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【全文公開】中島健人 スペシャルインタビュー。新しいスマホをホワイトにした理由。“今の自分”と照らし合わせた

著者: 関口大起

【全文公開】中島健人 スペシャルインタビュー。新しいスマホをホワイトにした理由。“今の自分”と照らし合わせた

Mac Fan 2025年3月号』の表紙には、中島健人さんに登場いただきました。本記事では、中島さんが大好きだというカメラ、そしてガジェット選びにこだわり、主演映画「知らないカノジョ」の裏側について伺った、インタビュー記事の全文をお届けします。

中島健人
1994年3月13日生まれ。東京都出身。2011年に男性アイドルグループ「Sexy Zone」のメンバーとしてメジャーデビュー。ケンティーの愛称で親しまれる。2024年3月にグループを卒業し、ソロ活動に専念。以降はアイドル、歌手、俳優とマルチに活躍中。

Photograph◦長屋和茂
Hair & Make-up◦秋月庸佑
Stylist◦渡邊奈央(Creative GUILD)

カメラにスマホ、ヘッドフォン。中島健人的、ガジェットの使い方・選び方

──主演映画「知らないカノジョ」で中島さんが演じたリクは小説家で、パソコンに向かって執筆に勤しむ姿が印象的でした。中島さん自身は、どんなデジタルデバイスをお持ちですか?

カメラが好きで、いくつも持っています。最近よく使うのはVlogカメラですね。海外の仕事も多いので、手軽で持ち運べるのが便利で。いろいろな国に連れて行っています。

──Vlogカメラ以外には、どんなカメラをお持ちですか?

一眼レフやコンデジ、あとはドローンも。スマホでももちろん撮りますよ。ブログやインスタグラム(Instagram)に載せるために撮影することも多いです。ブログはもう、7年くらい前から毎日写真や動画をアップしています。

──どんなときに撮影したくなりますか?

たとえば海外だと、すべての景色が珍しいから、自分の目に映った一部始終をカメラに収めたくなっちゃいますね。あとはホテルで過ごす日常的な自分も撮ったりします。

──いわゆるVlogを楽しんでいると。

そうですね。そういった動画は、主に「I AM:U」という僕のファンクラブの会員の皆さんに公開しています。

──カメラ以外のお気に入りのガジェットも教えてください。

ヘッドフォンもいくつか持っています。自分で楽曲制作をすることが増えたので、音の奥行きを確認するためにもこだわりたくて。あとは最近、スマホもちょっといいモデルに買い替えました。

──カメラと違って、ヘッドフォンやスマホはカラー選びも楽しめますよね。選ぶ際のこだわりはありますか?

そのときの自分と照らし合わせることが多いです。1つ前に使っていたスマホは青色でしたが、それは当時出演していた海外ドラマの役のテーマカラーがブルーだったからです。で、今はホワイトを使っています。2024年、僕は新たなスタートを切って“新人”になったので、イノセントな気持ちでいたいなって。

「カメラの前でありったけの赤裸々を…」。中島健人の新たなスタート

──“新たなスタート”というと、強制的に「もうひとつの世界」に放り出されてしまうリクもまさにそうですよね。成功も地位も失って過酷な環境に立たされるリクを演じるにあたり、どんな準備をされましたか?

クランクインの前から三木監督に相談していたのですが、「今まで論理的にやってきたと思うけど、何も考えず、感覚で作品に向き合ってみて」という言葉をもらいました。それもあって、できるだけナチュラルな状態でリクに向き合ったので、特に役作りはしていないんです。でもそれが、リクの自然な表情だったり感情だったりを表現できた理由なのかなと思っています。

──ずっと三木監督と仕事をしたかったとコメントを出されていましたよね。

そうなんですよ! もう10年以上前から“憧れ”ていました。

──憧れですか。

うん。三木監督は、『陽だまりの彼女』とか『アオハライド』とか、誰もが楽しめる恋愛映画を作ってきた人だから、きっと僕のもっともいい部分を引き出してくれるって思っていたんです。でもこれまでタイミングが合わなくて。結果的には、すごくいいときに出会えたと思いますけどね。

──そんな三木監督のもと、リクを演じてみていかがでした?

