前号の写真で初公開した、我が愛しき“UL(超軽量)充電キット”たち。
ぼくがモノを選ぶ基本条件は、①1グラムでも軽いこと、②1立方センチメートルでも小さいこと。さらに③折りたためたり、④複数の機能付きであればなおよし、としている。
今月はもっとも注目してほしいアイテムであり、陰の主役ともいえる「電源コードセット」を紹介をしてみたい。
コンセントが少ない海外の宿泊先では、誰もが「もっと長い延長コードがあれば…」という思いをしたことがあるはず。ぼくの経験上、最低1メートルは必要で、もし2メートルあれば、どんな部屋でも意図する場所に充電キットを設置できる。そして、電源タップは複数あったほうがいい。
多くの人はこういった電源コード類の重さなんて気にもしていないだろうが、ぼくは「グラム単位」で持ち物の重量を把握する軽量マニア。この「電源の延長コード+複数口の電源タップ」という代物、実は恐ろしいほど重くて、かさばるのである。
ぼくは10年以上、充電キットをより軽くするために苦心してきた。技術進化の恩恵を受けて、ほかのガジェットたちがどんどん軽量化するのを尻目に、この電源コードセットだけはまったく軽くならなかった。
革命が起きたのは昨年のこと。もう使っていないACアダプタを捨てようとしたとき、それに接続する「メガネ型2ピン・コネクタケーブル」がとても細いことに気づいたのだ。量ってみると、通常の電源コード(1メートルで98グラム)の、だいたい半分の重さ(同じ長さで52グラム)。よし!と思った。
すぐさま、この「メガネ型2ピン」という特殊な差し込み口を、通常の電源タップに変換するアダプタがないか探すと、いくつも存在することを知った。その中で、サンワサプライ社の「Moenegallet 2ピン変換マルチコンセント」が、ダントツ軽くてコンパクトだった。極限まで薄いミニマム構造なうえに、電源タップが2口付いて、たった23グラム。
これと1メートルの「2ピン・ケーブル」の総重量はわずか75グラムで、重さも体積も、通常の「電源延長コード1メートル+電源2個口タップ」の半分以下となったのだ。一気に軽量&コンパクト化が実現化したため、途上国を旅するときは、利便性を重視して2メートルの「2ピン・ケーブル(82グラム)」を持つようになった。
ちなみに、日本規格の電源ケーブル類は、他国に比べてかなり細い作りだが、世界のどんな高電圧の国でもまったく問題なく使える。このことは意外に知られていないので、念のために言及しておきたい。
そして、ちょうどこの1カ月で入れ替わったばかりの新顔が、海外旅行用の電源変換プラグ、デバイスネット社の「ロードウォーリア・ゴーコンα」だ。ブラジルの新規格含む、全世界9種類のコンセント対応、158カ国で使用可能で、55グラムと軽量。これは、ぼくがどうしても好きになれなかった部分が改良された、ベストセラー商品のニューモデル版だ。
これで電源関連のガジェットが出揃った。次号では各種ケーブルと、その他“重要ガジェット”について書いてみたい。
※この記事は『Mac Fan 2017年6月号』に掲載されたものです。
著者プロフィール
四角大輔
作家/森の生活者/環境保護アンバサダー。ニュージーランド湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営み、場所・時間・お金に縛られず、組織や制度に依存しない生き方を構築。レコード会社プロデューサー時代に、10回のミリオンヒットを記録。Greenpeace JapanとFairtrade Japanの日本人初アンバサダー、環境省アンバサダーを務める。会員制コミュニティ〈LifestyleDesign.Camp〉主宰。ポッドキャスト〈noiseless world〉ナビゲーター。『超ミニマル・ライフ』『超ミニマル主義』『人生やらなくていいリスト』『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』『バックパッキング登山大全』など著書多数。