Backboneシリーズは、iPhoneやAndroidといったスマホに装着して使うゲームコントローラ。今回はその上位モデル「Backbone Pro(2万9700円)」をレビューする。
従来モデルのBackbone Oneは、本体のLightningやUSB-Cコネクタにスマホを装着して使うのが前提だった。一方、Backbone Proは同接続方法のほか、Bluetooth接続にも対応。結果、MacやWindows PC、スマートテレビなどでも利用可能となっている。
“ゲーム機化”が進むiPhoneほかAppleデバイス。Backboneシリーズはその強い味方
iPhone、Mac、iPadにゲームモードが登場したり。Apple Arcadeに続々と新タイトルが追加されたり。先日は、大人気AAAゲーム「Cyberpunk 2077」にMac版が登場するなど、Apple製品の“ゲーム機”としての価値は上がってきている。
筆者は本来、あまりゲームに明るくない。しかし、Mac Fanでベジータ(R藤本さん)によるApple Arcadeのゲームレビュー連載を立ち上げたことで、頻繁にゲームの情報を収集し、プレイするようになった。
Apple Arcadeで提供されるiPhone向けのタイトルは、当たり前だがiPhoneの小さい画面でもプレイしやすいよう、開発者の工夫が凝らされている。だが、どうしても制約は出てくる。特にアクションやスポーツゲームだと、表示領域は広ければ広いほうがいい。しかし、操作ボタンやパネルで画面が占有されてしまう。
そんなときに使いたいのが、iPhoneを”ゲーム機”に変えるアダプタだ。中でもBackboneシリーズは、そのデザイン性や機能性、使いやすさで人気を集めている。今回レビューするのは、同シリーズの上位モデル「Backbone Pro」だ。


最高のグリップ感とボタンやジョイスティックの上質さ。Backbone Proはプロクオリティ
手に取るとすぐにわかるが、Backbone Proは非常に握り心地がいい。手のひらにフィットするよう、グリップ部分に膨らみがあるため、ガシッと握りながらゲームをプレイできた。Backbone Oneも非常に優れたデバイスだが、先述の膨らみのような細かな仕様に違いがある。Proというだけあり、ワンランク上の体験をもたらしてくれるだろう。

ボタンのクリック感も良好で、軽く、跳ね返りが強い。ジョイスティックの程よい反発も好みだ。この辺りも、Backbone Oneよりも明確に上質だと感じる。

いずれもメーカーが”コンソール並みの品質”を目指して採用したものだ。スティックはALPS製。操作性を重視し先端は凹型であり、軸部分には低摩擦リングを配置するなど余念がない。
筆者は、Apple Arcadeの「Dead Cells+」や「『NBA 2K25』アーケードエディション」をプレイした。いずれも快適だったが、「Dead Cells+」で不要なアイテムの“リサイクル機能”が使えなくなってしまうのは痛い(Backbone Oneでも同じ)。ゲーム側の対応状況によるものだと思うが、大きなハンデになってしまう。
タフなバッテリで、ワイヤレスでの長時間プレイも安心。パススルー充電も可能です
Backbone Proはバッテリ持ちも優秀だ。メーカーによると、ワイヤレス利用時には最大40時間の連続使用が可能。パススルー充電にも対応しているので、iPhoneを装着する際も、バッテリ残量を気にせず遊べる。給電は、右グリップの下にあるUSB-Cポートから行おう。
ゲーマーには、豊富なボタンもうれしいはずだ。十字キーやジョイスティックなどはもちろん、背面ボタンも搭載。また、左グリップに用意されたスクショボタンもユニークだ。



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専用アプリ「Backbone」でボタンをカスタム。PSリモートにも対応するぞ!
Backbone Proは、専用のiPhoneアプリ「Backbone」との組み合わせで真価を発揮する。ボタンのカスタマイズ。ジョイスティックの反応速度の変更。App Storeで提供されるゲームの検索ができる。また、新技術「FlowState」により、あらかじめ登録したデバイスにスムースに接続先を切り替えることが可能だ。

さらに、サブスクリプションサービス「Backbone+」を利用すると、エミュレータの利用やゲームプレイ動画の録画・編集機能も開放される。
Backbone Proは、スマホ専用機だったBackbone Oneから飛躍し、汎用的で上質なゲームコントローラとして登場した。iPhoneと使うのもよし。MacやゲーミングPC、ゲームコンソールと使うのもよし。「PS リモートプレイ」や「Xbox リモートプレイ」にも対応するので、PlayStationやXboxとの相性もグッドだ。


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著者プロフィール

関口大起
『Mac Fan』副編集長。腕時計の卸売営業や電子コミック制作のお仕事を経て、雑誌編集の世界にやってきました。好きなApple Storeは丸の内。Xアカウント:@t_sekiguchi_