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子どものメッセージを安全に見守る。iPadOS 26で進化した「ファミリー共有」

著者: 松山茂

子どものメッセージを安全に見守る。iPadOS 26で進化した「ファミリー共有」

iPadOS 26では、「ファミリー共有」がさらに進化しました。ファミリー共有の設定により、子どもの「メッセージ」の利用をさらに見守ることができます。

具体的には、初めての相手と連絡を取る際に、保護者の承認を経てから行う「コミュニケーションの制限」が設定できるようになりました。

また、性的な画像や不適切な内容を自動検知して警告する「コミュニケーションの安全性」など、安心して子どもにiPadを使わせるための仕組みが充実しました。

ここでは、その設定方法と使い方を紹介しましょう。

子どものメッセージの送受信を安全に管理! 「コミュニケーションの制限」

これまでのファミリー共有は、アプリの購入やスクリーンタイムの管理などが中心でした。iPadOS 26では「メッセージ」や「FaceTime」などのコミュニケーション面についても細かなコントロールが可能になりました。

新しくファミリー共有に加わった「コミュニケーションの制限」は、子どもが連絡先に登録されていない相手とメッセージを送受信する場合に、保護者の承認を必要とする機能です。

たとえば、知らない人からメッセージが届いても、子どもにはその内容は表示されません。まず保護者に許可を依頼して、承認が得られると、はじめて会話が可能になります。

《保護者側》「コミュニケーションの制限」をオン

この「コミュニケーションの制限」機能を使うには、まず保護者側のiPadもしくはMacやiPhoneでの設定作業が必要になります。

ここではiPadを使って、「コミュニケーションの制限」をオンにしましょう。なお、すでに保護者のApple Accountに子どもがファミリーとして登録している前提で手順を説明します。

❶ファミリー共有では、「設定」アプリを開いて[スクリーンタイム]をタップ。その中の「ファミリー」に表示している子どもの名前をタップしましょう。
❷各種制限の項目が表示されていますが、今回関係するのは「コミュニケーション」にある[コミュニケーションの制限]と[コミュニケーションの安全性]です。まず、[コミュニケーションの制限]をタップします。
❸「許可された通信/通話」にある[休止時間外]と[休止時間中]どちらも「すべての人」が許可されているので、これを変更します。
❹[休止時間外]をタップしたら[“連絡先”のみ]に切り替えます。同様に❸の画面に戻り、[休止時間中]をタップ。こちらも[“連絡先”のみ]に切り替えましょう。
❺次に、②の画面まで戻って[コミュニケーションの安全性]をタップ。「センシティブな写真とビデオ」にある[コミュニケーションの安全性]のスイッチがオンになっていることを確認します。オフだったらオンに切り替えましょう。




《子ども側》保護者に承認を依頼

子ども側から「連絡先」に登録されていない相手にメッセージやFaceTimeしようとすると、「保護者にこれらの人を承認してもらってください」と表示されます。許可を依頼して承認してもらいましょう。

❶新しい友だちに「メッセージ」を送ろうとすると、許可が必要との表示になります。[許可を依頼]ボタンをタップしましょう。
❷新規メッセージが開くので、子どもから保護者に許可をしてもらうようメッセージを送信します。

《保護者側》子どもから届いた依頼を許可

子どもから保護者に依頼のメッセージが届くので、相手に問題がなければ許可しましょう。子ども側の「連絡先」に許可した相手が登録されます。

❸子どもから届いたメッセージ上にある[確認]ボタンをクリックしましょう。
❹子どもの連絡先に追加する旨の表示がされるので[Add“〜〜(メールアドレス)”]ボタンをタップします。これで新しい相手とメッセージやFaceTimeでやりとりできるようになりました。保護者側の作業は終わりです。

《子ども側》メッセージのやりとりが可能に!

保護者側で新規連絡先が承認されると、あとは普通にメッセージのやりとりができます。「連絡先」にも承認された相手が、自動的に登録されます。

❺保護者から承認されると、「連絡先」に自動的に登録されます。
❻以後、子どもは自由にメッセージをやりとりできます。

知らない相手からのメッセージも許可が必要!

「連絡先」に登録していない知らない相手からメッセージが届いたときも同様です。保護者側に子どもから承認を依頼し、許可するようにしましょう。

❼連絡先を知らない相手からのメッセージは、子どもから保護者側に承認を依頼します。
❽その前に、送られてきたメッセージ内容を確認したい場合は、[メッセージをプレビュー]をタップしましょう。
❾表示させる場合は、子ども側の画面でスクリーンタイムパスコードを入力します。スクリーンタイムパスコードがわからないときは、保護者側に問い合わせましょう。
❿スクリーンタイムパスコードを入力すると、メッセージ内容がプレビューできます。

不適切な画像を検知して警告する「コミュニケーションの安全性」

もうひとつの新機能「コミュニケーションの安全性」は、「メッセージ」アプリで送受信される画像の内容を端末上で分析してくれます。そして、性的なコンテンツを検知すると警告を表示するものです。

これは機械学習を活用したオンデバイス処理で行われ、プライバシーを守りながら子どもを有害なコンテンツから保護します。

❶不適切な画像が届いた場合、画面に「これはセンシティブである可能性があります」という警告が表示されます。子どもが閲覧する前に判断を促します。
❷画像をタップすると「本当に表示しますか?」と確認する画面が出てきます。
❸[助けを求める方法を表示]をタップ。すると、写真やビデオにぼかしが入る理由の説明が表示されます。右上のチェックマークをタップすると前の画面に戻ります。
❹子ども側で判断せずに[大人にメッセージを送信]をタップしましょう。
❺開いた「メッセージ」のトーク画面からから保護者に連絡することができます。
❻画像の内容を確認したい場合は、選択画面で[表示]をタップ。
❼スクリーンタイムパスコードを入力すれば、プレビューできます。

著者プロフィール

松山茂

松山茂

東京の下町・谷中を拠点として日々カメラと猫を愛でながら暮らすフリーライター。MacやiPhone、iPadを初代モデルから使ってきたのが自慢。

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