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ホームオーディオが生まれ変わる? 新HomePodを買うべき3つの理由

著者: 井上晃

ホームオーディオが生まれ変わる?  新HomePodを買うべき3つの理由

Appleは1月18日、「HomePod(第2世代)」を発表。同日より予約受付を開始し、2月3日に発売した。HomePod(第2世代)は、小型の「HomePod mini」と同様の操作性を実現しつつ、重低音を含めたより迫力のあるサウンドを体感できる製品に仕上がっている。

HomePod(第2世代)

発売:Apple

価格:4万4800円

カラーバリエーションはミッドナイト(右)とホワイト(左)の2種類を展開。チップセットには、Apple Watch Series 7と同じ「S7」を搭載する。HomePod(第2世代)を購入した場合には、「Apple Music」(個人1080円/月)を6カ月無料で体験できる特典も付属する。

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UWBとスレッドに対応

アップルは2月3日、同社が展開するスマートスピーカの上位機種「HomePod」の第2世代モデルを発売した。価格は1台4万4800円(税込)。2台を揃えれば「ステレオペア」として同時に音を出すこともできる。

HomePodシリーズの系譜をおさらいしておくと、初代HomePodが先行国で発売されたのが2018年。日本では、翌2019年8月の発売となった。その後、2020年11月にコンパクトモデルである「HomePod mini」が発売された。一方、HomePodは2021年春に一度販売終了がアナウンスされていた。こうした流れを経て、今回のHomePod(第2世代)が登場している。

旧モデルと比べると、外観の変化はわずかだ。高さは172ミリから高さ168ミリへと4ミリほど小さくなり、天面のTouchサーフェスの形状も改良された。また、電源ケーブルは脱着可能になっている。カラーについては、黒白系の2色展開なことは共通しているものの、仕上げ名称は「ミッドナイト」と「ホワイト」になり、「スペースグレイ」はなくなった。

仕様としては、新たに超広帯域テクノロジー(UWB)に対応したことがポイントだ。「U1」チップを備えるiPhoneならば、端末をかざすことで再生楽曲の受け渡しが行えるなど、HomePod miniと同様の使い勝手が実現されている。

また、IoTデバイス向けのネットワーク技術「Thread」にも対応し、スマートホームのための共通規格「Matter」をサポートする認証製品との連係も可能となった。

Wi−Fiについては、従来機種がWi−Fi 5(IEEE802.11ac)に対応していたが、新モデルではWi−Fi 4(IEEE802.11n)までのサポートとなった。この点は、HomePod miniと共通する。

魅力となる3のポイント

新HomePodの魅力は、主に3つある。1つ目は、音質の良さだ。特にHomePod miniと比べると、HomePod(第2世代)のほうがウーファによる低音域の体験が飛躍的に上がる。これは単にハードウェアが優れているだけではない。設置場所を問わずに低音のクオリティが保たれるように、音質を継続的に監視し、フィードバックを反映してイコライザなどを調整する仕組みが組み込まれていることも重要だ。

2つ目は操作性だ。先述のようにUWBをサポートしており、操作感の大部分がHomePod miniと共通している。すでに既存製品を使っているユーザにとっては、特に新しい操作を覚えることなく、すぐに導入できるだろう。初期設定についても、電源を接続し、iPhoneを近づけてから、画面表示どおりに手順を進めるとシンプルだ。

3つ目は、スマートホームのハブになること。リビングや書斎、寝室などに設置することで、単純にSiriが使えるデバイスが増える。また、HomePod mini同様に温度センサを内蔵するため、温度変化など一定の条件をトリガーにして、対応のスマート家電の類をコントロール可能だ。今後はマターに対応する連係機器も増えると予想されるため、将来的にはスマートホームのハブとして活躍する機会が増えるだろう。      

