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全方位、死角なし!新世代iPhone 7の実力を体感しよう?

全方位、死角なし!新世代iPhone 7の実力を体感しよう?

[ホームボタン]タプティックエンジン搭載で信頼性が向上

頑丈で正確な操作が可能に

iPhoneのデザインを象徴するパーツの1つとして、本体前面の液晶ディスプレイ下に配置された丸いホームボタンがあります。このホームボタンは初代iPhone以来、指で押すと沈み込むクリック式の機構が採用されていました。

iPhone 7/7プラスでは、MacBookのトラックパッドやアップルウォッチで採用実績のある感圧式センサの技術を応用した「ソリッドステートボタン」を新規採用しています。新しいといっても外観やボタン操作、指紋認証のタッチIDの機能などはこれまでと大きく変わりません。

この新しいホームボタンは物理的に沈み込む動きはせず、指の圧力に応じてユーザにクリック感をフィードバックする「タプティックエンジン」と連係しているのが特徴です。このタプティックエンジンは、センサの感知から駆動までの起ち上がりが高速なリニアアクチュエータを振動させる、いわば擬似的にクリック感を認識させるメカニズムとなっています。

また、この触覚フィードバックの強さは設定で3段階から選択できるほか、同機能をサードパーティが利用できるようにAPIも公開されていますので、今後iPhoneで触覚を利用したアプリが登場することでしょう。

ホームボタンの基本操作は変わらないのですが、機構の変更に伴って細かな部分で変更もあります。それは、これまでホームボタンをタッチIDで指紋登録した指先で触れればスクリーンロックの解除ができていたのですが、iOS 10からはロック画面に「ホームボタンを押してロックを解除」というメッセージが表示されるようになりました。つまり認証後、ボタンを指で押さなくてはならなくなったのです。これはiOS 10にアップデートした前モデルのiPhoneでも同様で、操作感の違いに最初は少しだけ戸惑うかもしれません。気になる人は「設定」アプリで元の設定に変更できます。

しかし、感圧式のホームボタンはそうした違いを上回る大きなメリットをもたらしてくれます。従来のクリック式ボタンでは物理的に動作する部品の強度の問題から、一部のモデルでは高頻度に使っていると故障が発生するなどのトラブルが指摘されることもありました。その点、感圧式では本体に固定されているため強度が高く、誤動作を引き起こす可能性が下がりました。

また、指の押し方の個人差についてもソフト的に設定変更できるようになったことで、操作の確実性も向上します。これまでよりも頑丈で正確な操作が可能になったのです。

●ソリッドステートボタンへの進化

従来のクリック式のホームボタンから、感圧式のソリッドステートボタンへと変更されました。駆動部品がなくなったため、耐久性が向上して故障の危険性が低くなりました。

 

●クリック感はタプティックエンジンで

指で押した強さを検知する圧力センサが搭載され、高速なリニアアクチュエータの動きで触った感覚を振動でフィードバックするタプティックエンジンを歴代iPhoneで初めて採用しました。

 

●触った感覚はカスタマイズ可能

触覚フィードバックの強さは「設定」アプリの[ホームボタン]から3段階で調節できるようになりました。

 

●指紋認証のタッチIDも内蔵

ボタン部分は沈み込まないようにパネルの裏側部分でしっかりとネジで固定されていますが、部品モジュールとしては独立している構造です。指紋認証のタッチIDも内蔵されるなど高度な機能を持っています。

 

[耐水・防塵]「防水」ではなく「耐水」という点に注意

規格外の利用には注意が必要

iPhoneも10世代目にして初の本格的な耐水・防塵性能が備わりました。これにより突然の雨に降られたり、うっかり洗面所に落としたりしても故障してしまう危険性が大幅に下がりました。ただし、「防水」ではなく「耐水」と表記されている点については正しく理解しておきましょう。

iPhone 7/7プラスはIEC(国際電気標準会議)規格(IEC60529)に基づいた電子機器の外装保護特性で「IP67」の基準を満たすと記載されています。これはJIS規格の保護等級7級の「防浸形」とほぼ同水準で、防水性能だけを示したIEC規格では「IPX7」のように表記されることもあります。

