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Leica(ライカ)が作ったiPhoneアクセ「Leica LUXグリップ」レビュー。「Leica LUX」アプリの撮影体験をさらに上質に! ファンも納得の“らしい”仕上がり

著者: 松山茂

Leica(ライカ)が作ったiPhoneアクセ「Leica LUXグリップ」レビュー。「Leica LUX」アプリの撮影体験をさらに上質に! ファンも納得の“らしい”仕上がり

LeicaがリリースしたiPhone用のカメラグリップ「Leica LUXグリップ」をレビューする。

レンジファインダーの「Mシステム」を始め、ミラーレス一眼の「SLシステム」やコンパクトな「Qシリーズ」など、魅力的なカメラを多数発売しているドイツの「Leica Camera」。

2023年には、Leicaを象徴する「Leica Looks」やMシステム用レンズをシミュレートし、iPhoneでライカチックな写真が撮れるアプリ「Leica LUX」もリリース。既存のカメラ事業だけではなく、最新テクノロジーを用いた新たな展開も見せています。

そんなLeica Cameraから、iPhoneの写真撮影をレベルアップさせるアクセサリ「Leica LUXグリップ」が登場しました。 Appleと同じくらいLeicaを愛してやまない筆者にとって、見逃せない製品です。幸運にも実機を借りることができたので、その使用感と魅力をレポートしていきます。

梱包まで“らしい”Leica LUXグリップ。アルミ素材のシャープなデザインはファンも納得!

黒色で上品な佇まいのパッケージを開けると、まるでステージ上に飾ってあるかのような姿で現れたLeica LUXグリップ。単なる梱包ではなく、“見せる”ことを意識したパッケージングです。

箱の中にしまい込むのではなく、時計や宝石のように、パッケージを開けた瞬間に全体像が目に飛び込む演出はさすが。

Leica LUXグリップの構造は、MagSafeに対応したプレートに円柱状のグリップを取り付けたシンプルなもの。アルミニウムを使ったオール金属製の筐体で、重厚感があります。カラーはブラック一色で、サラッとした表面は高級感のある美しい仕上がりです。

直線と円の組み合わせで構成された美しいデザイン。シャッターボタンだけがシルバーで、それ以外は黒一色です。ロゴは、おなじみの赤いライカバッジではなくホワイト。全体を調和させています。

3つのボタンとホイールだけ。極めてシンプルなiPhone用カメラグリップ

グリップの上部は斜めにカットされ、そこにシャッターボタンと2つのFN(ファンクション)ボタンを配置。グリップ側面には回転ホイールが埋め込まれています。

操作系はこれだけで、デザインや操作ボタンの配置もライカらしく非常にシンプル。手にした時点で、他社製のiPhone用グリップとは別世界の存在だということがヒシヒシと伝わります。

グリップ底部には、充電用のUSB-Cポートと動作状況を示すLEDランプ、4分の1DINサイズの三脚用ネジ穴があります。

同梱物は、USB-C充電ケーブルとクイックスタートガイドのみ。充電アダプタは付属しません。クイックスタートガイドに記述はありませんが、技術データによれば、内蔵バッテリは3.7V/0.5Aのリチウムイオン電池です。

そのため、USB 2.0に対応した5V/0.5A(2.5W)の電源アダプタがあれば充電できます。充電時間は最大2時間。1回の充電で、約1000枚の撮影ができるとか。

各国語版のクイックスタートガイドと、ファブリック素材のUSB-C充電ケーブルが付属。

MagSafe対応でiPhoneに張り付く! 撮影は、専用カメラアプリ「Leica LUX」で

Leica LUXグリップは「Leica LUX」アプリと連動して動作するため、インストールが必須です。「Leica LUX」アプリは基本無料で使えますが、課金することでシミュレートできるレンズが増えます。そのため、Leicaの魅力をiPhoneで味わい尽くすなら、課金をおすすめしたいところ。

