【常識1】見やすさを優先させるなら
解像度を下げて視認性を上げるべし!
Macの画面で長い文章を読むと、目が疲れてしまいますよね。原因として、「ディスプレイが垂直に近いため」「ディスプレイが明るすぎるため」といったものが考えられますが、「印刷物と比べて解像度が粗い」というのも大きな原因の1つではないでしょうか。
また、多くのWEBサイトはテキストの読みやすさをあまり考慮しておらず、頻繁に表示倍率を変更している人も多いでしょう。常に大きいフォントにしていれば読みやすいのですが、そうすると今度はナビゲーションバーなどの一部が切れてしまったり、不都合なことが多いのも事実です。
これには最適解と呼べるものがありませんが、解決策として「ディスプレイの解像度を下げる」という方法を覚えておくとよいでしょう。表示できる情報量を減らす代わりに要素を大きくすることで見やすさを優先させられます。
液晶ディスプレイは、以前はディスプレイの物理的な解像度に設定しないと表示が汚くなったものですが、OS Xエルキャピタンではいくらか滑らかに表示させることができます。特に、27インチ以上の大型ディスプレイを距離を置いて使っているなら、デフォルトの解像度よりも1段階下げたほうが確実に視認性はアップするでしょう。
さらに、ディスプレイが広すぎてカーソルをよく見失う人は、カーソルそのものを拡大してみましょう。そのほか、ファインダウインドウ内のファイル名やサイドバーのテキストサイズも大きくすることができます。ファインダウインドウは[表示オプション]から、サイドバーの設定はシステム環境設定の[一般]パネルから設定してください。
(1)システム環境設定の[ディスプレイ]パネルで[解像度]を[変更]にすると、解像度を変更できます。
(2)レティナディスプレイを採用したMacの場合、標準では数値指定で解像度を変更できません。[デフォルト]よりも左側に設定すると、文字が拡大されて見やすくなります。レティナディスプレイでは、どの設定でもシャープに表示させることができます。
(3)ディスプレイが広すぎてカーソル操作がしづらい場合には、[アクセシビリティ]パネルで[カーソルのサイズ]を大きくするとよいでしょう。
(4)サイドバーの大きさは、システム環境設定の[一般]パネルのプルダウンメニューから大中小の3段階から選べます。
【常識2】「マイファイル」が使いにくいなら
任意のフォルダに変更すべし!
最近使ったファイルなどをリアルタイムで検索して表示する「マイファイル」ですが、「使い勝手が悪い」という声をよく耳にします。そういう人にとって、ファインダで新規ウインドウを出すたびに「マイファイル」が表示されるのは少々煩わしいでしょう。
実は、新規ファインダウインドウで最初に表示されるフォルダは、ファインダの[環境設定]にある[新規Finderウインドウで次を表示]で変更することができます。プルダウンメニューから[その他]を選び、よく使うフォルダに変更しましょう。
また、[書類]や[ダウンロード]などにはそれぞれショートカットキーが割り当てられています。これを覚えてしまえば、新規ファインダウインドウを出す手間も省くことができ、さらなる効率化が図れます。このショートカットキーは覚えるのも簡単で、[シフト]キー+[コマンド]キーと各フォルダの頭文字が使われている場合がほとんどです。たとえば、[デスクトップ]を開きたい場合は、[D(Desktop)]キーを押します。
(1)フォルダ階層に依存しない「マイファイル」は、Macに限らずコンピュータを長く使っているほど使いにくい機能かもしれません。
(2)[新規Finderウインドウで次を表示]のプルダウンメニューから[その他]を選び任意のフォルダを選びましょう。
(3)ファインダの[移動]メニューにあるショートカットキーを覚えるとさらに効率的です。例外である[ダウンロード]や[書類]などを除けば、各フォルダの英語表記の頭文字が使われています。
【常識3】Macだけで使うボリュームは
ファイルシステムをHFS+にしておくべし!