一般的にはJIS保護等級3級以上は「防水」製品(4級未満が「生活防水」)とみなしても構わないというメーカー慣行がありますが、いずれの等級テスト環境も厳密には条件が課されています。たとえば、IPX7であれば「常温の水道水で、水深1メートルの静水に沈めて30分間放置しても内部に浸水がなく、性能を保持できる」のように定められています。つまり、海でダイビングすれば水深の基準を超えることもありますし、真水でもありません。風呂や温泉などは常温を超える環境です。また、川遊びでは流水を浴びるため、静水という条件を満たしていません。水中にある状態で操作した場合も想定していません。

もちろん、これらは等級の基準を示す条件であり、実際にこのような環境で利用したからといってすぐに壊れるとは限りません。メーカーの中にはIPX7の検査基準を超えた状況でも問題なく利用できることを示すために独自に「IPX8」を呼称する製品もあるほどです。アップルではトラブルやクレームを避ける意図があるのか「水中での利用は保証しない」のように明記していますが、水やホコリが侵入しにくいような構造になっているのは事実です。ユーザがこれまでより安心して利用できることには変わりありません。

●iPhone初のタフネスモデル

防沫・耐水・防塵性能が初めて明記されたiPhoneとなりました。本体が濡れた状態での充電はできないなど注意を要するシチュエーションはありますが、これまでよりもアクティブに利用できるのは間違いありません。

 

●耐水・防塵性能の規格を知る

iPhone 7/7プラスでは「IP67等級」と明記されています。この数字の6は「粉塵が内部に侵入しない」ことを示し、7は「水深1メートルで30分間没しても水が浸入しない」ことを示しています。日常的な環境ではこれを上回る状況も起こりえます。

 

●シーリングは万全

スピーカグリルのような開口部や、音量ボタン、スライドスイッチなどはわずかな隙間があるため水が浸入しやすい場所です。ケースを分解すると、これらの部分には黒いゴム状の素材を密着させて保護されていることがわかります。

 

●SIMカードスロットも死角なし

ナノSIMカードスロットのトレイ部分にも耐水用のパッキンが張り巡らされています。日常的な用途であれば、ほぼ問題なくホコリや水しぶきなどから耐えうる性能を持っています。

 

[ディスプレイ]25%明るくなった画面。色再現性もより精確に

より明るく、より鮮やかに

iPhone 7/7プラスに搭載されているレティナHDディスプレイは、サイズや解像度といった基本スペックが前モデルと大きく変わりません。デュアルドメインピクセルのIPSパネルといった方式、指の圧力を検出して触覚をフィードバックする3Dタッチといった機構も変わらず搭載されています。

しかし、そのパフォーマンスは従来より大きく改善されており、特に注力しているのはディスプレイの表示品質です。コントラスト比はiPhone 7で1対1400、7プラスで1対1300と前モデルから据え置きですが、バックライトの改良により輝度はそれぞれ500カンデラ/平方メートルから625カンデラ/平方メートルと25%アップ、屋外での撮影などでも外光の影響を受けにくくなり、撮影した写真やビデオのプレビューが見やすくなります。

また、色再現性も従来のsRGBよりも広色域なデジタルシネマのスタンダード規格である「DCI-P3」に準拠し、iMacや9.7インチのiPadプロと肩を並べました。

基本性能が向上して、これまでより明るく色も精確で鮮やかに表現できるようになったことから、写真やビデオの撮影や閲覧、ビジュアル素材の編集といったさまざまなシーンが快適になるのは間違いありません。

