こんな傾向があったら要注意!
□(1)ストレージの空き容量が少ないと警告が出る
□(2)見慣れないエラー表示が頻発する
□(3)iCloudのストレージプランがどんどん上がる
□(4)Launchpad画面が5枚以上になっている
□(5)[ダウンロード]フォルダ内の項目数が多い
□(6)モバイル環境でも仮想マシンを活用している
□(7)Spotlight検索で同じファイルがいくつも出る
□(8)フォントメニューの表示にやたら時間がかかる
□(9)1台のMacを3人以上のマルチユーザで使用中だ
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6個以上当てはまるMacは「メタボMac」かも…?
メタボの兆候を見逃さない
スリムでスマートに見えるMacですが、使い方によってはストレージの空き容量が不足して、システムやソフトの挙動が怪しかったり、動作が遅くなる「隠れメタボ」な状態に陥っていることがあります。ユーザ本人はMacをフルに使いこなしているつもりかもしれませんが、このような不健康な状態で使い続けていれば、いずれ大きなトラブルに遭遇する確率が高まってしまいます。
最近のMacは、あとから内蔵ストレージを大容量のものに増設することはほとんど不可能になりましたので、限られた容量をどのように有効に利用するかは重要な課題です。もちろん、シエラ(Sierra)以降のmacOSではアイクラウドとの連係によってMacのストレージ容量が小さくても有効に活用できる仕組みも整いつつありますが、まずは自分がどの程度ストレージを利用しているかを把握しておく必要があるでしょう。
知らないうちに隠れメタボになってしまっているMacに特徴的な症状をまとめてみましたので、当てはまるものがあるかどうかチェックしてみてください。人間に脂肪が付きやすい部位があるように、Macにも不要なファイルが溜まったり容量が肥大しやすいポイントがいくつかあります。こうした場所を知っておくことでも、メタボMacを予防できます。
CHECK 1 まずは現状を知る
ストレージ容量を確認しよう!
ダイエットで重要なのは、まず今の自分の体重を正確に把握すること。これは、Macのストレージ管理にも同じことが言えます。「このMacについて」のシステム情報からストレージの使用状況が確認できますので、まずはここをチェックしましょう。写真が多いのか、動画が多いのか、メールが多いのかなど、ストレージを圧迫している原因についてもある程度推測することができます。また、ここで「バックアップ」のカテゴリが大きくなっている場合は、内蔵ストレージに一時保管されているローカルスナップショットが原因です。この場合はTime Machineバックアップを実行すれば解消します。
一番簡単なのはアップルメニューの[このMacについて]から[ストレージ]を確認することです。ストレージを占有しているデータの種類や空き容量が視覚的に確認できます。
Finderの[表示]メニューからステータスバーを表示しておくと、内蔵ストレージの空きやiCloudの空き容量が数字で確認できます。普段から気にしておきたい人は表示しておくのもよいでしょう。
CHECK 2 エラーで状態がわかる
いつもと違う警告が出たら危険!
ストレージの空き容量が少なくなったくらいで何を大げさな…と思う人もいるかもしれません。しかし、空き容量不足は速度の低下だけでなく日常のファイル操作やバックアップ作業にも支障を及ぼします。重要なファイルが開けなくなったり、Time Machineが正常に動作しないことで、仕事にも悪影響が出てしまいかねません。もし、これまであまり遭遇したことがないエラーメッセージが表示されるようになったとしたら、それはその機能自体の問題ではなくストレージ不足の可能性があります。空き容量をチェックして、必要な対策を取ることでこれらのトラブルを回避できるでしょう。
ファイルが開けなくなったり、アクセス権のエラーが表示されたりと普段あまり見かけないエラー表示が出始めたらMacのメタボ化が深刻な状態になっているサインです。
ストレージの空き容量が少なくなってくると、Time Machineによるバックアップも正常に行われなくなります。このような状態になってしまったら、緊急避難的に不要なファイルを削除します。
CHECK 3 隠れメタボの温床
iCloudの肥大化も要チェック!
ストレージの容量不足はMac本体だけの問題と思われがちですが、iCloudのストレージにも影響を及ぼします。特に、macOS Sierra以降はローカルストレージの空き容量が少なくなると、iCloud上に自動でデータを逃す仕組みが備わっているので、iCloud側のストレージをどんどん消費します。クラウド側で保存してくれるので、パフォーマンスの低下は起こりにくいのですが、その分ストレージのプランもアップグレードせざるを得なくなり、月々の支払額が必要以上に高くなってしまうこともあります。不要なファイルを保存していないか定期的にチェックする必要もあるでしょう。
システム環境設定の[iCloud]パネルでは、iCloudストレージの使用状況を確認できます。ストレージプランをアップグレードすれば空き容量は増えますが、その分ランニングコストは高くなります。
同じ画面で[管理]ボタンをクリックするとiCloudストレージの詳細情報が項目ごとに表示されます。あまり利用していないiOSデバイスのバックアップなど、大きなムダファイルも発見できます。
CHECK 4 Launchpadのページが多い
使わないソフトが大量にある!