僕の心が揺れ動いていた時期でもあったから、絶好の機会に役が舞い降りてきましたね。あんなにグラグラしている“中島健人”は、ほかではみられないんじゃないかな。

──ファンの皆さんからしても、かなり新鮮に映りそうですよね。

芝居って、言ってしまえば嘘をつくことじゃないですか。それとナチュラルでいることは裏表です。だから今回、演技はするけど嘘はつかない。カメラの前でありったけの赤裸々を見せることを意識しました。新しい体験でしたね。正直、観られるのがちょっと恥ずかしいくらいです。ナチュラルな自分が出過ぎていて、こんな俺、いいのか?って(笑)。あんなに“素の泣き方”を見せることになるとは…。

どんな経験も作品に昇華。中島健人の“一番の生きがい”とは?

──Apple専門誌の編集者としては、本来の世界のリクはノートパソコンにステッカーをたくさん貼っているのに、もうひとつの世界のリクは何も貼っていないのが気になりました。あれはどういった意図なのでしょうか。

監督に確認はしていませんが、たぶん、本来の世界ではミナミと出会って人生に彩りが出て、ステッカーを選んだり貼ったりするセンスが育まれたんじゃないですかね。逆に、IFの世界ではそれがなかった。

──ちなみに、中島さんは“貼る派”ですか?

時期によりますね。スマホの場合は貼らずにケースに挟んだり。それこそ、センスが出て難しいですよね(笑)。

──本作は、失敗や後悔からどう立ち直るかというのが大きなテーマになっていると思います。中島さん自身は、問題に直面したときどのように乗り越えますか?

作品に昇華するようにしています。演技は理論立てて考えすぎてしまうほうなのですが、音楽を作るときは感情ベースです。自分から地続きに出る言葉じゃないと説得力がないと思っているので。もちろんコライトとか、提供していただいた楽曲を自分色に染めるのも楽しいですけどね。それは今までもたくさんやってきたから。

僕が今、一番生きがいを感じてやっているのは、自分から滲み出るものを形にして、それをたくさんの人と共有していく作業です。どんな経験でも作品にしてしまえば、「そのための体験だったんだ、ありがとう」と思えるんですよね。

──そういう意味では、今の中島さんが詰まった本作は大注目ですね。さて、リクのパートナーであるミナミを演じたmiletさんは、本作が本格的な演技は初挑戦と伺っています。共演してみていかがでしたか?

全然緊張が見えなくて、現場に入ったときから“俳優さん”でした。たとえば、撮影の合間にmiletちゃんに声をかけられたんですけど、なんか噛み合わない。なんでだろうと思ったら、ミナミとしてリクに話しかけてきていたんです。スッと自然に役に入っていて、それどこで学んだの?って本気で驚きました。もし僕がプロデューサーだったら、もう次回作のオファーをしています。

「知らないカノジョ」は、大好きなラブストーリーへの恩返し

──ナチュラルなリクとミナミは、すごく素敵な関係に見えました。続いて、中島さんが好きなシーンを教えてください。

リクとミナミが二人きりで家にいるシーンです。ぜひ劇場で観てほしいですが、なんかすごい、こう…ドキドキしますよね(笑)。miletちゃんも僕とのセッションをすごく楽しんで、むしろ挑んできてくれる人だったから、とてもいい雰囲気で撮影できたと思います。

──まさにラブストーリーらしいシーンです。

僕はラブストーリーが大好きなんですよ。たくさんのラブストーリーを観て、幸せな気持ちになったり、勇気づけられたりしてきました。僕がそういった作品に関わっていくことは、恩返しに近い感覚もあります。これまでの僕を作ってくれたことへの感謝。作品を観た誰かが告白するだとか、愛を伝えたいと思うきっかけになったらうれしいですね。

──リクのアニキ的な存在である梶原恵介(演:桐谷健太)との友情も印象的でした。

ありがとうございます。キリケンさんとはプライベートでも仲良くさせてもらってるんです。二人で焼肉に行ったり、飲みに行ったりもするし。現場にキリケンさんがいる日だっていうだけで楽しい気持ちになっちゃったり(笑)。僕は好きな人には好きって言いたくて、仮にそうされたら両手を広げて抱きしめてあげたいタイプだから、同じように接してくれるキリケンさんは最高なんです。

──作品内の関係性と同じじゃないですか!

