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アジア最大の楽器展示会「Music China 2025」に潜入! スマートギター、ウィンドシンセ、音ゲー対応MIDIキーボードを発見。楽器が“ガジェット化”する未来が見えてきた!

著者: 中臺さや香

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アジア最大の楽器展示会「Music China 2025」に潜入! スマートギター、ウィンドシンセ、音ゲー対応MIDIキーボードを発見。楽器が“ガジェット化”する未来が見えてきた!

2025年10月22日から25日まで、上海新国際博覧中心で開催されたアジア最大級の楽器展示会「Music China 2025」を現地取材しました。

会場の広さはなんと33万m²。東京ドーム約4つ分というスケールに、世界中から1800社以上の出展者が集結。ピアノや弦楽器、電子楽器、音楽ソフトまで、まさに音楽業界の最前線が集まった夢のような空間が広がっていました。

本記事では、「Music China 2025」の膨大な展示の中から、私が会場で心を奪われたApple製品と使える楽器を3つピックアップして解説します。

上海新国際博覧中心のエントランスは全部で3つ。会場内には合計17のホールがあり、それらをつなぐバスが走っています。取材もあり座っていた時間もあったなか、1日の歩数は2万歩を越えていました。

ENYAのスマートギター。ライトを指でおさえれば誰でも弾ける!

まず1つ目は、ENYA MUSIC GLOBALの「CYBER-G」。こちらは、“スマートギター”というジャンルの楽器で、iPhoneとの連係機能や、アンプなしでも音が出せる内蔵スピーカを搭載した次世代型のギターです。

ポップなカラーがキュート! ネック部分は取り外せるので、コンパクトに収納すれば持ち運びもらくらくです。
ポップなカラーがキュート! ネック部分は取り外せるので、コンパクトに収納すれば持ち運びもらくらくです。

ギター本体にはタッチスクリーンが搭載されていて、プリセットの切り替えや録音を簡単に行えるほか、USB-CケーブルでMacとつなげば、DAWとの連係もスムースなため、DTMユーザにもぴったりです。

さらに、専用アプリ「Enya Music」を入れたiPhoneと連係することで、演奏をサポートしてくれるのもうれしいところ。アプリを使うと、ネックが光って押さえるべきポジションを教えてくれるため、初心者でも視覚的に学びながら演奏を楽しむことができるんです。

試奏ブースでは多くの来場者がCYBER-Gを手にとり、すぐに使い方をマスターして軽々と音を変えながら演奏していました。スマートギターが「楽器」としての地位を確立する時代はもうすぐそこまで来ているのかもしれません。

キーボード部分は取り外して、MacとつなげてDTM機材として使ったり、ほかのツールに差し替えたりすることができます。
CYBER-Gは複数のユニットで構成されており、ネック、キーボード部分は分離できます。また、分離させたキーボードはMacに接続してDTM機材として使えるなど、汎用性もバツグン! さらに、ギターの弦として使えるユニットを装着するなど、カスタム性も魅力的でした。




HUAMEIのウィンドシンセ。二胡や古琴の音色がリアル!

続いては、中国の新興ブランド「HUAMEI」が開発したウィンドシンセサイザ「HUAMEI 10i」です。

ウィンドシンセサイザとは、管楽器の奏法でシンセサイザを演奏できる電子楽器のこと。息遣いで音の強弱やニュアンスを表現し、リコーダーに似たキー配列で音程をコントロールできます。また、ヘッドフォンをつないで演奏できる点も魅力です。

キー部分にはタッチセンサが搭載されて。そのため、軽く触れるだけで反応するので操作がスムース! 重厚感のある見た目はまるで、クラリネットやオーボエといったクラシック楽器のよう。
HUAMEIのウィンドシンセサイザはクラリネットやオーボエのような重厚感あるデザイン。キーはすべてタッチセンサ式で、軽く触れるだけで反応するため、流れるように操作できました。

YAMAHAの「YDS」やRolandの「Aerophone」に続く形で登場したHUAMEI 10i。中国の伝統楽器の音色を再現できるのが最大の特徴です。

特に印象的だったのは、中国の伝統楽器である二胡や笛子などの音色が非常にリアルなこと。メーカーのブースでは、HUAMEI 10iを演奏するショーも行われており、多くの人がその心地よい音に魅了されていました。

Muse Dashのミニキーボード。作曲も音ゲープレイもおまかせを!

