家電の新・三種の神器のひとつにも挙げられ、今や家事負担を減らすものとして欠かせない存在となった「ロボット掃除機」。
Mac Fan Portalでも、さまざまなメーカーのロボット掃除機をレビューしてきた。
今回は、Mac Fan Portal初登場となるロボット掃除機メーカー「Roborock(ロボロック)」のイチオシ製品「Qrevo Curv」を取り上げようと思う。
これまで使っていたロボット掃除機の「水拭き機能」に不満があった
製品を紹介する前に、筆者のプロフィールについて簡単にまとめておく。
決して広くはない2LDKの賃貸物件に、妻と2歳の息子の3人で暮らしている我が家。
共働きなのも相まって、ご多分に漏れず、ロボット掃除機は欠かせない存在だ。
これまで使っていたのは、6万円台の某メーカーのロボット掃除機。ゴミ自動収集ステーションを完備していて、パワフルな吸引力を誇り、本体サイズもコンパクトで、とてもよい製品だ。
ただ、唯一気になっていたのが「水拭き機能」だった。
お掃除シートを取り付けることで水拭きするタイプなのだが、シートが使い捨てで衛生的な反面、長時間水拭きしているとシートが乾いてしまい、掃除が終わるころにはカピカピで、まるでドライシートのようになっていた。
取り付けの煩雑さもあり、なかなか頻繁に水拭きを行うことができなかったのだ。

乳幼児を持つご家庭ならわかっていただけるでしょうが、息子(2歳児)が大人しく食事をしてくれるはずがなく、食事の際には何かしらの食べかすが床に落ちる毎日…。
本当は毎日水拭きしたいのだけどなぁ…。
なんとかしたいと思っていた矢先に、「Roborock」から「Qrevo Curv」がリリースされたことを聞きつけ、レビュー用に製品をお借りしたという経緯だ。
圧倒的な吸引力でゴミや髪の毛を残さない!
まず、ロボット掃除機で肝心の「吸引力」については、Roborock史上最高の1万8500Paを誇る。メーカー曰く、カーペットの毛の除去率は99.5%を達成したそうだ。
それに加えて「デュアル毛がらみ防止ブラシ」によって、ゴミや髪の毛を効率的にかき集めるため、四隅や壁際も隅々まできれいにしてくれた。

また、自動的に本体の前輪を持ち上げる「リフトアップ機能」を搭載していて、最大4cmまでの二層の段差(一層の段差は最大3cmまで)を乗り越える。
我が家ではキッチンの近くに突っ張り式のベビーゲートを設置していたのだが、その段差も軽々と超えてきた。

ほかのロボット掃除機と一線を画す、曲線を多様した美しいデザインにも注目したい。
なめらかで丸みのあるフォルムはどんなインテリアにもなじむだろう。


水拭き機能によって「菩薩の心」を得られた
ここで私の悩みだった「水拭き機能」について言及しよう。
「毎日水拭きしてくれるって素晴らしい…!」
これが、お借りしてから1カ月間毎日使った感想だ。
それくらいQOLが上がったことを実感した。
息子がなにか食べ物をこぼしても、「『Qrevo Curv』があとで掃除してくれるからいいや」と菩薩のような心を持つことができたのだ。
最大200回転/分で高速回転する水拭きモップは、汚れをしっかりと拭き取ってくれたし、水量を30段階で調整できる点も地味にうれしかった。


水拭き中および終了時には自動でドックに戻り、モップの汚れを洗浄してくれる。
最高75度の温水で洗浄することで、ほとんどの細菌を除去して、常に清潔なモップに保ってくれた。
洗浄されたモップはその後、熱風で自動乾燥されるため、臭いやカビの発生も心配なし。

水拭き掃除中にロボット掃除機内の水タンクの水量が不足すると、自動でドックに戻り給水をして、また掃除に戻るので、水拭きの水量は常に一定を保てるのが素晴らしい。
洗浄音も乾燥音も、個人的にはほとんど気にならないレベルの大きさだった。
また、ドック内には60日分(2.5l)のゴミが溜められるので、ゴミを捨てる手間も大幅に削減できる。
コントロールを行うための専用アプリ「Roborock」のUIも非常にわかりやすかった。
掃除の状況をリアルタイムで確認できるほか、エリアごとの掃除など、細かいカスタマイズも可能だ。清水タンクが空になったりすると、しっかり通知してくれるのも助かる。


また、ロボット掃除機にカメラが搭載されているので、アプリ経由で部屋の様子をリアルタイムで確認が可能だ。留守中のペットなどの様子を確認するのに役立つだろう。ちなみに内蔵マイクを通して双方向通話も行える。
個人的な気になりポイントは「サイズ」と「価格」
よいところだらけの「Qrevo Curv」だが、気になったポイントもある。
「Qrevo Curv」の本体サイズは352×347×103mmと特筆して大きいわけではない。
しかし、従来私が使っていたロボット掃除機の本体サイズが248×248×92mmと非常にコンパクトだったため、これまで掃除できていたダイニングテーブルの下や4本脚椅子の中、ソファーの下などに、物理的に入り込めなかったのだ。
そのため、入り込めるように家具を動かしたりと「お膳立て」をする必要があった。

あとは、「24万1780円(希望小売価格)」という価格をどう捉えるかだろう。
紹介してきたように、これほどの高機能なので「高すぎる」とは言わないが、なかなか手が出ない金額だ。
「Qrevo Curv」の見た目や、搭載されている多くの機能が“刺さる”方はこれ一択だろう。
しかし、ここまでモリモリの機能は必要ないという方にとっては、機能を絞り込んで、ほかの製品を検討してみてもいいと思う。
それこそ、同じRoborockの製品にもたくさんのラインアップがあるため、自分に最適なロボット掃除機がきっと見つかるはずだ。
著者プロフィール

笹本貴大
『Mac Fan』編集長。1989年生まれ、東京都青梅市出身。ベビーテックに興味あり! FP3級、世界遺産検定3級、名探偵コナン検定1級。 Xアカウント:@ssmt_tkhr