ドローンや多彩なカメラで知られるDJIだが、そのサポーティングキャストとして優秀なマイクにも人気製品が多い。たとえば2024年11月26日に発売されたDJI Mic mini。わずか10gのボディに、優れた収音性能と取り回しの良さが詰め込んだワイヤレスマイクの決定版だ。
そして本日(2025年8月28日)、DJIは新たにDJI Mic 3をリリースする。DJI Mic 2から大幅に進化し、DJI Mic miniと遜色ないコンパクトさを実現した高性能マイクだ。日常の撮影はもちろん、プロのクリエイティブシーンでも活躍するスペックを備える。
今回、先行してレビュー機を借りることができたので、その詳細と検証結果をレポートしよう。


DJI Mic miniとほぼ同等のコンパクトさ。上品なトランスペアレントデザインも好印象
まず目を引くのは、DJI Mic 3のコンパクトさ。
驚くことに、その名のとおり小さなサイズ感を打ち出しているDJI Mic miniと、DJI Mic 3の間にサイズの違いがほぼない。トランスミッタの重量で言うと、DJI Mic 3は16g、DJI Mic miniは10g、DJI Mic 2は28gとなっている。
しかも、DJI Mic 3が32GBの内蔵ストレージを備える一方、DJI Mic miniは内蔵ストレージを持たない。改めて、驚異的な小ささだ。






マグネットで簡単装着。DJI Micシリーズに共通するスマートな使い心地
装着方法などは、DJI Mic miniと共通するところが多い。トランスミッタの背面にはマグネットが搭載されており、同じくマグネットを備えた付属のクリップやパネルで衣服などに装着する。




DJI Mic Miniに劣るMic 3のバッテリ持続力。一方「5分で2時間駆動」の高速充電性能は超頼れる
なお、後述する数々の新機能を処理するせいか、バッテリ駆動時間はDJI Mic miniに劣るようだ。DJI Mic 3は、トランスミッタ単体で最大8時間。レシーバは最大10時間。充電ケースを使うと、それぞれ最大28時間駆動する。
これでも多くのシーンで問題になることはなさそうだが、DJI Mic miniは、トランスミッタ単体で最大11.5時間、レシーバは最大10.5時間、充電ケースを使うと、それぞれ最大48時間駆動する仕様だったのでその差は目立つ。
ただし、DJI Mic 3は高速充電性能に磨きがかかっている。
トランスミッタやレシーバは約50分でフル充電が可能。ケースからの充電でも、約5分のチャージで最大2時間も使用できる。長時間にわたることもある撮影の現場で、バッテリ切れで使えないのは致命的だ。その点、高速充電ですぐにリスタートできるDJI Mic 3は頼れるアイテムといえるだろう。

DJI Mic 3の注目機能。アマチュアからプロクリエイターまで、あらゆる音声収録シーンを支える万能マイク
続いて、DJI Mic 3の機能性をいくつかピックアップしていこう。動画撮影や音声収録が趣味の個人はもちろん、プロクリエイターが仕事道具として選ぶに値する機能の数々を備えている。
マルチデバイス連係
まずはマルチデバイス連係。1台のレシーバに最大4台のトランスミッタを同時に接続できるほか、サブのレシーバを7台用意することで、4TX/8RXのグループ収録が可能となる。簡単にいうと、8つのレシーバ(を装着したカメラなど)に、トランスミッタ4台で収録した音声を記録できるのだ
個人使用の範囲だと活用方法はあまりないかもしれない。しかし、たとえばテレビ番組などの撮影では威力を発揮するだろう。
そういったプロクリエイティブにおける活用を想定してか、「32-bitフロート内部収録」(柔軟な後処理ができる)、周波数の干渉を避けるための2.4GHzと5GHzの自動切り替え機能。また、最大400mの伝送距離、ロスレスオーディオ伝送など、ハイレベルな機能を多数備えている。
音源が複数にわたり、それらを組み合わせた編集が想定されるなら、タイムコード機能も役立つはずだ。機能を利用すると、トランスミッタ内でタイムコードが記録され、音源とともに出力できる。
アダプティブゲインコントロール
音声収録の際に気を遣うことといえば、音量。大きすぎると音割れのリスクがあり、小さすぎるとあとから調整するのが大変だ。無理に音量を持ち上げると環境音まで大きなってしまうため、取り返しがつかないこともある。その点では、写真や動画の撮影よりもシビアだと個人的には思う。
DJI Mic 3は、それら課題の解決に役立つ「アダプティブゲインコントロール」を備えている。いわば、環境に応じて自動で音量のバランスを調整してくれる機能だ。
もちろん、レシーバの物理ダイヤルを回してて行うゲイン操作と併用もできる。

