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「DJI Mic Mini」先行レビュー! 大人気「DJI Mic 2」より約50%小型に、そして約60%軽量化した新製品を、iPhoneやOsmo Pocketに接続して実録・実力検証

著者: 関口大起

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「DJI Mic Mini」先行レビュー! 大人気「DJI Mic 2」より約50%小型に、そして約60%軽量化した新製品を、iPhoneやOsmo Pocketに接続して実録・実力検証

本日(2024年11月26日)、ドローン、そしてOsmoシリーズなどのカメラ製品で知られるDJIから、新たなマイクがリリースされた。その名も「DJI Mic Mini」。従来のモデルの「DJI Mic 2」より約50%小型に、そして約60%も軽くなった。わずか10gのボディに、一体どんな性能が詰め込まれているのか。

先行レビューの機会を得た筆者が、iPhone 15 Pro、そしてDJIの大人気Vlogカメラ「Osmo Pocket 3」に接続し、最新マイクの実力を検証する。

DJI Mic Miniの名に恥じないコンパクトさ。ウインドスクリーンもケースに入るぞ!

DJI Mic Miniは、単体で約11.5時間、専用の充電ケースと併用すれば最大48時間使用できる。長時間にわたる撮影でもまったく不足のないバッテリ性能だ。

ツールボックス感のあるソリッドな専用充電ケース。メーカーによると、DJI Mic 2のケースよりも若干小さくなっているという。

繰り返しになるが、マイク本体のサイズはDJI Mic 2の約50%。指でつまんでもおつりがくる超コンパクトサイズである。なお、DJI Mic 2が内蔵ストレージを搭載している一方、DJI Mic Miniは搭載していない。DJI Mic Miniが小型化、軽量化を果たした大きな要因だろう。

左がDJI Mic 2、右がDJI Mic Mini。その差は歴然だ。
左側面。DJI Mic Miniは、USB-Cポートや録音ボタンは非搭載である。
こちら右側面。電源ボタンとBluetoothボタンは両モデルとも搭載している。

と、ここで筆者は疑問を覚えた。マイクがここまで小型化しているのに、なぜケースは“ほぼ同じ”サイズなのだろうか。メーカーに確認したところ、納得の返答があった。DJI Mic Miniは、ウインドスクリーンを装着したままケースにマイクを収納できる。これは実用に即した素晴らしい進化だ。

付属のウインドスクリーンを装着したまま収納できる。
ちなみに、ウインドスクリーンの装着は非常に簡単。マイクの上部にカチッとはめるだけだ。

マグネット、あるいはクリップで挟んで装着しよう。カメラとの接続も超簡単

DJI Mic Miniは、付属のマグネットパーツかクリップで服に装着する。マグネットという選択肢があることで、Tシャツなど“挟む場所”が限られる衣服でも使えるのはありがたい。マグネットはかなり強力だが、横からの力には弱いので注意が必要だ。筆者は、DJI Mic Miniを装着したままバックパックを背負おうとしたところ、肩紐をマイクに引っかけてうっかり落下させてしまった。とにかく軽いため、落下に気づきにくいという怖さもある。

マイクの背面にあるクリップ。クリップにはマグネットパーツが装着されている。
マグネットパーツを分離した様子。もう少し近づけると引かれ合うほど磁力が強い。
薄手のシャツなら、クリップを使うよりマグネットで装着するほうがスマートだ。

さっそく録音データを聴き比べたいところだが、その前に接続方法を解説しておこう。DJI Mic Miniは、専用のレシーバ、あるいはBluetooth接続が可能だ。ただし、iPhoneの純正「カメラ」アプリはBluetooth接続した外付けマイクでの収音に対応していないため、レシーバが必須となる。

専用のレシーバ。マイクと一緒にケースに収納されている。
背面にはコールドシューを搭載。また付属パーツ(写真右)を装着することで、USB-Cポートを搭載したデバイスに接続可能となる。
今回はiPhone 15 Proに装着して検証する。
詳細は省くが、Osmo Pocket 3と組み合わせて使う場合はカメラ側から接続設定を行う。