Macを使っていると、ついつい新しいソフトをインストールしてみたくなるものです。ところが、インストールしているものの実際に利用するソフトはそれほど多くないケースがほとんどで、起動されないままストレージの容量を圧迫してしまいがちです。前述のシステム情報のストレージ情報で[App]と書かれている領域が実際に占有しているサイズですが、Launchpadを起動してみてソフトのページが数枚以上になっていればソフトを入れすぎているサインです。Mac App Storeからインストールしたソフトの再インストールはいつでもできますので、不要なものはなるべくこまめに削除しておきましょう。
Launchpad画面が増えてくると目的のソフトを探すことも難しくなってきます。使用頻度が低くユーザデータを保管するタイプのソフトでなければアンインストールも検討しましょう。
Mac App Storeからダウンロードしたソフトの場合は、有料ソフトであっても[購入済み]からいつでも無償で再ダウンロードできます。Mac内に使わないソフトを置いておく理由はありません。
CHECK 5 不要なデータが溜まりがち
[ダウンロード]フォルダ内の項目数が多い!
macOS Sierra以降のMacでは、ファイルを捨ててから30日後にゴミ箱を自動削除する機能が備わっています。ユーザの知らない間に肥大化してしまいがちな場所を自動で削除してくれる画期的な機能ですが、[ダウンロード]フォルダなどでは利用できないので隠れメタボの温床となりがちです。特にこのフォルダはSafariでダウンロードしたファイルの保存場所であるだけでなく、AirDropなどでファイルを受け取る場所にもなってます。放置しているとどんどん不要なファイルが溜まってしまいますので、定期的に保存されている項目数をチェックする習慣を身につけておきましょう。
不要なファイルが溜まりやすい場所の1つが[ダウンロード]フォルダです。このフォルダはiCloudストレージと同期することがなく、一定期間後に自動で削除する機能もないからです。
ダウンロードフォルダを開き、Finderの表示方法を[リスト表示]にし、さらに[サイズ]順に並び替えてみましょう。意外と大きなサイズのファイルが残っていることがわかります。
CHECK 6 目が届きにくいところで増える
モバイル環境でも仮想マシンを活用している!
あらかじめ内蔵ストレージを分割してWindowsをインストールするBootCampに比べると、仮想化ソフトは必要なだけのサイズでOSの仮想イメージが作るので効率的です。しかし、それでも1つのOSあたり数GB以上となることも珍しくありませんし、仮想マシン内でファイルが増えていけば、考えている以上にストレージを圧迫してしまいます。しかも、仮想マシンのファイルは[ホーム]フォルダ直下などといった、ユーザからの目が届きにくい場所に作られることが多くあります。Finderの環境設定でサイドバーに[ホーム]フォルダを表示する設定にするなどの対策が必要でしょう。
Mac内でWindowsなど別のOSを利用できるのが仮想化ソフトです。シーンによっては役立ちますが、OSのイメージサイズが大きく利用を続けていると仮想マシン自体のイメージも大きくなります。
仮想マシンのデフォルトの保存場所は[書類]フォルダの場合は多かったのですが、最近のMacでは[ホーム]フォルダのように表示しにくい場所に作成されることがあります。
CHECK 7 重複ファイルが溢れている
Spotlight検索で同じファイルがいくつも出る!
長い間Macを使っていると、まったく同じファイルが異なる階層に保存されていて、それがSpotlight検索によって判明することがあります。ストレージ肥大化の原因の1つとしてありがちな問題です。意図的に行っていたのであれば問題ありませんが、知らず知らずのうちにそうなっているのであれば「重複ファイル」とみなすことができます。システム情報のストレージ管理機能では、サイズの大きなファイルを探すことが可能ですが、このような重複ファイルは探すことができません。その場合は、サードパーティ製の重複検出ツールを利用して不要なファイルを探し出し、削除しておきましょう。
Spotlight検索をした際に、同じファイルが複数結果に表示される場合は重複ファイルが発生しているシグナルです。システム標準の機能では重複ファイルを探す機能はありません。
「Gemini 2」( 【開発】MacPaw Inc. 【価格】2400円 【場所】Mac App Store>ユーティリティ)などを使えば、重複ファイルを発見しストレージ容量の節約に役立てられます。
CHECK 8 フォントが足かせになる
フォントメニューの表示にやたら時間がかかる!
ワープロソフトや画像編集ソフトなどでフォントメニューを表示しようとした際に、なかなかフォントが表示されなかったり、メニューの移動に時間がかかることがあります。こうした現象に遭遇したら、多くの場合ユーザが追加したフォントが原因だと考えられます。特に、容量の大きな日本語フォントを大量にインストールしていたりすると、この傾向はより顕著となります。また、フォントのインストール場所は数カ所ある関係で、ユーザ追加フォントが重複することもあります。こうした重複フォントの問題を解消しておくと、容量の節約だけでなく表示トラブルの改善にもつながります。
ソフトのフォントメニューが表示されるまでに時間がかかったり、メニューのスクロールに時間がかかる場合は、フォントが多すぎるか破損しているなどトラブルの可能性があります。
「Font Book」を起動して[編集]→[使用可能な重複項目を検索]を選ぶと重複しているフォントを手動または自動で削除することができます。
CHECK 9 共用Macの落とし穴
1台のMacを3人以上のマルチユーザで使っている!
1台で複数のユーザアカウントを管理できるのはMacのよさの1つで、家族で共用するような場合には大変役立つ機能です。しかし、自分がログインしている環境で容量を節約していても、ほかのユーザが大量のファイルをダウンロードしていたりすると、気がつかない間にストレージの残り容量が少なくなっていることがあります。厳密な基準はありませんが、特にストレージ容量の小さめなモバイルMacでマルチユーザ機能を利用する場合には、不必要にユーザ数を増やさないように気をつけたほうがいいでしょう。なお、各ユーザのホームフォルダ自体は、作成された段階では、ほとんど容量を消費しません。
ログイン画面にユーザが多数表示されている場合、それぞれのユーザがストレージの容量を使用しているので、いきなり容量不足に陥る可能性もあります。
ユーザの管理はシステム環境設定の[ユーザとグループ]パネルから行います。必要のないユーザがあった場合は削除しておきましょう。