音声トーンプリセット
さまざまな声質に対応するため、3つの音声トーンプリセットを用意している。クリアな音声を収録する「レギュラー」。高音を強調する「ブライト」。低音をブーストする「リッチ」。

アクティブノイズキャンセリング
2段階のアクティブノイズキャンセリング機能も搭載している。デフォルトではオフになっているので、レシーバのディスプレイなどから設定しよう。
付属のウィンドスクリーンで環境ノイズはかなりカットできる。しかし人混みなどで録音する場合、ノイズキャンセリングのありなしは体験に大きな差を生む。
Osmo 360、iPhone 15 Proに接続して検証。DJI Mic 3の収音性能はいかに
隅田川脇の遊歩道で、DJI Mic 3の収音性能を検証した。検証に使用したのは、DJI Mic 3、DJI Mic mini、DJIの360度カメラOsmo 360、そしてiPhone 15 Proだ。
iPhone 15 ProとDJI Mic 3の組み合わせ
iPhone 15 Proと標準「カメラ」アプリの組み合わせで動画を撮影した。
iPhone単体だと、川の音、車の音などがノイズとなって声が聞き取りにくい。一方、DJI Mic 3を接続するとかなりクリアに聞こえる。
DJI Mic 3はBluetooth対応なので、iPhoneとワイヤレス接続可能だ。しかし、iPhoneの「カメラ」アプリで動画を撮影する場合、レシーバは必須。レシーバに付属のUSB-Cを装着し、iPhoneに挿入しよう。
なお、専用アプリ「DJI Mimo」で撮影すれば、レシーバをiPhoneに装着する必要はない。

ちなみに、レシーバはコールドシューも備えている。そのため、一眼カメラなどに簡単に装着することが可能だ。この汎用性もDJI Micシリーズの魅力となっている。
Osmo 360とDJI Mic 3の組み合わせ
Osmo 360を使って、DJI Mic 3との組み合わせ、Osmo 360単体、DJI Mic miniとの組み合わせ収録した。延長ロッドを用意し、最大の長さまで伸ばしている。
DJI Mic 3との組み合わせは、声はクリア、環境音は適度にカットされつつ、自然な範囲で活かされている。
Osmo 360単体だと、声がかなり小さい。そもそもOsmo 360自体のマイク性能は高いのだが、今回の検証の場合、物理的にマイクと口の距離が離れてしまう。そのせいで聞き取りづらいというのはあるが、外付けマイクによって撮影の自由度が上がるのも事実だ。
そして、DJI Mic miniも十分にクリア。しかし、時折こもっているように感じられる部分もあった。環境音の取り込みはかなり控え目だ(ノイズを強力にカットしているという見方もできる)。
発展を続けるDJIのエコシステム。多彩なカメラと優れたマイクのコンビネーション
Osmo 360との接続性は非常にスムース。DJIのエコシステムの恩恵を強く感じられた。なお、同シリーズは、360度カメラ以外にも、Vlogのド定番カメラ「Osmo Pocket」、アクションカメラ「Osmo Action」が展開されている。
DJI Micシリーズは、上記のDJIのカメラにBluetoothで直接接続する。たとえばiPhoneなど、レシーバが必要なデバイスと使う予定がないのであれば、トランスミッタや充電ケースだけ購入するという選択肢もありだ。
DJI Mic 3の場合、トランスミッタだけだと1台で1万6830円。そして充電ケースは単体で1万1770円。合計で2万8600円。冒頭で紹介したセットだと5万2250円とかなり高額だが、用途を見極めれば3万円以下になる。
利用シーンや撮りたい画に合わせてカメラを持ち替え、胸元にはいつもDJI Mic。そんな運用が目にうかぶ。今後、クリエイターたちの必須アイテムの1つになることは間違いなさそうだ。

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著者プロフィール
関口大起
『Mac Fan』副編集長。腕時計の卸売営業や電子コミック制作のお仕事を経て、雑誌編集の世界にやってきました。好きなApple Storeは丸の内。Xアカウント:@t_sekiguchi_