買うべき理由① ウーファとツイータによるリッチな音質

 HomePod(第2世代)は、4インチの高偏位ウーファを1つ、ネオジム磁石を使ったホーンツイータアレイを5つ備える。

 まず「高偏位(High-excursion)」という表現は、スピーカユニットを小型に抑えたまま、振動幅を大きくして十分な空気を揺らし、迫力ある低音を再現するという設計のアプローチを意味する。HomePodのウーファは、この振動幅が20mmある。さらに低域の周波数をリアルタイムで確認しつつ、動的にイコライザがチューニングされることもポイントだ。続いて、「ネオジム磁石」とは、希土類元素を用いた永久磁石の一種。機器を小型に保ちつつ、高い磁力を確保するために使われるものだ。

 また、「ホーンツイータ」とは振動版の前にラッパ(ホーン)型の構造を持つツイータ(高音を再生するスピーカ)のこと。アレイとは「配列」を意味する語であり、スピーカやマイクが並んで配置されていることを指す。なお、HomePodのツイータはビームフォーミング(波を特定方向に送信する技術)に対応しており、メインボーカルの音などは部屋中央に届くように調整される。

実際に楽曲を再生してみた印象としては、HomePod miniと比べて低音域の豊かさが明らかに異なるのがわかった。たとえば、ベースや、バスドラム(キック)などの音を、高い解像感で楽しめた。なお、操作時などにTouchサーフェスが光る部分は、従来の中央のみから天面全体へと拡大した。
HomePodをApple TV 4Kと連係させれば、Dolby Atmos対応のホームシアター環境を整えられる。なお、eARC/ARC対応のHDMIを備えたテレビならば、Apple TVを介してテレビの音も出力できる。

買うべき理由②快適な操作性

 操作面でのポイントは、「Handoff」機能に対応していることだ。そもそもHomePodシリーズのコントロールは、Siriを使ったボイスコマンドのほか、AppleデバイスからのAirPlayによるオーディオの出力などが基本だ。しかし、このHandoffを活用することで、シーンによっては、より手軽なコントロールが可能となる。

 HomePodシリーズにおけるHandoffでは、対応iPhoneを端末にかざすことで、HomePod/iPhone間での再生楽曲の引き継ぎができる。たとえば、1階リビングに設置したHomePodで楽曲を再生しているときに、iPhoneをかざし、HomePodでの再生を止めiPhoneで楽曲が再生された状態にできる。その後、2階の書斎へ移動して、そこにあるもう1台のHomePodにiPhoneをかざすと、今度は2階のHomePodから楽曲が再生される。

Handoffの利用には、「設定」アプリで[一般] → [AirPlayとHandoff] → [HomePodに転送]をオンに設定する必要がある。あとは、かざしたときに画面に現れる引き継ぎ操作を許可するだけでOK。

買うべき理由③スマートホームへの対応

 HomePod(第2世代)は、新たに温度・湿度センサを搭載した(また、HomePod miniにも実は温度・湿度センサが搭載されていたことが明らかになり、ソフトウェアアップデートによってこれらの機能が有効になった)。「ホーム」アプリに備わるオートメーション機能を使う際に、これらのセンサで取得した値をトリガーとすることができる。たとえば、もしリビングの温度が20度を超えたら、「ホーム」アプリで管理しているデバイスのどれかを実行するといった設定が可能だ。

 また、インターコム機能を活用すれば、Siriを介してAppleデバイス同士で内線のように連絡が取れることもポイント。すでにHomePod miniを導入している家庭でも、HomePodを導入することで、余ったHomePod miniを別の部屋に配置でき、iPhoneなどを携行していなくても内線で連絡できる空間が増える。


iOSの「ホーム」アプリを起動し、[オートメーション]タブを選択。[センサーが何かを検知したとき]から、HomePodおよびHomePod miniの温度・湿度センサを選べる。トリガーとなる数値を決めて手順を進めよう。

※この記事は『Mac Fan』2023年6月号に掲載されたものです。

著者プロフィール

井上晃

井上晃

スマートフォン・タブレット・スマートウォッチなど、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌で、速報やレビュー、コラムなどを執筆している。新製品やサービスのレビュー、比較検証記事の執筆本数は年間100本以上。

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