なんだかバッテリの減りが速いなぁ…
iPhoneの動作時間を延ばしたい!
電力消費を抑える
iPhoneは、設定を変更したり、ちょっとした工夫によって電力の消費を抑え、バッテリ駆動時間を延ばすことが可能です。
比較的消費電力が大きいのは、ディスプレイやプロセッサ、そしてブルートゥースやWi-Fi、3G/LTEなどの通信機能です。iOSにはこれらの消費電力を低減するための仕組みが豊富に用意されており、ユーザの使い方に合わせて最適な設定が選択できます。多くの設定は特定の機能を停止したり、その機能の制限を行うことで消費電力を抑えるので、自分にとって重要な機能とそうでない機能を見極め、利用状況に応じた設定を行い、消費電力を低減させましょう。
使用頻度の低い機能を複数組み合わせて制限することで、より多くの電力が節約できるので、これを機にiPhoneやiPadの電力設定を見直してみることをおすすめします。
低電力モードを有効にする
iOS 9から実装された機能「低電力モード」を利用すると、メールの自動取得、Hey Siri、アプリの自動更新、自動ダウンロード、一部のビジュアルエフェクトなどの機能が停止され、バッテリ消費が低減されます。
フェイスダウン機能を使う
こちらもiOS 9から追加された機能で「iPhoneの画面を下向けに置く」だけで、通知が届いた場合にディスプレイが表示されず消費電力が抑えられます。iOS 9以降を搭載したiPhone 5s以降のiPhoneでのみ有効です。
アプリとその処理を管理する
起動しているアプリやバックグラウンドで動作しているアプリのうち、「設定」アプリの[バッテリー]画面にはアプリごとの電力消費の割合が表示されます。消費電力の大きなアプリを終了することで、バッテリ消費を抑えられます。
通知機能をオフにする
通知機能は便利な機能ですが、通知のたびにディスプレイをオンにするため、バッテリ消費が大きくなりがちです。「おやすみモード」をうまく設定することで、iPhoneに届く複数の通知を一括して停止することができます。
こまめな充電が効果的!?
バッテリ寿命を長持ちさせたい!
使い切るのはよくない!
リチウムイオンバッテリは充電して再利用が可能な二次電池の代表ですが、ほかの二次電池と同様に劣化に伴う寿命があります。バッテリの充電容量は充電を繰り返すほど減っていき、最終的に充電ができなくなり寿命を迎えます。
充電時の状態や利用状況などによってバッテリ寿命は大きく変わってきます。中でもバッテリを充電するタイミングは重要です。一般的にバッテリを使い切った状態を放電深度100%と呼び、そこから100%(充電完了)まで充電するのが満充電です。リチウムイオンバッテリは放電深度が高ければ高いほど充電サイクル寿命が短くなります。つまりiPhoneやiPadのバッテリはぎりぎりまで使い切るのではなく、ある程度減ったらこまめに充電するほうが結果としてバッテリを長持ちさせることができます。
充電時や使用時の温度も重要です。リチウムイオンバッテリの使用推奨温度は0~35℃で、温度が高ければ高いほど充電サイクル寿命が短くなります。特に急速充電時はバッテリ自体もかなり発熱するため、周辺温度が高いとより大きなダメージを受けます。また、0℃以下の低温時の充電はリチウム金属が電極に析出するリスクがあるため、充電は危険です。常温に(結露しないように)十分時間をかけて戻してから充電を行うようにしましょう。
放電深度を深くしない
バッテリをぎりぎりまで使い切ってから充電を行うと、充電サイクル寿命が短くなります。また同じ放電深度であれば充電量が大きいほどダメージが大きくなるので、充電を80%程度で止めるのもバッテリ寿命には有効です。
高温時または低温時に充電しない
リチウムイオンバッテリは高温で使用したり充電すると速く劣化が進みます。特に充電時はバッテリも発熱するので温度管理に注意が必要です。スマホケースに入れたまま、あるいは高温になった車内(室内)などで充電するのは控えましょう。
充電しながら使わない
アプリの使用時はプロセッサや電源回路などの発熱によってiPhoneの内部温度が上昇するため、充電しながらの使用はできるだけ避けるべきです。特に急速充電時はバッテリ自体もかなり発熱するので、使用は極力控えましょう。
放電状態で放置しない
リチウムイオンバッテリは残量が少ない状態で長期間放置すると過放電と呼ばれる状態になり、バッテリに致命的なダメージを与えます。2カ月以上使わないときは、50%程度まで充電してから保管することをおすすめします。しばらく使用していなかった機器のバッテリが膨らんでいることがありますが、これは多くの場合、過放電によるバッテリの劣化が原因です。この状態で充電を行うのは非常に危険なため修理(バッテリ交換など)が必要です。
時間がないときに助かる!
iPhoneを急いで充電させたい!
