Macのアプリを手に入れる場所として有名なのがMac App Storeです。もちろん、たくさんの便利なアプリが揃っているのですが、実はMacユーザの多くが“定番”として使うアプリの中にはMac App Storeに存在しないものもたくさんあるんです。Mac App Storeはいわばレストラン、だけど美味しい食べ物は屋台にもありますよね。本特集では、Macを買ったらなるべく入れておきたい、Macをもっと便利にする定番アプリの使い方をじっくりと解説します。
「Mac App Storeにない」とはどういうこと?
今では考えられませんが、当初iPhoneにはサードパーティ製アプリをインストールことができませんでした。しかし、世界的にiPhoneが普及し出すとアップルが許可したアプリだけを一堂に集めた「アップストア(App Store)」が誕生しました。アップストアが成功すると、今度はMac用向けに「Macアップストア」が誕生しました。アップルが事前に審査することで、危険なアプリをインストールできない仕組みを整えたのです。
しかし、アプリ開発側にとってアップルの厳しい審査を通過するには、多くのセキュリティ機能に対応する必要があり、自由にどんなアプリでも公開できるわけではなかったのです。
そのため、アプリ開発者の中にはMacアップストアではなく、自身のWEBサイトなどでMacアプリを公開している場合があります。しかも、「Macの定番」といわれるアプリにはそうしたものが多くあるのが事実です。
Macアップストアの集客力に依存することなくアプリをリリースし続けられているということは、それだけ優秀でユーザに愛されている証拠でもあるからです。
macOSの門番がソフトの起動をブロックする
Macアップストアではなく、WEBサイトなどで公開されているアプリの中には、ダブルクリックしても起動できないものがあります。これは、アップルが承認した開発者によるソフト以外は起動しない「ゲートキーパー」という仕組みがmacOSに備わっているためです。身元が保証できない人を通さない門番のようなものです。
ましたが、現行のmacOSハイ・シエラでは不可能になっています。ではどうすればいいのかというと、コンテキストメニューの[開く]を選ぶことでゲートキーパーを回避できます。
ちなみに、ターミナルコマンドでゲートキーパーをオフにすることもできますが、セキュリティ的にはおすすめできないのでその方法は解説しません。
なお、macOSはアプリの入手経路もチェックしているので、Macアップストア以外からダウンロードしたアプリを起動すると、「インターネットからダウンロードされました」といった確認ダイアログが開きます。公式サイトからダウンロードしたものか確認してから[開く]をクリックしましょう。
ゲートキーパーという文言は、macOSの中には表示されません。システム環境設定[セキュリティとプライバシー]パネルにある[ダウンロードしたアプリケーションの実行許可]がその実体です。
本特集で紹介したアプリの中では、「EVE」が開発元未確認となってダブルクリックでは起動できません。これがいわゆるゲートキーパーに阻止された状態です。
ゲートキーパーに阻まれた場合は、対象アプリを選択してコンテキストメニューを出し、[開く]を選びます。出てきたダイアログで[開く]をクリックすれば起動できます。
System Integrity Protectionの解除と復帰
「SIP」というセキュリティ機能により導入できないアプリもあります。これは、システムを改変するようなプログラムを阻止するmacOSの保護機能です。本特集で紹介したアプリの中では「トータルファインダ(Total Finder)」が該当し、インストール時のみこれを解除しなければなりません。インストールしたあとはSIPを復帰できるので、システムのセキュリティが脆弱になるのはほんの一時だけなので安心です。
Macを再起動して、[command]キーと[R]キーを押し続けます。「macOSユーティリティ」が起動したら[ユーティリティ]メニューの[ターミナル]を選びます。
ターミナルが起動するので、ウ インドウ内に「csrutil disable」 と入力して[return]キーを押 します。SIPが解除されたので、 Macを再起動してからTotal Finderをインストールします。
インストール後、再びmacOSユーティリティのターミナルで「csrutil enable」と入力して[return]キーを押します。これでSIPが復帰するのでMacを再起動しましょう。