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電子ドラム、なのに“アナログ”! 「drumlogue」は本物っぽい音がかっこいい/宮本佳林のDTMでは研修生【第17回】

電子ドラム、なのに“アナログ”! 「drumlogue」は本物っぽい音がかっこいい/宮本佳林のDTMでは研修生【第17回】

※この記事は『Mac Fan』2023年8月号に掲載されたものです。

Macで作曲に励む宮本佳林さんには、気になるDTMツールがいっぱい!第17回は株式会社コルグの新しいドラムマシンを体験してきました。

宮本佳林

宮本佳林

歌手。ハロー!プロジェクト所属の女性アイドルグループ・Juice=Juiceの元メンバー。現在はソロ名義で活躍の場を広げている。趣味はアニメ・漫画鑑賞、射撃(シューティング)。

株式会社コルグのマルチネスガルシア・イボンさん。同社のマーケティングチームでマネージャを務めながら、作曲活動もされています。

ドラムマシン「drumlogue」は分厚い音が出せる。 “アナログ回路”のおかげなんだって!

今回は長い歴史を持つ電子楽器メーカーのコルグを再訪。マーケティング担当のマルチネスガルシア・イボンさんに、昨年11月に発売されたハイブリッド・ドラムマシン「drumlogue」について教えてもらいました。

drumlogue

【発売】
コルグ

drumlogue」は豊かなサウンドが持ち味のアナログ音源、柔軟性の高いデジタル音源、カスタマイズ可能なシンセサイザなどを備えたコルグ最新のハイブリッド・ドラムマシン。ダイナミックなシーケンサとフロントパネルの専用ノブをコントロールすることで、直感的にトラックを作成できます。

宮本佳林

宮本佳林

コルグといえば、シンセサイザや電子ピアノのイメージがあったのですが、新製品はドラムマシンなんですね。

マルチネスガルシア・イボン

マルチネスガルシア・イボン

実は、コルグが最初に60年ほど前に製造したのは「ドンカマチック」というドラムマシンなんです。それもあって、新しいドラムの開発は常に続けられており、今回の新製品につながりました。

宮本佳林

宮本佳林

「ハイブリッド・ドラムマシン」とありますが、何がハイブリッドなんですか?

マルチネスガルシア・イボン

マルチネスガルシア・イボン

アナログとデジタルのハイブリッドです。コルグでは、「ローグ(logue)」シリーズとしてアナログとデジタルを併用したシンセサイザを出していて、drumlogueはその系譜に連なります。

宮本佳林

宮本佳林

アナログのドラムマシンって、どういうことだ…?

マルチネスガルシア・イボン

マルチネスガルシア・イボン

この場合、電子回路で太鼓の音を生成することを「アナログ」と言っています。一方の「デジタル」は、既存の音源データを元に音を出しているんです。drumlogueでは、ドラムサウンドで一番重要なバスドラムやスネア、タムに新しく開発したアナログ回路を使っていて、それ以外のパートはデジタルで音を出しています。

本物思考の分厚い音。“デジアナ”のいいとこどりをした電子ドラムなんだ!

宮本佳林

宮本佳林

アナログの良さって、どんなところにあるんですか?

マルチネスガルシア・イボン

マルチネスガルシア・イボン

音が分厚いことですね。倍音が豊富なんです。ちょっと鳴らしてみましょう。

宮本佳林

宮本佳林

わぁ、本当だ! デジタルのドラムって、ペラペラに聴こえることがあるんですよね。この音は、なんか本物っぽい。

マルチネスガルシア・イボン

マルチネスガルシア・イボン

一方でデジタルにも良さがあり、どんなオーディオでも使えます。iPhoneで録音した声なども取り込めば音源として使える。そういった柔軟性は持たせたかったんです。

宮本佳林

宮本佳林

いいとこ取りですね!

コルグから久々に登場した本格的なドラムマシン「drumlogue」。アナログシンセチームの伝説のエンジニア・池内順一氏が自ら開発した、完全に新たな方式のアナログ回路を搭載したハイブリッド・ドラムマシンです。

「drumlogue」はボタンがいっぱい…。でも操作がシンプルだから初心者も安心だ!

マルチネスガルシア・イボン

マルチネスガルシア・イボン

では、実際に演奏してみましょう。まずプログラムされたリズムパターンを再生します。下部の16個のボタンが光って、何がいつのタイミングで鳴っているのか表示されるんです。

宮本佳林

宮本佳林

わかりやすい!

マルチネスガルシア・イボン

マルチネスガルシア・イボン

その上にはバスドラム、スネア、タムなどアナログパートに割り当てられたノブが3つずつあります。それで音程など基本的な操作ができます。

宮本佳林

宮本佳林

ノブを回すとリアルタイムで音が変わるんですね。

マルチネスガルシア・イボン

マルチネスガルシア・イボン

基本的な調整はこの3つで事足ります。パラメータがいっぱいあると、何をいじればいいかパッとわからないですよね。

宮本佳林

宮本佳林

最初はボタンが多いと思ったんですけど、操作はシンプルで初心者にもやさしい!

筐体のノブは各アナログパートに対して3つ搭載されており、初心者でも直感的に音の調整ができます。さらにエフェクトをかけたり、強力なシーケンス機能で複雑なリズムパターンを作成したりと、マニアックな楽しみ方も可能。
マルチネスガルシア・イボン

マルチネスガルシア・イボン

あとはプリセットのドラムキットを鳴らしながら、それぞれのパートのボリュームを調整したり、音を変更したりできます。

宮本佳林

宮本佳林

すごく便利! ドラムキットって、1つのパートだけ「この音じゃないんだよな〜」って思うことがよくあるんですよ。

あっという間にDJ気分! 遊び感覚で曲が作れちゃいそうです

マルチネスガルシア・イボン

マルチネスガルシア・イボン

ランダマイズ機能を使うと、パートごとにパターンを変えることもできます。

宮本佳林

宮本佳林

わぁ、スネアが複雑なリズムになった! 私いつも定番のリズムにしちゃうので、こういう機能があると助かります。

再生範囲を指定してループさせたり、パートごとにミュートをかけたりと、ライブの演奏で使える機能も満載。すぐに操作を覚えた宮本さんは、ベテランのクラブDJのようなプレイで場を盛り上げていました。
マルチネスガルシア・イボン

マルチネスガルシア・イボン

あとマルチ・エンジン搭載なので、drumlogue用に作られたプラグインでシンセサイザの音も鳴らせるんですよ。

宮本佳林

宮本佳林

すごい! これ1台で曲が作れちゃいますね。

MIDIキーボード(写真はコルグの「nanoKEY2」)を接続し、メロディを演奏することもできます。「Autochord」というプラグインでキーを1つ押すだけでコードが鳴る機能に対し、宮本さんは「この機能、すごく欲しいです!」と話していました。
マルチネスガルシア・イボン

マルチネスガルシア・イボン

ディスプレイのメニューからより細かい調整もできますし、いくらでも作り込めますよ。またパソコンとつなげて、drumlogueで作った音をDAWで録音することもできます。

宮本佳林

宮本佳林

プリセットのドラムキットの音がかっこよくて、EDMやハウスっぽいリズムなどいろいろあるから、聴きながら調整するだけですごく楽しいです。

マルチネスガルシア・イボン

マルチネスガルシア・イボン

自分のイメージしている曲に合わせてドラムパターンを探してもいいですし、ドラムパターンから曲に発展させてもいいと思います。

宮本佳林

宮本佳林

遊んでいるうちに曲ができちゃいそうです!