●進化したレティナHDディスプレイ

ディスプレイ自体の基本スペックは前モデルと変わらず、iPhone 7が4.7インチ(1334×750ピクセル)、iPhone 7プラスが5.5インチ(1920×1080ピクセル)のレティナHDディスプレイですが、大きな改良が加えられています。

 

●デジタルシネマ規格のP3に対応

最大輝度は前モデルが500カンデラ/平方メートルであったのに対して、625カンデラと明るくなり、色域も従来のsRGBより広い「DCI-P3」に準拠。より鮮やかな色彩を表現できるようになりました。【URL】http://cweb.canon.jp/camera/picturestyle/editor/images/b1-d-img-1.jpg

 

●3Dタッチが深いレベルに浸透

触覚フィードバック機能の3Dタッチは前モデルに引き続き採用されていて、指先のタップだけでなくプレスでもさまざまな操作を実現できます。iOS 10ではよりシステムの深くまで3Dタッチが用いられ、アプリでの応用範囲が広くなっています。

 

●広色域はRAWフォーマットに威力を発揮

iOS 10ではRAWデータの撮影が可能になったので、DNGファイルに対応するアプリであれば画像を劣化させずに繊細な補正が可能となります。そうした編集の際に広色域のレティナHDディスプレイの効果を実感しやすいでしょう。

 

[プロセッサ]性能と効率を両立させた次世代プロセッサを搭載

矛盾する課題を解決

iPhoneに限った話ではありませんが、モバイルデバイスには方向性がまったく異なる2つのプロセッサ性能が要求されます。1つは画像や映像などを高速に計算処理する性能で、一般的に高性能になるほど消費電力は大きくなります。もう1つは長いバッテリ駆動を実現するための省電力性能。基本的に性能向上と省電力はトレードオフの関係にあります。

iPhone 7/7プラスではこの矛盾する課題を解決するアプローチとして、高性能2コアと高効率2コアを搭載する新チップ「A10フュージョン」を開発・採用しました。

CPU性能で2世代前のA8チップからは約2倍の高速化、1つ前のA9チップからも50%高速化を実現するなど、パフォーマンスが向上しているのは確実です。内蔵GPUの設計も改められ、性能は向上しつつも高効率コアを使った処理では消費電力を5分の1に抑えるなど普段の利用でバッテリ切れを起こしにくい対策が採られています。

また、プロセッサの性能を引き出すためにはメモリ容量も重要です。iPhone 7プラスでは前モデルの2GBから3GBにアップされていて(iPhone 7は2GBのまま)、これはデュアルカメラとフェイスタイムHDカメラの性能向上に対処するための容量アップであると推測されます。

●独自の4コアA10フュージョン

まったく新しいアーキテクチャのA10フュージョンチップは、高速な処理性能をもつコアが2つと低消費電力で効率性の高いコアが2つの計4コア構成となっています。M10コプロセッサが組み込まれ、Siriの常時起動やフィットネスデータのトラッキングが可能です。

 

●処理能力は過去最高レベル

2世代前のA8チップに比べて処理能力で最大約2倍、新設計のGPUはグラフィックス処理で最大約3倍のパフォーマンスを発揮するA10フュージョン。ギークベンチのスコアなどと総合すると、9.7インチのiPadプロに搭載されたA9Xよりも高性能とみられます。

 

●省電力性能は最大5分の1に

高効率コアの消費電力は高性能コアの5分の1となっていて、この2種類のコアを組み合わせてパフォーマンスを下げずに駆動時間を伸ばす工夫がなされています。バッテリの容量アップと合わせて、これまでのiPhoneでもっとも長い駆動時間を実現しています。

 

●7プラスのメモリは3GBに

iFixitの分解レポートによると、iPhone 7プラスに搭載されていたのはサムスン製で3GBのLPDDR4。iPhone 6sプラスの2GBから容量がアップしたことで画像処理なども快適になるでしょう。一方、iPhone 7のメモリ容量は2GBのままとなっています。