ちなみに、Leica LUXグリップを購入後、3カ月以内に「ライカアカウント」と紐づけると、1年間「Leica LUX」アプリの有料プランが無料で利用できます。

さて、iPhoneとのペアリングは、「Leica LUX」アプリのメインメニューで[Pair a Grip]を選択し、あとは画面の指示に従って操作していくだけです。なお、Leica LUXグリップは、2つのFNボタンを同時に長押しするとペアリングモードに切り替わります。

Leica LUXグリップはMagSafeに対応しているので、iPhone 12以降のモデル(iPhone SEシリーズを除く)であれば、背面に磁力吸着します。

バッテリ充電中は、Leica LUXグリップのLEDランプが緑色と赤色に点滅します。緑色の常時点灯になったら満充電の状態。バッテリ残量が15%以下になると、赤色で点滅します。

Leica LUXグリップとiPhoneのペアリング手順

「Leica LUX」アプリを開き、[A MODE]もしくは[P MODE]→[Menu]をタップ。
[MAIN MENU]が表示されました。続いて[Pair a Grip]を選択します。
グリップの種類を選びます。今回は上部のLeica LUX Gripをタップ。
「Leica LUX」アプリは日本語未対応です。ただ、イラストに沿って操作すれば迷うことはないでしょう。まずは電源をオン。
FNボタンを同時に長押し。
[Grip Connected]と表示されたら、ペアリング完了の合図です。

iPhoneとLeica LUXグリップの親和性は抜群! 縦位置/横位置の切り替えも簡単です

iPhoneにLeica LUXグリップを装着すると、デザインがマッチし、美しさがさらに際立ちます。MagSafeによる吸着力も素晴らしく、iPhoneを回転させるだけで縦位置、横位置の切り替えが可能です。

iPhoneとの親和性は抜群。MagSafeによる安定感もすばらしい。
iPhoneを回転させれば、Leica LUXグリップを装着したまま縦位置に切り替えられます。

ちなみに、Leica LUXグリップは左利き用に調整することもできます。Leica Cameraのサイトには、Leica LUXグリップの技術データやテクニカルデータが掲載されており、そこには「Leica LUXグリップのMagSafeプレートは背面の2つのトルクスネジ(M3)を開けると簡単に取り外すことができ、プレートを180度回転させて再度取り付ければ左利き用になる」と記述がありました。

Leica LUXグリップの背面にある2つのネジを取り外し、プレートを反対方向に装着し直せば、すぐに左利き仕様に。

ボタンやホイールも上質な仕上がり。Leica SL2とほぼ等しいフィーリングでパシャリ!

操作感も非常にグッド。シャッターボタンは2段階動作で、半押しでピントが合い、全押しで写真を撮影できます。

ボタンのガタつきは一切なく、押したときの引っ掛かりなどもありません。筆者が愛用しているLeica SL2のシャッターボタンと、ほぼ等しいフィーリングでシャッターが切れました。おそらく、多くのLeicaファンも同じ感想を覚えるでしょう。FNボタンの押し具合や、ホイールの回転もスムースです。

iPhoneケースがMagSafe対応なら、ケースを装着した状態でもLeica LUXグリップを使えます。
自然と指がシャッターボタンにかかり、FNボタンやホイールも、グリップを握った状態で無理なく操作できました。
横から見るとこんな感じ。ガシッと握って、安定感のある撮影が可能です。

FNボタンはカスタム可能。「Leica LUX」アプリの機能を使い倒そう!

