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Macの画面共有で「親サポート」を極める

著者: 栗原亮

Macの画面共有で「親サポート」を極める

離れた場所にいる両親にMacの使い方を教えたい。簡単なようでいて難しかった「親サポート」をもっと簡単に行えるツールがありました。

遠隔でMacの使い方を教える

本誌の読者は当然のようにMac好きが多いので、家族や親しい友人もMacユーザという場合が多いのではないでしょうか。それは喜ばしいのですが、「ソフトの使い方がわからないので教えてくれ」とちょっとしたサポートセンター代わりに頼まれたという経験はないでしょうか。

これが同居している家族や近場の友人であれば直接教えればよいのですが、遠方に住んでいる両親のサポートともなると難易度が飛躍的に上がります。電話など音声だけでは「四角い枠が表示されていますか? その左上に赤いボタンがあるのでそこをクリックして…」のようなまさに二階から目薬状態になってしまいます。

このような「親サポート」の解決策の1つとして考えれるのは「画面共有」の機能を使うことです。以前は標準ソフトにあった「iChat AV」にこの機能があったのですが、現在の「メッセージ」や「フェイスタイム」にはこの機能がありません。また、標準機能の画面共有機能は基本的にLAN内で使うものなので、インターネット経由で画面共有するにはアイクラウドの「どこでもMy Mac」を使う方法があります。ただし、これはあくまでも自分のMac同士で使う機能なので状況によってはNGです。

スカイプで意外な落とし穴

仕方なくiPhoneのフェイスタイムで相手のMacとビデオ通話しながら、自分のMacの画面をカメラで写しながら説明するという我ながら面倒くさいことをしばらくしていましたが、どうやら「スカイプ」にも画面共有機能があり、しかもデスクトップ共有とソフト共有が選べるということがわかりました。

これであれば、エクセルの説明をするときはエクセルのウインドウだけを相手の画面に表示できるなどの利点があります。しかし、実際にはそう簡単にはうまくいきませんでした。なぜなら、相手が普段からスカイプを使い慣れている人でなければ、この画面共有機能に辿り着くことすら難しいことがわかったからです。まるで缶切りが缶詰めの中にあるような状況。あらかじめ直接現地で設定しておけばたいへん便利な機能です。

(1)自分のMac同士で画面共有を行うには、まず共有したい側(ホスト側)のMacのシステム環境設定で[共有]パネルから[画面共有]を有効にしておきます。

(2)iCloudを利用している場合は[iCloud]パネルで[どこでも My Mac]も有効にしておきましょう。こうすることで外出先からでもそのMacにアクセスできます。

(3)共有したい側のMac(ゲスト側)でFinderのサイドバーにある[共有]から接続したいMacを選んで[画面を共有]をクリックします。次にユーザ名とパスワードを入力して[接続]をクリックします。

(4)クライアント側にホスト側のMacのデスクトップが表示されます。ここで遠隔操作することもできますが、この機能はあくまで自分のMac同士の接続なので、同居する家族はよくても別世帯の「親サポート」のようなシチュエーションで用いるのは困難でしょう。

(5)定番のメッセンジャーソフト「Skype」にも画面共有機能があります。ビデオ通話を開始した状態で[+]ボタンをクリックし、[画面共有]をクリックします。

(6)するとデスクトップまたはソフトのウインドウを共有するメニューが出るので選択します。これはデスクトップを共有した場合の画面です。

Skype

【開発】Microsoft

【価格】無料

【URL】https://www.skype.com/ja/

 

軽量・高機能なZOOMで画面を共有

スカイプ以外の選択肢

前ページでデスクトップやソフトの画面共有機能をスカイプで利用する方法を紹介しました。あらかじめ相手側のMacにきちんとスカイプの設定がしてあれば問題は少ないのですが、初回はスカイプをダウンロードしてインストールし、さらにマイクロソフトアカウントの取得と設定といった手間が必要です。さらに、いざビデオ会議や画面共有を開始する際に相手にスカイプを起動してもらう段階で余計な時間を取ったり、相手がパスワードを忘れてしまって先に進めないといったトラブルも起こりがちです。

そこで、より簡単にビデオ会議や画面共有をできるソフトはないかと思っていたところ、「ズーム(ZOOM)」というソフトがあることを知りました。

シンプルだが奥が深い

ズームはセミナーなど大人数向けに利用するには月額課金が必要ですが、1対1のビデオ通話や画面共有は無料アカウントのまま使えるので「親サポート」にはまさにピッタリです。

開始方法も簡単で、ビデオミーティングを作成したら招待メールを相手に送り、そのリンクをクリックしてもらえば相手が自動的にミーティングに参加した状態になります。

接続したらそのままビデオ会議で会話を開始してもよいですし、[画面の共有]ボタンをクリックして、ホスト側のウインドウを相手の画面に表示して遠隔で操作などを説明できます。ホワイトボード機能やiPhoneやiPadの画面を相手に送ることもできるのでさまざまなシチュエーションでの応用も可能です。

標準設定の画質はそこまで高くはないのですが、ネットの通信状態が比較的よくない場所でも途切れることなく接続できました。これはスカイプと比べても安定感がある印象です。

そのうえビデオ会議の内容は録画できるので、あとで伝えたい内容を録画映像でチェックしてもらうことも可能です。もちろん、ある程度スキルがある人であればスカイプでも構いませんが、Macの操作にあまり慣れていない相手へのサポートであれば、ズームは威力を発揮することでしょう。

ZOOM

【開発】Zoom Video Communications, Inc.

【価格】1対1ミーティング無料、プロプラン月額14ドル99セント

【URL】https://zoom.us

(1)ZOOMを初めて使う際にはメールアドレスで無料のサインアップをします。アカウントを登録するとインストーラがダウンロードされるので実行します。

(2)ZOOMの基本画面です。[招待]ボタンからメールでミーティングへの参加するアドレスが通知されます。受け取った相手はリンクをクリックすることでビデオ会議に参加できます。

(3)[画面の共有]をクリックすると、デスクトップだけでなく現在開かれているソフトのウインドウを選んで共有できます。また、ホワイトボードの共有やiPhoneやiPadの画面も共有できます。

(4)ここではシステム環境設定のウインドウを共有してみました。この状態でホスト側で操作すると、その画面が接続したゲスト側に送られます。

(5)ゲスト側ではホスト側が共有したウインドウが表示されています。この機能を使えば、遠隔で操作方法の説明などが可能になります。

(6)そのほか、画面共有ではありませんがビデオ会議の様子をレコーディングしておいてミーティングを終了すると、動画が保存されます。ビデオメッセージとして送りたい場合などに利用できます。

MacとiOSデバイスの画面共有もできる

ここではMac同士の画面共有をご紹介しましたが、ZOOMにはiOSアプリ版もありますのでビデオ会議や画面共有、ホワイトボード共有機能などをMacとiOSデバイス、またはiOSデバイス同士でも行えます。「親サポート」ではありませんが、社内で新しいソフトの使い方などのレクチャー動画を共有したりといった用途に使えます。また、ミーティングのスケジュール機能があり、iCloudのカレンダーやGoogleカレンダーに定期のミーティングを入れられます。こうした機能も利用してみましょう。

ZOOM Cloud Meetings

【開発】Zoom 【価格】無料

【場所】App Store>ビジネス

MacのデスクトップやウインドウをiPhoneやiPadの画面に表示できます。