スマートウォッチなどで知られるヘルスケアブランド「Amazfit」より、スマートリング「Amazfit Helio Ring」が登場した。
「スマートリング」という製品ジャンルに火がつき始めている。たとえば、日本未発売ではあるが「Galaxy Ring」の登場は記憶に新しい。また、日本メーカーによる「SOXAI RING」(レビュー記事はコチラ)や、スマートリング自体の先駆けともいえる「Oura Ring」もある。
そんな中登場した「Amazfit Helio Ring」は、比較的後発のアイテムだ。今回、10月10日の発売日に先行して製品を試す機会を得たので、約2週間使い倒した所感をレビューしていく。
シンプルだが個性もある。自然に使えるスマートリング
まずは、Amazfit Helio Ringのデザインやスペックについて整理しよう。マットな雰囲気の表面にはチタン素材を採用。手の甲側にくる面には、細かなドット加工が施されており、いいアクセントになっている。
一方内側には樹脂を使用し、装着し続けても不快感のない仕上がりだ。
厚みは約2.6mmで、一般的な指輪よりやや太い程度。ただ、指輪をつけることに慣れていない場合、装着する指によっては違和感を覚えるかもしれない。筆者は当初、右手の薬指につけていた。しかし中指と小指に指輪が触れ続ける感覚に慣れず、左手の人差し指に着け変えた。以降、何の違和感もなく着け続けられている。
5つのセンサでトラッキング! データは「Zeppアプリ」や「ヘルスケア」でチェックしよう
Amazfit Helio Ringが搭載するセンサは合計5つ。「健康」のトラッキングに利用される「BioTracker PPG 心拍センサ」「温度センサ」「EDAセンサ」。そして「運動」のトラッキングに利用される「3軸加速度センサ」と「3軸ジャイロセンサ」だ。
Amazfit Helio Ringは、これらのセンサを用いてさまざまな項目をトラッキングする。取得したデータは、アプリ「Zepp」経由で閲覧でき、Appleの「ヘルスケア」との連係も可能だ。なお、Zeppアプリは同Amazfitブランドのスマートウォッチにも対応している。
アプリを開くと、4つの項目が表示される。[概要]には各項目のスコアが総合されており、[レディネス][睡眠][努力]では詳細なデータにアクセスできる。かなり細かく、いくつかの階層が用意されているため、使いこなすには時間がかかりそうだ。一方で、使い込みたいユーザにとっては願ってもない仕様だろう。
ちなみに、筆者は“なんとなく”トラッキングできれば十分だと思っているので、基本的には[概要]に表示されるトータルのスコアを見て満足している。この“なんとなく”と“使い込む”を両立しているところは、高く評価すべきポイントだと思う。ユーザのさまざまなニーズにフィットするからだ。
「レディネス」はいわばHP。今日の“体力”はどれくらい?
[レディネス]とは、「Ready=準備」を表す項目だ。身体の回復状況やメンタルの状態、心拍数などを数値化し、そのトータルを総合評価として表示してくれる。根を詰めて頑張りすぎてしまう人にとって、いい伴走者になるだろう。逆にサボりがちな人にとって、ちょっと数字が低いだけで「今日は回復し足りないから休んでも…」と足を引っ張る存在になるかもしれない。うまく付き合おう。
眠った時間、規則性、深さまで測れる[睡眠]
装着して寝るだけで、睡眠時間や規則性、ディープスリープ、レム睡眠(いわゆる浅い眠り)、睡眠時の呼吸の質などを計測してくれる。各項目をタップすれば、グラフ化されたデータも閲覧可能だ。
蓄積していけば、週ごとのデータを閲覧したり、過去の1週間との比較などもできる(後述の理由により月曜日のデータはない)。
また、AIを駆使した「パーソナル睡眠コーチ」機能が利用できるサブスクリプションサービス「Zepp Aura」も提供されている。睡眠記録のレポートや分析も自動でしてくれるため、むしろ“なんとなく”のユーザにこそ響くかもしれない。
Amazfitのスマートウォッチで取得したアクティビティを記録する[努力]
[努力]からは、アクティビティ関連のデータにアクセスできる。ただし、基本的にAmazfitのスマートウォッチユーザ向けの項目だ。Amazfit Helio Ring単体で取得したデータはほぼ反映されないため、スマートウォッチを持っていない場合はほとんど開かない項目になるだろう。
これは決してAmazfit Helio Ringの機能性が不足しているというわけではない。同ブランドが、体と心の回復にはリング、アクティビティの記録にはスマートウォッチと役割を明確に分けているからこそだ。
着け続けていたいからこそ、バッテリ持続性はやや課題
“つけっぱなし”が前提となるヘルスケアデバイスには、ロングライフのバッテリが要求される。その点、Amazfit Helio Ringは、メーカーサイトによると「最大4日間」と十分なように思える。
しかし筆者が試した環境では、3日間も持続しなかった。
レビュー期間のとある金曜日の夜22時前、バッテリ100%の状態で会社を退勤。土曜日を経て、日曜日の夜20時20分ごろにバッテリ残量が30%となり、月曜日の12時20分ごろには5%、夕方ごろには0%となった。
当初、専用充電器は会社のデスクに常設するつもりでいたのだが、3連休を考慮するとこれでは運用できない。充電器は自宅に置き、適切な充電タイミングを探っていきたい。課題と書いたが、それでも2日半程度はバッテリが持続する。こまめに充電する習慣さえできれば大きな問題にはならないとも思う(2泊3日の旅行時に充電器を持って行くかどうかで悩みそうだが)。
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著者プロフィール
関口大起
『Mac Fan』副編集長。腕時計の卸売営業や電子コミック制作のお仕事を経て、雑誌編集の世界にやってきました。好きなApple Storeは丸の内。Xアカウント:@t_sekiguchi_