【実践2】ピアノロールエディタでループの自作に挑戦
ピアノロールエディタを使ってみよう
始めたばかりなのに、いきなりループを自作するのは、少しハードルが高いと感じるかもしれません。実際、音楽制作の心得がないと「とっても簡単!」とはいえません。そこで、ここではもっと気軽に「ピアノロールエディタ」の使い方を覚える気持ちで、ループを作る流れを見ていきましょう。
ガレージバンドには、あらかじめ多くのループ素材が揃っているので、なかなか自作する機会は訪れないかもしれません。でも、ピアノロールエディタの使い方を覚えておけば、既存のループ素材に手を加えて好みのフレーズに作り直すこともできます。なおピアノロールエディタという名前ですが、ドラムやベース用のループも同じ方法で編集できます。
新規トラックを作成する
(1)トラックリストで[+]をクリックし、新規トラックを作成します。次に作成した空のトラックを選択して、ライブラリから出力音源を選びます。ここではピアノを選択しました。
(2)(1)のトラックを選択したまま[エディタ]ボタンをクリックしてエディタウインドウを開きます。編集しやすいように、中央の分割線を上下にドラッグして表示領域を調整するといいでしょう。ライブラリは閉じておきます。
打ち込みでリージョンを作成
(1)[コマンド]キーを押しながらノート(音)を入力します。ピアノロールは、縦軸がピッチ(音の高さ)、横軸がタイムラインです。クリックすると、その場所の音が再生されます。ノートの端をドラッグすると音の長さを調整できます。
(2)1音ずつ入力するのは面倒です。そこで、キーボードで入力してみました。ここでは「ミュージックタイピング」を使います。入力する旋律を練習した後で、[Rec]ボタンを押して演奏します。
Apple Loopライブラリに追加
(1)入力が完了したら、作成したリージョンを[ループブラウザ]にドラッグします。[ループ]ボタンをクリックしてループブラウザを開いておきましょう。
(2)ループの名前や音源の情報を入力します。これらの情報は絞り込み検索するときに使用されます。最後に[作成]をクリックしましょう。
【実践3】いよいよ仕上げ!ミックスダウンとマスタリング
トラックごとに調整する
リージョンを並べて曲ができたら、音源や音量、パンなどをトラックごとに調整します。これをレコーディング用語で「ミックスダウン」といいます。たとえばボーカルを際立たせたい部分は、ボーカルトラックの音量を上げて、ほかの部分は下げるといった設定を行います。また、取り込んだループの音源(パッチ)を変更すれば雰囲気がガラッと変わります。バランスを考慮しながら、好みの音に近づけるように調節しましょう。
音源を変更する
ここでは「ライブラリ」を表示します。トラックを選択して、ライブラリからパッチを選択すると、すぐに反映されます。選択中のトラックの音だけを聞く場合は、ヘッドフォンアイコンの[ソロ]ボタンをクリックします。
オートメーションを利用する
(1)オートメーションボタンをクリックしてオンにします。編集したいトラックのオートメーションがオンになっていることを確認し、オートメーションカーブをクリックやドラッグで調整します。
(2)オートメーションで調整できる項目は、多岐にわたります。パンでは左右に音を振ったり、ピッチでは音の高さを変更したりできます。
スマートコントロールを利用
スマートコントロール(Smart Control)は、トラックのサウンドをコントロールする機能で、パッチ(音源)によって内容が変化します。また、スマートコントロールパネルにはEQ(イコライザ)も含まれ、トラックごとに音質を調整できます。イコライザには、プリセットの設定も用意されています。
(1)イコライザは、パッチの楽器に関わらず共通のインターフェイスです。プリセットを利用する場合は、[インスペクタ]ボタンをクリックし、プリセットメニューを表示します。
(2)ギターアンプのコントロールパネル。ディストーションなど、実際のアンプと同じデザインです。
(3)オルガンのコントロールパネルもハモンドオルガンのようなデザインとなっています。
マスタートラックで全体のサウンドを調整する
前のページでは、それぞれのトラックごとに調整する[ミックスダウン]の方法を紹介しました。いよいよ最後の仕上げ、マスタリングを行います。マスタリングは、すべてのトラックの音量や音圧を一括して調整する作業で、[マスタートラック]を使って操作します。調整の操作自体は、ミックスダウンで行ったEQやオートメーションなどと大きな違いはありません。
出力レベルを調整する
(1)マスタートラックは、初期状態では表示されていません。[トラック]メニューの[マスタートラックを表示]を選択してマスタートラックを表示します。
エフェクト
イコライザー
(2)スマートコントロールを表示して、エフェクトとEQを設定します。エフェクトは、マスターエコーとマスターリバーブなどにプリセットが用意されています。EQでは、ノイズが出ないように音圧を調整します。
フェードアウトを設定する
(1)曲のエンディングで徐々に音量を下げる手法をフェードアウトと呼びます。マスタートラックを選択した状態で[ミックス]メニューの[フェードアウト]をクリックすると、自動的に適用されます。
(2)フェードアウトのタイミングは、オートメーションカーブで調整します。また、図のようにフェードインの設定も可能です。
ガレージバンドで楽器の演奏法を習得しよう
ガレージバンドでは、楽器の演奏方法が学べるってご存じでしたか? デフォルトではピアノとギターの初心者向けレッスンがもれなく付属しています。家で眠っているギターやキーボードとやる気さえあれば、いますぐ始められます。
さらに「レッスンストア」では、あのアーティストが本人の代表曲を直々に教えてくれる[アーティストレッスン]が有料で受講できます。アーティストレッスンの講師陣は、そうそうたる顔ぶれなので、ちょっと覗いてみるだけでも楽しいですよ!
起動すると最初に表示されるウインドウで、[演奏方法を学ぶ]をクリックします。ピアノまたはギターの最初のレッスンは無料で受けられます。
【iPad】
iOS版のガレージバンドでも、ループリージョンの作成が可能です。とりわけ画面サイズに余裕があるiPadなら、鍵盤や弦楽器、打楽器などのグラフィカルなインターフェイスを使って、直感的に入力することができます。
【オーディオ】
ソフトウェア音源と異なり、たとえば、1音だけ修正といった細かい設定ができないオーディオ音源ですが、ピッチを変更したりオートメーションカーブで音量を調整したりすることは可能です。
【レッスン】
ピアノとギターのレッスンでは、それぞれの楽器をMac に接続、あるいはマイクで音を拾って、正しく弾けているかチェックしながら演奏方法を学べます。