DJI Mic Miniの収音性能を検証! 風や波音などのノイズもシャットダウンする?

iPhone 15 Proで試してみる

海辺でテストを行った。iPhone単体だと、環境音のせいで声が聞き取りづらい。一方、DJI Mic Miniでは波音も風切り音もカットされており、声がしっかり聞き取れる。その差は歴然だ。水面は静かで風もあまりないが、ウインドスクリーンによる風切り音の低減も確かに感じられた。

※比較用の動画は掲載元のサイトで

iPhone 15 Pro単体。

iPhone 15 ProにDJI Mic Miniを装着。

iPhone 15 ProにDJI Mic Mini(ウインドスクリーン)を装着。

レシーバには、ゲインを調整するダイヤルが用意されている。その精度も確かめてみよう。なお、以下の動画はウインドスクリーンをつけて撮影している。ゲインは-12から+12まで。+12すると、必然的にノイズも大きくなるので使いどころは吟味したい。

ダイヤルはクリック感があって気持ちいい操作感。

こちらはゲイン+12。当然だが、ノイズも大きくなる。

Osmo Pocket 3で試してみる

iPhone 15 Proと同じテスト環境で、Osmo Pocket 3にDJI Mic Miniを接続して動画を撮影した。Osmo Pocket 3単体での録画は、iPhone 15 Proよりも声が聞き取りやすい。しかし、環境音が気になるのも事実だ。その点、DJI Mic Miniで収録すると余計な情報が削ぎ落とされ、より声に集中しやすくなる。Vlogなどのコンテンツ作りには重要なポイントになりそうだ。また非常に細かな差ではあるが、ウインドスクリーンを装着すると、風のボボッとしたノイズが軽減されている。

Osmo Pocket 3単体で撮影。

Osmo Pocket 3にDJI Mic Miniを装着。

Osmo Pocket 3にDJI Mic Mini(ウインドスクリーン)を装着。

DJI Mic MiniとDJI Mic 2の収音性能を比較する

最後に、従来モデルのDJI Mic 2と比較してみよう。結論から言うと、ほぼ差はないと感じた。トランスミッタ(マイク)を単体で購入した場合、DJI Mic Miniは7700円、DJI Mic 2は1万6060円と倍近い差がある。しかし、それはあくまで内蔵ストレージの有無によるもので、収音性能自体に違いはないと思われる。

Osmo Pocket 3にDJI Mic 2を装着して録音。

Osmo Pocket 3にDJI Mic Miniを装着して録音。

商品ラインアップを整理。別売りで「アークティックホワイト」のトランスミッタも購入できるぞ!

DJI Mic Miniは、2つのセットが用意されている。まずは、トランスミッタが2つとレシーバ1つ、充電ケースのセット(希望小売価格2万4200円)。もうひとつは、トランスミッタとレシーバが1つずつのセット(希望小売価格1万3200円)だ。前者はマイクの数が多いため、ウインドスクリーンや装着用のマグネットも2倍になっている。

比較的手の届きやすい価格で、Vlogのクオリティを底上げしてくれるDJI Mic Mini。今回はレビューしなかったが、レシーバはコールドシューを備えているため、デジタルカメラに接続する使い方もアリだ。

また、トランスミッタやケースは単体でも購入可能。トランスミッタはインフィニティブラックとアークティックホワイトの2ラインアップで、それぞれ希望小売価格は7700円。充電ケース単体の希望小売価格は9900円だ。

トランスミッタを単体で購入する場合、写真左のように専用充電ベースが付属する。

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著者プロフィール

関口大起

関口大起

『Mac Fan』副編集長。腕時計の卸売営業や電子コミック制作のお仕事を経て、雑誌編集の世界にやってきました。好きなApple Storeは丸の内。Xアカウント:@t_sekiguchi_

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