大人気音ゲー「Muse Dash」。その世界観をモチーフにした、超小型キーボードも発見しました。

カラフルなボタンには、猫の鳴き声などの効果音が設定されています。鮮やかなカラーがつい目を惹きます!
カラフルなボタンには、猫の鳴き声やバイオリンの音色などの効果音が設定されています。鮮やかなカラーがつい目を惹きます!

その名は「EASYPLAY」。カラフルでポップな見た目は、まるでおもちゃのようですが、実はMIDI対応の本格派! MacやiPhoneと接続すれば、GarageBandやLogic Proなどの音楽制作ソフトで作曲することが可能です。

さらに、「Simply Piano」といったiPhoneで遊べる音楽ゲームの操作を、EASYPLAYに割り当てることもできます。画面をタップする代わりに、物理的なキーを叩くことで、より臨場感が味わえるのがグッド!




クラシックな楽器も多数。Apple製品との連係はさておいて…素敵!

Music Chinaで展示されているのは電子楽器だけではありません。クラシック音楽好きの私にとって、たまらない展示もたくさんありました。

グランドピアノをはじめ、職人技が光るバイオリンやチェロ。クラリネット、ドラムなど、あらゆる楽器が勢揃い!

バイオリンブースでは、本体だけでなく弦や駒などのパーツを中心に販売している専門店も多数ありました。どのブースも試奏を楽しむ人たちの笑顔であふれていました。
バイオリンブースでは、本体だけでなく弦や駒などのパーツを中心に販売している専門店も多数ありました。
濃い木目の美しいグランドピアノは私も試奏してきました。会場には、これまでの人生で見たことがないほどのピアノが並びます。1ヵ月くらい滞在して全部弾いてみたいと思ったほどでした。
グランドピアノも多数展示。手前の濃い木目のピアノは私も試奏しましたが、音の響きが優しかったです。

特に印象的だったのは、中国伝統楽器のエリア。古琴や琵琶などを、じっくりと見て、聴いて、触れることができました。

伝統楽器というと敷居が高く感じますが、老若男女問わず気軽に試奏している印象でした。各ブースではスタッフの方が丁寧に演奏方法を教えてくれるので、誰でも気軽に体験できます。
伝統楽器というと敷居が高く感じますが、老若男女問わず気軽に試奏している印象でした。各ブースではスタッフの方が丁寧に演奏方法を教えてくれるので、誰でも気軽に体験できます。
こちらは中国のお琴「古琴」のエリア。美しいデザインが印象的!
こちらは中国の伝統楽器「古筝」のエリア。中国の民族音楽や現代音楽でも広く使われている楽器で、華やかでダイナミックな音色が特徴です。
こちらは、膝に置いて素手で叩いて演奏する、鉄が主成分の楽器。ほわーとした独特の響きが印象的で、1台買いたかったものの、スーツケースの容量の都合で断念しました。日本でも燕三条で製作されている方がいらっしゃるそうなので、新潟に訪れた際に探してみたいと思います。
こちらは、膝に置いて素手で叩いて演奏する、鉄が主成分の楽器「StarHandpan」。ほわーとした独特の響きが印象的で、1台欲しい!と思ったものの、以降の日程や手荷物の量を考えて断念。聞くところによると、日本の燕三条にも製作されている方がいるそうです。

Music Chinaは音楽の“今”と“未来”が交差する場所だった!

Music China 2025は、単なる展示会ではなく、音楽の“今”と“未来”を体感できる場所でした。

急成長を遂げる中国の音楽市場では、若い世代を中心に新しい音楽体験への関心が高まっています。その熱気の中で、伝統と革新が共存する音楽の多様性に触れることができました。

今回の展示で印象的だったのは、楽器が“ガジェット化”し、iPhoneやMacとシームレスにつながる流れが加速していること。

スマートギターやポケットサイズのMIDI楽器、そして音楽ゲームとの融合など、音楽の楽しみ方は確実に広がっています。従来の“演奏”だけでない新しいスタイルが進化しているのを肌で感じました。

「Music China 2025」のレポートはほかにも記事化しているので、ぜひ下の画像からアクセスしてみてください。

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著者プロフィール

中臺さや香

中臺さや香

Mac Fan編集部所属。英日翻訳職を経て、編集部へジョインしました。趣味はピアノを弾くこと、乗馬、最新のガジェットを触ること。家中まるっとスマートホーム化するのが夢です!

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