ぼくは、持ち物すべてを「グラム単位」で把握している。その理由は、1年の半分を費やす〝移動生活〟だ。できる限り身軽でいるために、軽量かつコンパクトなものを選び、アイテム数もミニマムを追求している。ぼくの生活は、これらの「UL=ウルトラライト(超軽量)」ギアたちによって、支えられているのである。
「これがないと旅先で働くことは不可能」といえる、ぼくの最強メインデバイスは、iPhone 7とMacBook12インチだ。
ぼくは、日本初登場となったiPhone 3GからiPhoneの全機種を使ってきた。iPhone以前は10年来のZaurusヘビーユーザで、Palmなども使ったことのある「PDAマニア」だった。ちなみにPDAとは「パーソナル・デジタル・アシスタント」の略称で、今や死語。でも、意味合い的には「スマートフォン」よりもしっくりくる気がする。
そんなぼくにとってiPhone 7は、「PDA史上最高傑作」と断言していいほどの仕上がりとなっている。
「F1.8」のレンズは、一部の高級コンデジにも搭載されている集光性能の高いもので、暗い場所でもフラッシュが不要になるほどの明るさだ。さらに、写真と動画撮影両方にある「光学式の手ブレ補正機能」。これで、旅にデジカメを持って行くことはなくなり、持ち物がより軽くなった。
そして、「完全防塵」かつ「30分間の水没に耐える耐水性能」。これによって、旅に持参していた防水ケースが不要となり、さらなる荷物の軽量化が実現した。
もう1点。「Apple Pay」という電子決済サービスが搭載されたことによって、財布からカード数枚が消滅。そもそも、iPhone 6sに比べてiPhone 7は「5グラム」軽い。結果、ぼくはさらに身軽になれたのである。
Macのほうはというと、13インチMacBook AirからMacBookに乗り換えたことで、430グラムの劇的な削減が実現。批判続出だった、USB│Cポートのみの〝超ミニマム仕様〟も、完全にぼく好み。ただし、そのことによる充電キットの見直しは避けられなかった。
写真は、そういった必要性もあって、1年がかりで進化させてきた充電キットだ。
まず、ラブパワーの充電器(121グラム)。36ワットの高出力を誇り、USB-CとUSB-Aの2ポートあるため、 MacBookとiPhoneそれぞれの充電器を1つに統一できた。
チューンウェアのマルチハブ(74グラム)は、3つのUSBポート、SDとマイクロSDのカードスロット、EthernetとHDMIのポートを搭載し、USB-C給電可能という、まさにオールマイティハブ。これで、カードリーダ、HDMIアダプタ、Ethernetアダプタが不要となった。
そのほか、モバイルバッテリ、150カ国対応の変換プラグ、複数のケーブルとUSB変換アダプタ。そして、陰の主役である電源2個口タップ&延長コードセットを含む小物群に関しては、語りたいことがあり過ぎるので、次号で詳しく。
これらの総重量はわずか605グラム。1年前の約半分の重さだ。テクノロジーの進化というのは、本当にすごい。
※この記事は『Mac Fan 2017年5月号』に掲載されたものです。
著者プロフィール
四角大輔
作家/森の生活者/環境保護アンバサダー。ニュージーランド湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営み、場所・時間・お金に縛られず、組織や制度に依存しない生き方を構築。レコード会社プロデューサー時代に、10回のミリオンヒットを記録。Greenpeace JapanとFairtrade Japanの日本人初アンバサダー、環境省アンバサダーを務める。会員制コミュニティ〈LifestyleDesign.Camp〉主宰。ポッドキャスト〈noiseless world〉ナビゲーター。『超ミニマル・ライフ』『超ミニマル主義』『人生やらなくていいリスト』『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』『バックパッキング登山大全』など著書多数。