FNボタンは、FN1に「Photo/Aperture」モードの切り替え、FN2には「Front/Back Camera」の切り替えが設定されています。その内容は「Leica LUX」アプリで変更できるので、LeicaのSLシステムやQシリーズなどを使っているユーザは、カメラと同じにしておくと使いやすいでしょう。

また、クリックホイールを押すと「Leica LUX」アプリの機能を呼び出すことが可能です。「Leica Looks」と呼ばれるいわゆるフィルタの選択ができるほか、その強度や、シャッタースピード、ISO感度などを、ホイールを回すことで調整できます。

FNボタンのカスタマイズ方法

「Leica LUX」アプリの[MAIN MANU]から[Leica LUX Grip]を選択。
続いて[FN Button 1]あるいは[FN Button 2]をタップ。
開く画面で、各FNボタンに割り当てる機能を変更できます。
FN1とFN2に割り当てる機能は、11種類用意されています。
デフォルトで選択されている[Photo/Aperture]や[Front/Back Camera]のほか、[Grid]や[Focus Peaking]など多種多様です。

iPhoneの遠隔コントローラやスタンドにも。Leica LUXグリップはマルチに使える!

ちなみに、Leica LUXグリップは、iPhoneに装着していない状態でも利用できます。Bluetoothの通信範囲内であればペアリングが維持されるため、遠隔シャッターとしても使えるわけです。

また、グリップ部分をiPhoneスタンドにすることもできました。安定感があるため、縦位置、横位置のどちらでも使えます。

Leica LUXグリップは、iPhoneカメラのコントローラとしても使用可能です。遠隔操作できることで、別途三脚を用意しての撮影など、撮影の選択肢が広がります。
角度調整はできませんが、グリップ部分を土台にすれば簡易的なスタンドとしても使えます。

もたらすのは“集中力”。設定、調整、撮影。あらゆる工程を片手で

普段から「Leica LUX」アプリを使って写真を撮る機会が多い筆者。Leica LUXグリップのおかげで、その楽しさと快適さが爆上がりしました。

Leica LUXアプリに限らず、iPhoneで撮影する際は、画面のタップやスライド操作が欠かせません。これが意外と、手間に思えたりするものです。その点、Leica LUXグリップがあればFNボタンやホイールで機能選択やパラメータの変更がスムースにこなせます。

ちょっとしたことですが、iPhoneをホールドした状態で設定をいじれるのは大切なこと。撮影への集中力が段違いですから。それが自然にできるのは、Leica LUXグリップと「Leica LUX」アプリの組み合わせの成せる技です。

FNボタンやホイールで、機能選択とパラメータ変更ができるのが非常に便利。写真撮影に集中できます。

Leicaユーザの手になじむ即買いアイテム!…しかし大人気で欠品中

Leica LUXグリップのリリースを見たとき、Leicaファンである筆者は、シンプルな円柱デザインのグリップ部分に不安を覚えました。エルゴノミクスデザインを取り入れているとはいえ、それで安定感を出せるのか…?と。しかし、実際に手に取ってみると妙にしっくりきます。

ふと手元のLeica M10と並べてみたところ、その理由が見えてきました。

Mシリーズのボディは、円柱を押し潰したような楕円形。そして側面は半円状です。そのアール部分が、Leica LUXグリップとよく似ているのです。使ってすぐ、私の手になじんだ理由がわかりました。

Leica Mシリーズの側面と、Leica LUXグリップのグリップ部分は近しいデザインです。

これは買いでしょう!とポチろうとしたら、なんと予約待ち。

「※本商品は世界的に予想を大きく上回るご注文をいただいているため、お届けまでに大変長くお待ちいただくことになる見込みです。予めご了承いただきますようお願いいたします。」とWebサイトに書かれていました。

まだまだ入手困難は続くようですが、もしチャンスがあれば、少しでも触ってみることをおすすめします。特にLeicaユーザは、その魅力に一瞬で虜になるでしょう。

今回は試せませんでしたが、別売の純正レザーケース(8800円)も上質でいい感じ。Leica LUXグリップ、ケーブル、充電器などを収納でき、AirTag用ホルダも備えているようです。写真●Leica

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著者プロフィール

松山茂

松山茂

東京の下町・谷中を拠点として日々カメラと猫を愛でながら暮らすフリーライター。MacやiPhone、iPadを初代モデルから使ってきたのが自慢。

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