より速く充電したい
急速充電は、より大きな電力(電流)を供給できる電源(USB電源アダプタやモバイルバッテリなど)と、その電流を扱えるライトニングケーブルを揃えることで高速にバッテリを充電できる機能です。たとえばiPhoneを充電するとき、より電流を供給できるiPad付属のUSB電源アダプタを使えば、iPhone付属のUSB電源アダプタに比べて、かなり高速に充電を行うことが可能です。モバイルバッテリなどでも同様に、出力電流が大きければ急速充電が可能です。
ただし急速充電はバッテリへのダメージが大きい充電方法です。バッテリへの充電を制御する電源回路やバッテリ自身の発熱量が大きくなり、バッテリ内部の電解質の劣化が通常の充電時に比べて速く進行します。急速充電を多用すると充電サイクル寿命が短くなり、1回の充電で蓄えられる電力も急速に少なくなっていきます。従って急速充電は緊急時の機能と考え、日頃の充電にはなるべく急速充電を使わないようにしたいところ。
また、満充電の必要がなければ、80%未満で充電を打ち切るのも有効な手です。というのも、急速充電が行われるのは定電流充電方式で充電しているときだけで、充電量が80%を超えて定電圧充電方式に切り替わると、そこから先の充電時間はほとんど短縮されないためです。
急速充電の仕組み
iPhoneには急速充電機能が備わっており、より強力な電源とケーブルを使うことで充電時間を短縮できます。これは定電流充電時の電流を大きくすることで、より大きな電力を短時間にチャージすることで実現されます。
鍵は電源と充電ケーブル
急速充電を実現するには、より大電流を供給できる電源アダプタとライトニングケーブルが必要です。iPad付属のUSB電源アダプタとライトニングケーブルはこの条件を満たしており、アップルストアから単体購入することもできます。
急速充電時の注意点
急速充電中は大電流が流れる関係で充電回路やバッテリ自身が発熱し、iPhoneがより高温になります。充電中の内部温度を少しでも抑えるため、暑い場所での充電は極力避けると同時に、充電中のiPhoneの使用は控えるべきです。なお、左のような画面が表示された場合は速やかに充電ケーブルを外し、iPhoneの電源を切って涼しい場所において様子を見ましょう。間違っても冷蔵庫の中などで急速に冷却してはいけません。iPhone内部で結露が発生して故障の原因になったり、バッテリを傷める原因になります。
急速充電はあまり多用しない
急速充電は緊急時に重宝する機能ですが、通常の充電方法に比べてよりバッテリを傷めます。そのため、急ぐ必要がない場合はできるだけiPhone付属のUSB電源アダプタを使用し、ここぞというところで急速充電を使うようにしましょう。
最終的にどうしようもなくなったら…
バッテリを交換・廃棄したい!
困ったら交換が吉
iPhoneやiPadのバッテリが劣化し日常的な使用に耐えない状態になった場合、バッテリを交換して再利用するか、あるいは新機種に乗り換えるか、いずれかの方法があります。アップルではそれぞれのケースにも対応するサービスを用意しています。
iPhoneのバッテリを新品に交換する場合、アップルでの修理サービス料金は7800円(税別)となっています。ただしアップルケア+(プラス)に加入している期間中にバッテリ容量が本来の80%未満に劣化した場合には、無償交換の対象となります。しかし、バッテリ以外の本体に不具合がある場合の修理サービス費用は別途かかることがあるので、故障かどうかの見極めは大切です。同様のサービスを独自に行っている業者もありますが、交換用バッテリの品質や交換後のトラブルへの対応を考えれば、アップルにまかせるのがもっとも安心できます。
また、新機種に乗り換えて不要になったiPhoneはアップルのリサイクルプログラムを利用して処分するとよいでしょう。特にリチウムイオンバッテリに採用されている希少金属のコバルトやリチウムは再利用が可能な貴重な資源であると同時に、バッテリ自体も破損による発火や発煙のリスクが高いため、メーカーに対して安全にリサイクルするように義務づけられています。
バッテリ交換の目安
充電しても実用的なバッテリ駆動時間が得られなくなったり、USB電源アダプタを接続しても充電できなくなった場合はバッテリの寿命です。図はバッテリ診断アプリ「Battery Life」でバッテリの摩耗を確認した様子です。
膨らんだ電池は使用厳禁!
バッテリを酷使したときや外部から衝撃などを受けたとき、あるいは長期間使用しなかった場合など、バッテリが膨張することがあります。この状態で充電したり使用すると最悪の場合、発煙や発火の危険性があります。
アップルのバッテリ交換サービス
バッテリの寿命かな?と思ったら、念のためにアップルのサポートページで「対処法」を確認してみましょう。それでも改善されない場合には、iPhone(iPad)「バッテリーサービス」を利用することでバッテリ交換が可能です。【URL】https://support.apple.com/ja-jp/iphone/repair/battery-power
iPhoneやiPadを処分する方法
iPhone、iPod、アップルウォッチは専用のリサイクルプログラムに従い、アップルストアに持ち込むことで無償で再資源化されます。一方、iPadは「PCリサイクルマーク」付きノートパソコンとしてリサイクル処理されます。【URL】http://www.apple.com/jp/recycling/ipod-cell-phone/