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マウスの正解。「MX MASTER 4」を先行レビュー。新ボタン「触覚フィードバック センスパネル」で効率爆アゲ。ロジクールの新フラッグシップモデル

著者: 松山茂

マウスの正解。「MX MASTER 4」を先行レビュー。新ボタン「触覚フィードバック センスパネル」で効率爆アゲ。ロジクールの新フラッグシップモデル

長年、MacBookシリーズをメインマシンとして使い続けている筆者にとって、ポインティングデバイスといったらマウスではなく内蔵トラックパッドだ。

それだけ愛用しているし、絶大な信頼を置いている。しかし、それはMacBookを単体で使うときのこと。事務所のデスクなどで外部ディスプレイを接続する場合は、必ずマウスを使用する。画面が広い環境だと、MacBookの内蔵トラックパッドでは端から端までポインタを移動しきれないことがあるからだ。

ちなみに、使っているのはロジクールフラッグシップマウス「MX MASTER 3 for Mac」。そんな筆者の元に、最新モデル「MX MASTER 4」が登場するという話が舞い込んだ。ありがたいことに先行レビューの機会を得たので、愛用中の前モデルと比較しながら検証していこう。

Apple好きがMX MASTERを選んだ理由。豊富なホイールとボタン、そしてカスタム性

筆者がMX MASTERを愛用してきた理由は、2つのホイールと物理ボタンの多さだ。新モデルMX MASTER 4でも基本仕様は継承された。これらの利便性は、Appleマニアの筆者が、AppleのMagic Mouseを差し置いてMX MASTERシリーズを手に取る十分な理由になっている。

筆者が愛用している「MX MASTER 3 for Mac」(左)。新モデル「MX MASTER 4」(右)。基本デザインは踏襲しつつ、確実にアップグレードされている。

前モデルMX MASTER 3が搭載し話題を呼んだのが、1秒間に1000行をスクロールするホイール。MacBookの内蔵トラックパッドやそのほかのポインティングデバイスとは比較にならないスピードで、超高速スクロールができる。文字で見るとオーバースペックに見えるかもしれないが、使い始めるとその利点に気づけるはずだ。仕事の資料を見るときも、ただWebサーフィンするときも、とにかく便利。

また、横スクロールなどに使うサムホイールは配置位置が変更されている。MX MASTER 3でも愛用していた機能だが、操作時、上部の淵に指が引っかかるのが懸念点だった。しかしMX MASTER 4では、サムホイールとマウスの天面が滑らかにつながっているので、よりスムースに操作できる。

「MX MASTER 4」(手前)、「MX MASTER 3 for Mac」(奥)。サイドにあるサムホイールの位置が移動。天面と同じ高さになったことで、よりスムースに操作できるようになった。また、サムホイール下のボタンも2個から3個に増えている。

サムホイールの下には、3つのボタンを用意。MX MASTER 3と同じく、[進む][戻る]がデフォルトで割り当てられた2つのボタンと、従来は親指エリアに搭載されていた「ジェスチャーボタン」だ。3つのボタンの挙動は、専用アプリ「Logi Options+」でカスタマイズできる。

専用アプリ「Logi Options+」

ボタンやホイールの挙動は、専用アプリ「Logi Options+」でカスタマイズできる。画像はMX MASTER 3 for Macの画面。残念ながら、先行レビュー時にはアプリがMX MASTER 4に対応しなかったため、実機で試すことはできなかった。




新たなボタン「触覚フィードバック センスパネル」。親指でワンクリック!

MX MASTER 3は、手を添えたときに親指が乗るスペースにボタンを内蔵していた。ここも操作内容をカスタマイズでき、魅力の1つになっていたが、MX MASTER 4で「触覚フィードバック センスパネル」にリプレイスされた。

写真右がMX MASTER 4。親指が乗る部分のデザインが変更され、触覚フィードバック センスパネルを搭載している。
触覚フィードバック センスパネルは、親指で自然に操作可能だ。

触覚フィードバックが気持ちいい。「Actions Ring」の呼び出しもよりスマートに!