OS Xは、多くのファイルシステムに対応しています。具体的にいうと、OS Xの起動ボリュームでは「HFS+」が必須となっていますが、ウィンドウズで標準の「NTFS」も認識可能です。さらに、昔のウィンドウズで使われていた「FAT32」もサポートしており、NTFSは書き込み不可なのに対し、FAT32は読み書き可能です。
ユーザがファイルシステムを意識せずに周辺機器を扱えるため、外付けハードディスクをFAT形式のまま使っている人もいるかもしれません。
しかし、FAT32やNTFSのボリュームをタイムマシンのバックアップディスクに設定しようとすると、「サポート外なので消去しますか」といった内容のダイアログが表示され、バックアップを取ることができません。
つまり、HFS+以外のファイルシステムをMacで使うと、さまざまな弊害が生まれてしまいます。Macだけで使うボリュームはHFS+にしておくべきでしょう。
ファイルシステムを変更するには「ディスクユーティリティ」を使えばOKです。ただし、ファイルシステムを変えると内容はすべて消去されるので、すでにファイルを書き込んでいる場合は別のボリュームに移動しておきましょう。
なお、2TB以上のボリュームをMacとウィンドウズで共有したいときは「exFAT」というファイルシステムもあります。フラッシュメモリ向けにFAT32を拡張した規格で、NTFS並みのキャパシティを実現しています。
(1)これらのファイルシステムは、それぞれOS Xとの互換性を持っていますが、NTFSだけは書き込み不可です。また、タイムマシンのバックアップディスクとして設定できるのはHFS+のみです(※1EB(エクサバイト)=100万TB(テラバイト))。
(2)HFS+ではないボリュームをタイムマシンバックアップディスクに設定しようとすると、このようなダイアログが表示され消去を求められます。
(3)HFS+ではないボリュームは、タイムマシンのバックアップ対象から除外されます。
(4)ファイルシステムを変更するにはディスクユーティリティを使って、該当するボリュームを選んで[消去]をクリックし、[フォーマット]を任意の形式に変えてから[消去]をクリックします。
【Mac Fanの新常識】復元システムの役割や名称を理解しよう
2011年のOS XライオンからOS Xの提供がMacアップストア経由になりましたが、従来の光学式メディアによる販売がなくなったため、Macには緊急時に備える復元システムが用意されています。これは起動ディスクの一部に作られた隠しパーティションで、当初は「Recovery HD」という名前がスタートアップマネージャに表示されていました。
しかし、現在はスタートアップマネージャに復元システムのパーティションは表示されません。呼び出し方も電源を入れてから[コマンド]キー+[R]キーを押し続けるように変更されています。
このように画面上に名前が出ないためか、「リカバリ領域」「システム復旧領域」「リストア領域」などといった俗称が多く存在し、初心者が混乱する原因となっています。
実はアップル自身も表現を統一しておらず、公式WEBサイト上でも「OS X復元」「復元システム」「復元用HD」「復旧ディスク」などの表現が混在しています。本誌でも復旧パーティションなどと表現していましたが、本連載では「復元システム」と呼称します。
復元システムに含まれる「OS Xユーティリティ」では、タイムマシンバックアップからの復元やOS Xの再インストール、ディスクユーティリティの起動が行えます。
復元システムを強制的にマウントし、第一階層の[com.apple.recovery.boot]フォルダを開くと、起動用のEFI(Extensible Firmware Interface)と「BaseSystem.dmg」というディスクイメージが収められています。
BaseSystem.dmgをマウントすると、光学式メディア版のOS Xインストールディスクとよく似ています。OS Xライオン以前のユーザには懐かしいウインドウではないでしょうか。
復元システムは起動ディスク上のパーティションなので、フラッシュストレージやハードディスク自体が故障したときは使えません。念のため、「OS X 復元ディスクアシスタント」を使ってUSBメモリ版の復元システムを作っておくといいでしょう。【URL】https://support.apple.com/kb/DL1433
【定番知識】
サードパーティの4Kディスプレイを使っている場合は、システム環境設定の[ディスプレイ]パネルの解像度一覧から「HiDPI」が付いた解像度を選ぶとレティナディスプレイのような美しい表示になります。
【定番知識】
復元システムを強制的にマウントするには、ターミナル上で「diskutil mount disk0s3」とコマンドを打ちます。アンマウントするには「diskutil umount /Volumes/Recovery HD」と入力しましょう。なお、環境によってはこのコマンドが効かない場合があります。