭内だけでなく小規模オフィスでも十分活用できます。
AirMacベースステーションは、無線ルータとして、またタイムカプセルならそのままネットワークストレージとしてパソコンやスマートフォン、対応家電をWi-Fiで結びます。電波が届きにくい場所にAirMacエクスプレスを追加するなど、複数のベースステーションを組み合わせることも可能です。
AirMacのセットアップ
まずは、AirMacタイムカプセルを例に、AirMacベースステーションでネットワークを作成する手順を解説します。
なおAirMacベースステーションは、親機として利用することもできますが、ここではすでに家庭に設置済みのモデムやルータにAirMacを導入する場合の方法を解説します。
あらかじめインターネットへの接続が完了しているモデムにAirMacベースステーション接続するので、インターネット接続の難しい設定はありません。なお、AirMacの設定は、macOSの標準ソフト「AirMacユーティリティ」で行います。
AirMacを準備する
LANケーブルを使って、家庭で使用中のインターネットモデムにAirMacを接続します。このときAirMac側ではLANポートではなく、ギガビットイーサネット(WAN)のポートを使う点に注意しましょう。
AirMacタイムカプセルのインターフェイス部分。AirMacエクストリームも共通です。WANのポートとLANのポートがあるので間違えないようにしましょう。
ネットワークを作成する
「AirMacユーティリティ」を起動します。新しいベースステーションが見つかると[その他のWi-Fiデバイス(1)]と表示されるので、それをクリックします。
新規ネットワーク作成画面が開いたら、ネットワーク名、ベースステーション名を入力します。ネットワーク名は、アクセスポイント名としてWi-Fiメニューに表示されます。
[診断と使用状況]では、AirMacの動作情報をアップルに送信するか否かを設定します。任意の項目をチェックして[次へ]をクリックします。
以上で設定は完了です。インターネット接続の情報は、親機となるモデムからAirMacが自動的に読み込むので、たったこれだけで新しいネットワークが作れました。
AirMacユーティリティの初期画面に戻ると、今設定したベースステーションがつながっていることがわかります。インターネットに接続できていない場合は、ベースステーション名の横の丸印がオレンジ色になります。
AirMacの設定の変更や詳細を設定するには、AirMacユーティリティの画面で対象となるデバイスをクリックし、ポップアップウインドウの[編集]をクリックします。
設定ウインドウは、5つのタブに分かれています。それぞれのタブごとに、詳細を設定できます。たとえば、[ベースステーション]タブでは、デバイスの名前やパスワード、「どこでもMyMac」が設定できます。
ネットワーク名や、そのパスワードを変更するには、[ワイヤレス]タブを使います。ゲストネットワークのオン/オフ設定もここで行います。
5GHz帯のネットワークを設定する
現行のAirMacベースステーションは、2.4GHzと5GHzの2つの周波数帯域での無線通信に対応しています。このうち2.4GHzは、電子レンジやコードレス電話などの電子機器に広く使われている帯域のため、環境によっては、ほかの機器からの干渉を受けることがあります。そのためWi-Fiが不安定だなと感じたら、比較的帯域が空いている5GHzを試してみるとつながりやすいことがあります。5GHz帯を利用するには、AirMacユーティリティで設定を編集しましょう。
5GHzを有効にする
AirMacユーティリティで、設定するベースステーションのアイコンを選択し、[編集]をクリックします。
設定ウインドウ上部のタブから「ワイヤレス」を選択し、画面下部の「ワイヤレスオプション」をクリックします。
チェックボックスにチェックを付けて、5GHzネットワーク名を指定します。2.4GHzとは別のネットワークとして扱われるので、わかりやすい名前にしておくといいでしょう。
ネットワークにアクセス
5GHzのネットワークに切り替えるには、Wi-Fiメニューから設定したネットワーク名を選択します。5GHzのネットワークが独立したネットワークとしてメニューに表示されることがわかります。iPhoneからも同様にアクセスできます。
ネットワーク名を非公開にする