「触覚フィードバック センスパネル」をクリックすると、「Actions Ring」を呼び出せる。「Actions Ring」はいわばショートカットで、機能の呼び出し、アプリの起動など、多彩な操作を割り当てることが可能だ。デフォルトで設定されているChatGPTやPerplexityにアクセスするパネルのおかげで、生成AIの活用も捗った。

さらに、PhotoshopやIllustratorといった対応アプリでは、アプリごとにショートカットの内容を変更できる。しかも、それらは開いているアプリによって自動で切り替わる優れた仕様だ。

また触覚フィードバックというとおり、操作時に振動する。これがかなり気持ちいい。さらに、操作の内容によって振動の仕方が変わるので、ユーザの作業をサポートするという点でも有用だ。個人的に、かなり気に入ったポイントである。

メーカーによると、操作ごとに最適な振動を提供するため、触覚フィードバックの言語から取り組んだという。

新機能の「Actions Ring」。触覚フィードバック センスパネルをクリックすると画面にリング状に8つのボタンが表示され、各種ツールを呼び出せる。
一部対応アプリでは、Actions Ringの内容を個別に設定可能。
Actions Ringによってポインタの移動距離が圧倒的に減り、作業が効率化する。




汚れや傷への対策も抜かりなく。樹脂製カバーと透明プレートを新採用

細かな部分だが、素材が変わったのもうれしいポイント。MX MASTER 3は薄いラバー素材で覆われており、手汗などによる汚れが目立ったり、経年劣化によるベタつきが生じたりする恐れがあった。

一方、MX MASTER 4は微細パターンを施したマイクロテクスチャの樹脂製カバーを採用し、汚れにも傷にも強い。マウス先端の透明プレートも、強度を上げる新仕様だ。マウスは毎日のように使うものなので、こうした実用に直結するアップグレードはありがたい。

手のひらが乗るトップ部分には、マイクロテクスチャを施した樹脂素材が採用されている。

最大3台とペアリング。Actions Ringを使えば、画面上で接続先の切り替えが可能に

そのほかの基本仕様も確認していこう。底部にある「Easy-Switch」で、接続先を切り替える仕様は従来どおり。最大3台のデバイスを登録できる点も同じだ。ただし、Easy-SwitchはActions Ringに機能として割り当てられるので、前モデルよりもスマートな切り替えが可能となった。

丸いボタンがEasy-Switch。1度押すと接続先が切り替わり、長押しするとペアリングモードがオンになる。

搭載センサやバッテリ性能にも変更はない。ガラス面でも使える高精度なDarkfieldセンサは滑らかで正確。1分間の充電で最大3時間駆動し、フル充電すれば最長70日間も使うことができる。

前面のUSB-Cポートから充電する。充電用のケーブルや電源アダプタは付属しないので別途用意しよう。ちなみに、充電中でも動作は可能だ。




迷いなく買い! MX MASTERシリーズから離れられなくなる決定版マウス

対応OSは、macOS 13以降、iPadOS 15以降。そのほか、Windows 11以降、Android 12以降、Linux、ChromeOSと幅広い。接続方法は、Bluetoothか付属のLogi Bolt USBレシーバを使用する。

なお、MacはBluetoothで接続可能だが、それ以外、Bluetooth非搭載のデバイスでも付属のLogi Bolt USBレシーバで接続できる。

サイズは88.2(W)×128.2(D)×50.8(H)mmとわずかだがサイズアップ。重量も150gと9gほど重くなった。カラーはグラファイトとペイルグレーの2色をラインアップする。

MX MASTER 3の基本機能を引き継ぎながら、新機能を搭載して登場したMX MASTER 4。買い替えるには間違いない製品であり、ユーザをより一層MX MASTERシリーズのファンにさせる力を持った製品だと思う。

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著者プロフィール

松山茂

松山茂

東京の下町・谷中を拠点として日々カメラと猫を愛でながら暮らすフリーライター。MacやiPhone、iPadを初代モデルから使ってきたのが自慢。

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