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「日本語入力」の応用

「日本語入力」の応用

【応用1】サードパーティ製の日本語入力を使ってみる

標準以外の選択肢もある

いうまでもなくmacOSには日本語入力ソフトが標準搭載されていますので、日本語を入力するために特に費用はかかりません。かつては変換効率が悪かったのですが、最近は[スペース]キーを押さなくてもかな漢字変換される「ライブ変換」が搭載されるなど、完成度はかなり高くなっています。それでもユーザからは、誤変換が多い、ライブ変換が遅い、変換キャンセルが面倒といった不満も挙がっているのも事実です。

こうした悩みを解決してくれるのが、「ATOK(エイトック)」「かわせみ」「グーグル日本語入力」に代表される、サードパーティ製の日本語入力ソフトです。これらには、変換効率の良さや推測変換の賢さ、人名・固有名詞・英単語候補の豊富さに加え、標準の日本語入力が備えない機能が豊富に用意されていて、日本語入力をより快適にしてくれます。

ただし、システムに組み込むソフトなのでOSのアップデートで不具合が起きる可能性もありますし、グーグル日本語入力以外は有償というデメリットもありますので、そこはトレードオフの関係にあります。

ATOK 2017

【開発】ジャストシステム 【価格】ベーシック通常版:9800円、プレミアム通常版:1万3800円、ATOK Passportベーシック:月額286円、ATOK Passportプレミアム:月額476円 【URL】http://atok.com/

 

定評のある純国産入力ソフト

ATOKは、日本語ワープロソフト「一太郎」から、かな漢字変換機能だけを切り取って単体販売された、歴史ある日本語入力ソフトです。ウィンドウズの世界でも当初から入力効率の良さが支持され、高いシェアを獲得しました。変換精度が高いのに加え、確定するたびに最適な推測候補を表示する機能や類義語の中から最適な表現を選べる機能、地方特有の言い回しや方言などをスムースに変換できる機能、ユーザ辞書をほかのデバイスと同期できる「ATOK Syncアドバンス」(最初の12カ月は無料)などを搭載しています。

最新の「ATOK 2017」では、ディープラーニング技術を取り入れた新しい変換エンジンを採用し、単語のつながりから文脈にそったものを推測してくれるなど、より進化しています。

数文字タイプすると表示される推測候補から、使いたいものを[tab]キーで選んで確定できます。さらに入力すると複数文節の推測候補も表示されるほか、1つ確定したあとに続く推測候補を表示する機能もあります。

WEBブラウザやメール、ワード書類など、開いているウインドウ内に含まれる単語やフレーズを、変換候補や推測候補として優先的にリストアップする機能もあります。

基本的な言葉のミス(誤用や誤読、重ね言葉)、敬語の使い方、打ち間違いをなどを指摘する機能や、難しいカタカナ語の言い換え例を提案する機能もあります。

たとえば「おねぎあします」と入力して「尾根ギアします」と確定したあと、すぐに正しく入力し直すと、ATOKはそれを学習して次からは「おねぎあします」でも「お願いします」と正しい候補を提示する機能が搭載されています。

「もっといい表現はないかな?」というとき、入力して[control]キー+[A]キーを押すと、似た表現や類義語を提示する「類語ファインダー」が開き、イメージに近い表現が見つけられます。

「半角英字」入力モードでは、英単語のはじめの数文字を入れるだけで、対応する単語を候補リストにピックアップしてくれます。また、ローマ字で日本語を入力しても、英単語が変換候補として現れます。

[control]キー+[shift]キー+[F11]キーを押すと現れる「お気に入り文書メニュー」 から、ビジネス文書やあいさつ文例などを瞬時に入力できます。よく使う定型文を自分で登録することも可能です。

「ATOK Syncアドバンス」は、ユーザ辞書、省入力データ、お気に入り文書などの環境を別のMacやWindows、スマホでも使えるサービス。12カ月無償で利用できます(ATOK Passportメンバーは継続利用可)。

ほかのMac、Windows、Androidでも使うなら、合計10台までのデバイスで使える定額制の「ATOK Passport」が便利。思い出せない言葉を入力する際に便利な「ナントカ変換」などを利用できます。