そうそう(笑)。それこそ演技プランは用意せず、スムースに撮影に入れました。ただ、ある撮影が終わった日の夜中、キリケンさんが電話をしてきたことがありました。「あのシーンなんやけどな…」って。たぶん、1時間半くらいかな。プライベートでよくしてもらっているからこそ、お互い思うことを全部ぶつけられた気がします。

──自然と桐谷さんのモノマネが出るあたり、仲の良さが見えますね(笑)。撮影時のエピソードをいくつか伺いましたが、中島さんは「知らないカノジョ」をどんな人に観てほしいですか?

普遍的なラブストーリーとして、多くの人に楽しんでもらいたいです。でも強いて言うのであれば、「自分ってこれでいいのか」なんて悩んでいる人に観てほしいですね。そういうものを解消してくれる映画だと思うから。ただ、僕のファンの方にはどう映るんだろう、という不安もあります。

──それだけナチュラルに向き合ったと。

そうですね。本当にやりきったので。といっても、いい作品ができたという自信は揺るぎないです。

ソロ活動をはじめて開いた、新たなドア。「個人の活動としては、今が一番充実しています」

──インタビューをとおして、中島さんとリクの共通点がたくさん見えた気がします。リクは小説家ですが、中島さんは文章を書くことに興味はありますか?

文章を書くのは好きですが、それを仕事にするかといわれると難しいですね。クリエイティビティを発揮するのであれば、音楽のほうに力を注ぎたいから。

──音楽制作のどんな作業に楽しさを感じますか?

僕が作ったプロットに対して、たくさんの人のナレッジを持ち寄って詰めていくのが好きです。最近だと「Concordia」という海外ドラマ用に作った楽曲があるのですが、編曲の担当者にイメージを伝えたら提案がいくつも返ってきました。それも、僕一人で考えていたら生まれなかったものばかりです。

自分のナレッジとその道のプロのナレッジがかけ合わさっていくこの感覚は、すごく楽しいですね。グループを離れてソロ活動を始めて、逆に一人じゃないことに気づかされたというか。僕の周りにはたくさんの人がいて、そのアイデアを集約して、僕というフィルタをとおして作品が完成している。新しいドアが開いた感覚があります。

──中島さんの今後の活躍に期待が膨らみます。

ありがとうございます。僕個人の活動としては、今が一番充実しているタイミングかもしれません。楽しみにしていてください!

知らないカノジョ

【出演】中島健人、milet、桐谷健太、中村ゆりか、八嶋智人、円井わん/眞島秀和、風吹ジュン
【監督】三木孝浩(「今夜、世界からこの恋が消えても」「きみの瞳が問いかけている」) 【原作】『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』(原題:Mon Inconnue)(ユーゴ・ジェラン監督/2021年)
【配給】ギャガ

大学時代に出会い、お互い一目惚れして結婚したリクとミナミ。それから8年、小説家を目指していたリクは、ミュージシャンの夢を諦めたミナミのサポートのかいもあり、一気に人気のベストセラー作家となった。すべてがうまくいっている、そう思っていた。ところが、ある朝リクが目を覚ますとミナミの姿はなく、出版社に打ち合わせに行くも出会う人々とまったく話が噛み合わないことに戸惑いを覚える。なんと人気作家だったはずの自分は文芸誌のいち編集部員になっており、街には天才ミュージシャンとして活躍する、自分とは知り合ってもいない“前園ミナミ”の姿と曲が溢れていた─。

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著者プロフィール

関口大起

関口大起

『Mac Fan』副編集長。腕時計の卸売営業や電子コミック制作のお仕事を経て、雑誌編集の世界にやってきました。好きなApple Storeは丸の内。Xアカウント:@t_sekiguchi_

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