ネットワークに接続する際、Wi-Fiメニューを開くとネットワーク名(SSID)がずらりと並んでいることがあります。これは電波が届くエリアにあるネットワークが一覧表示されたもので、自分のネットワーク名も近隣のユーザに見えています。ネットワーク名を不特定の人に公開したくない場合は、非公開にしましょう。ここでは、非公開設定と非公開ネットワークへのアクセス方法を紹介します。
AirMacユーティリティのワイヤレスオプションのウインドウで、[非公開ネットワークを作成]にチェックを付けて[保存]をクリックします。
リストに表示されない非公開ネットワークにアクセスするには、Wi-Fiメニューで[ほかのネットワークに接続]を選択します。
アクセスするネットワークの名前とセキュリティの種類、パスワードを入力して[接続]をクリックします。[このネットワークを記憶]を有効にしておくと、次回から自動でつながります。
Wi-Fiとイーサネットの優先度を設定する
自宅のネットワーク環境でイーサネットとWi-Fiの両方を使っている場合、接続先の優先度を設定できます。たとえば、ノートパソコンを自宅では有線、外出先では無線で接続していると、その都度自動でつながるのは便利ですが、自宅に帰ったときにイーサネットを使っているつもりがWi-Fiにつながっていたということもあります。LANケーブルを挿している場合は優先的にイーサネットに接続したいといったときに、設定しておくと便利です。
使用するネットワークの優先度の設定は、Mac側の機能なので[システム環境設定]にある[ネットワーク]で行います。
ネットワークサービスリストの下部にある歯車のアイコンをクリックし、メニューから[サービスの順序を設定]を選択します。
[サービスの順序]リストで、優先させたいサービスをドラッグして上位に移動します。順位を変更したら[OK]をクリックし、元の画面に戻って[適用]をクリックします。
ファームウェアをアップデートする
ファームウェアは、ハードウェアを制御するために、あらかじめ組み込まれたソフトウェアです。AirMac本体のファームウェアは、AirMacユーティリティからアップデートします。アップデートを検知すると、ベースステーション名の右側に赤いバッジが表示されるので、定期的にAirMacユーティリティを起動してチェックしましょう。
AirMacユーティリティで、ファームウェアをアップデートするベースステーションのアイコンを選択し、ポップアップウインドウで[アップデート]をクリックします。
アップデート中はネットワークサービスが利用できなくなるというアラートが表示されます。内容を確認して[続ける]をクリックします。
アップデートが完了すると、ポップアップウインドウの[アップデート]ボタンが消えます(右)。なお、iOSデバイスからのアップデートも可能です(左)。
iOSデバイスからAirMacを設定する
iOSデバイスにとっても、安定したインターネット通信やモバイルデータ通信量の節約など、Wi-Fiネットワークへの接続から受けられる恩恵は小さくありません。また、自宅ではMacを立ち上げるまでもなくiPhoneやiPadで用事が済ませられるという人もいるでしょう。実は、iOSデバイスからAirMacを操作する方法があるんです。アップストアから「AirMacユーティリティ」をインストールすれば、手軽にAirMacの状況確認や設定の変更ができます。
「AirMacユーティリティ」はアップストアの「ユーティリティ」にあります。操作方法は、ほぼMacと同じ。初期画面からデバイスをタップして設定画面に移動します。設定の確認や変更はもちろん、新規ワイヤレスネットワークの作成も可能です。
【インターネット接続】
AirMacベースステーションを親機として設定する場合は、インターネットサービスプロバイダから発行されたログイン情報の入力が必要になります。あらかじめ手元に用意して設定を始めましょう。
【ユーティリティ】
AirMacユーティリティは、[アプリケーション]フォルダの[ユーティリティ]に格納されています。ローンチパッドでは[その他]フォルダから起動できます。本ソフトは、他社製のモデムやルータには対応していません。
【ゲストネットワーク】
本来のネットワークとは切り離したゲスト専用のネットワーク。一時的にWi-Fiを使用する来客などが、ネットワーク内の共有ディスクやプリンタにアクセスすることなく、安全に公開できます。
【iOS版】
iOSデバイス用の「AirMacユーティリティ」は、アップストアから無料で入手できます。アプリ名で検索するとすぐに見つかります。必ずアップル純正のアプリであることを確認してからインストールしましょう。