 

かわせみ2

【開発】物書堂 【価格】2160円 【URL】https://www.monokakido.jp/kawasemi/

 

Mac専用の日本語入力

かわせみ2は、2008年まで販売されていた日本語入力ソフト「イージーブリッジ」のライセンスを受けて販売されている日本語入力ソフトで、軽快動作や変換精度の高さ、安定性などが、執筆に携わるユーザに支持されています。ATOKは、PCの世界で醸成されたシステムがMacへ移植されたという経緯がありますが、イージーブリッジはMacが日本語対応する以前から存在する日本語入力ソフトです。

使い勝手も秀逸で、新語や人名地名、顔文字などを素早く入力できる専門語辞書を搭載するほか、読みを途中まで入力すると確定履歴や辞書の語句から候補を掲示したり、同音異義との使い分け情報を変換候補リストから参照できたりと、実にパワフルです。

また、ユーザ辞書やキー割り当てなどを複数台のアイクラウド・ドライブを使って複数のMacに同期することや、手書き文字認識で文字を入力することもできます。これで1ライセンス2160円はお手ごろ価格といえるでしょう。

指定した部首の漢字や、同じ部首・部品を持つ漢字を検索できます。たとえば「けものへん」と入力して、入力メニューから「部首変換」を選ぶと「?」が部首の漢字が、また、「祐」と入力して同コマンドを選ぶと「ネ」と「右」を含む漢字がリストアップされます。

入力メニューから「手書き入力」を選び、入力したい漢字をMacの画面上にマウスカーソルで手書きすると、右側に候補が現れ、お目当ての漢字を入力できます。

変換候補リストから、macOSの「辞書」でその意味を参照できるので、言葉の使い方などを確認しながら変換したいときに便利です。また、専門語辞書(人名地名辞書、医学辞書、顔マーク辞書、郵便番号辞書)からも候補を選べます。

入力メニューから「ショートカットメニュー」を選ぶと、変換時に状況に応じたショートカットキーを呼び出せます。使用頻度の低く、ショートカットキーを覚えていない機能を使うときに便利です。

ユーザ辞書、専門語辞書、キー割当ファイル、ローマ字ルールファイルなどのデータは、iCloud Drive経由で、ほかのMacと同期できます。

 

Google日本語入力

【開発】グーグル 【価格】無料 【URL】https://www.google.co.jp/ime/

 

ネットの力で日本語入力

グーグル日本語入力は、無料で使える日本語入力プログラムです。最大の特徴は、WEB上の膨大な用語を収集して辞書が自動生成され、定期的に更新されること。

これにより、珍しい人名や地名、お店の名前、難しい専門用語、流行の顔文字など、常に最新の語彙を利用できます。もちろん、よく使う単語は手動で辞書に登録できますし、ユーザの変換パターンに合わせて変換候補を表示したり、変換結果を学習して入力途中で単語を推測して変換候補に反映したりと、グーグルならではの技術が詰まった仕上がりです。

「きょう」「あした」などの読みで日付形式に変換できるほか、数字を漢数字や2進数、8進数、16進数に変換したり、文字で入れた気分を顔文字・絵文字にしたりする機能もあります。

数文字を入力するだけで、続きを推測して変換候補を掲示する「サジェスト機能」は、誤入力しても「もしかして」候補が表示されます。変換候補は3つですが「環境設定」で最大項目数を変更できます。

WEB上の膨大なデータから辞書を自動生成するため、流行語や専門用語、有名人の名前などを高い精度で変換できます。

学習機能や確定履歴、ユーザ辞書を一時的に無効にして、ほかのユーザに履歴を見られないようにできる「シークレットモード」も用意されています。

【ATOK Sync】

「ATOK Sync アドバンス」は、利用開始後12カ月は無料で利用できます(ATOK Passportユーザは無料)。Mac以外の環境で利用するには、各デバイスに対応したATOKが別途必要です。

【割引】

「かわせみ 2」は、1台用ライセンス(2160円)のほかに、3台まで利用できる「ファミリーパック」(4320円)も用意されています。複数のMacでユーザ辞書を同期しながら使いたい人にはこちらがおすすめです。