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HHKB Studioに新色登場! “変態”キーボードの魅力をおさらい。「墨」もいいけど「雪」も美しい…!

著者: 関口大起

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HHKB Studioに新色登場! “変態”キーボードの魅力をおさらい。「墨」もいいけど「雪」も美しい…!

少しでもガジェットが好きならば、HHKB(Happy Hacking Keyboard)を知らぬものはいないだろう。言わずと知れたリッチなキーボード。独自のキー配列、極上のキータッチ、コンパクトなサイズ感…。その魅力から、多数のマニアが存在するアイテムだ。

そんなHHKBブランドが、2023年10月に新モデルを発売した。それが「HHKB Studio」だ。特徴は後述するが、「最小の動きで、無限大の創造を」というキャッチコピーからもわかるとおり、パソコンの周辺機器に求めるさまざまな機能が詰め込まれた“オールインワン”性能で大きな反響を呼んでいる。

そして今回、そのHHKB Studioから新色「雪」が登場。本記事では、HHKB Studioの特徴を振り返りつつ、「墨」か「雪」か、カラー選びの参考になるよう製品の魅力を解説していく。

HHKB Studio 日本語配列/墨

【発売】
PFU
【価格】
4万4000円

HHKB Studio 日本語配列/雪

【発売】
PFU
【価格】
4万4000円

HHKBの異端児。メカニカルスイッチを採用した「HHKB Studio」

HHKBの代名詞といえば「静電容量無接点方式」のキースイッチだ。静電容量無接点方式は、キーボードにおける最上級のスイッチング方式のひとつ。円錐スプリングを押し下げることで発生する、電荷の容量値変化によって(無接点で)スイッチングする。これにより、程よい跳ね返りを感じる極上のキータッチを生み出しているのだ。

一般的なキーボードに採用されているメンブレン方式と、静電容量無接点方式の図解。後者のほうが耐久性に優れ、3000万回以上の打鍵が可能とされている。写真●PFU

一方、HHKB Studioはメカニカルスイッチを採用した。HHKBの歴史において、同スイッチが採用されたのは初めてのことだ。

静電容量無接点方式のモデルと比較すると、HHKB Studioの打鍵感はかなりソフト。しかし軽すぎることはなく、程よいフィードバックが心地いい。従来モデルのキータイピングのオノマトペがカチャカチャだとすると、HHKB Studioはスコスコしている。メカニカルスイッチに対し、“クリック感が強い”という印象を持っている人もいるだろう。しかし、リニアタイプ(押下圧45g)のスイッチを採用することで、静音性と滑らかなキータイプを実現している。

どちらの方式も利用経験がある筆者からすると、打鍵感の気持ちよさは甲乙つけがたい。静電容量無接点方式を愛しているユーザも、スムースに移行できるのではなかろうか。

程よく沈み込み、リズミカルにタイプできる。

マウスとトラックパッドの機能を詰め込んだオールインワン

HHKB Studioの特徴はキースイッチだけではない。まずは、中央に鎮座するポインティングスティック。ホームポジションに手を置いたとき、人差し指で操作できる位置に配置されている。また、[スペース]キーの手前にはマウスボタンも搭載した。一般的なマウスのように、左ボタン、中央ボタン、右ボタンの3つを備え、押し込めばクリックできる。

ポインティングスティックに関しては、細かい操作をするには慣れが必要だ。しかし、熟練すればキーボードから手を離すことなく、パソコンを完璧にコントロールできるだろう(と言いつつ、筆者はなかなか使いこなせずにいる)。

[G][H][B]キーの間に配置されたポインティングスティック。
手前に配置されたマウスボタン。タイピングするように、両手の親指でクリックできる。

また、筐体の左右と手前の合計4箇所に配置されたジェスチャパッドも見逃せない。デフォルト設定では、画面のスクロールや切り替えといった操作が可能だ。

キーボード前面のジェスチャパッド。なぞるように操作する。
ジェスチャパッドは、キーボードの両側面にも搭載されている。

HHKB Studioのカスタマイズ性を加速させる専用キーマップツール

HHKB Studioには専用のキーマップツールが配布されており、キーのカスタマイズやショートカットキーの割り当てにも対応する。また、前述のポインティングスティックやジェスチャパッドの設定変更も可能だ(オン/オフの切り替えも)。筆者は、ポインティングスティックを「タップしてクリック」する機能をオンにして、なるべくマウスレスで、マウスボタンすらも利用を最小限にしてMacを操作できるよう“練習”中である。

キーマップツールのキャプチャ。直感的なカスタマイズが可能だ。

なお、カスタマイズしたキーマップは、プロファイルとしてHHKB Studio本体に最大4件まで保存できる(USB-Cケーブルによる有線接続が必要)。OSやアプリケーションごとに用意するのもいいだろう。

またソフトウェア上だけではなく、キーは物理的に入れ替えできる。対応するのは、純正キースイッチのほか、3ピン/5ピンの互換メカニカルスイッチ(Cherry、Gateron、Kailh社製)。もちろん、スイッチだけでなくキートップの変更も可能だ。キートップの3Dデータが公開されているため、3Dプリンタなどを用いてオリジナルを作るのも楽しみ方の1つだ。

ホットスワップ方式に対応し、スイッチを入れ替えられる。キートップの変更も可能だ。

カラーだけじゃない多彩なキーのバリエーション

今回登場した「雪」と既存モデルの「墨」。カラーはこの2色展開だが、配列を含めると4つの選択肢となる。

「雪」と「墨」のカラー展開。

英語配列か日本語配列か、使い慣れた配列を選ぶのが一番だが、なんとなく英語配列に憧れる気持ちはよくわかる。かく言う筆者は、学生時代に英語配列のMacBook Airを購入して慣れるのに難儀した。結局今は、MacBookも外付けキーボードも日本語配列に落ち着いている。

オプションとして販売されている、バラエティ豊かなキートップにも注目したい。標準搭載されているものと同様のクールグレー印字と、新たに登場した「黒印字」、そしてHHKBでは定番の「無刻印」をラインアップ。黒印字については、薄暗い環境やVision Pro(あるいはVRゴーグルなど)を装着時でも視認性を維持できるように用意されたという。

PFU キーボード HHKB Studio キートップセット(雪)日本語配列/黒印字

【発売】
PFU
【価格】
7590円

PFU キーボード HHKB Studio キートップセット (雪)日本語配列/無刻印

【発売】
PFU
【価格】
7590円
Vision Proを装着した状態で、HHKB Studioを視界に入れたときのイメージ。こちらは標準搭載のクールグレー印字。
一方の黒印字。コンセプトどおり、Vision Pro装着中でもはっきりと印字が視認できる。

専用アクセサリも続々! イチオシはかわいい風呂敷です

キートップだけではなく、HHKBには専用アクセサリが多数用意されている。ノートパソコン上でHHKBを使えるようにするキーボードカバー、埃除けのキーボードルーフ、上質な木製パームレスト、お掃除&メンテナンス用のブラシ、取り回しのいいL字ケーブル…とジャンルもさまざまだ。

そんな中、筆者が特に気に入っているのが「くっつくクロスHHKB風呂敷」だ。

4つのデザインが用意された風呂敷。

マイクロファイバー由来の極細繊維を採用しており、布同士がピッタリくっつく不思議な仕様。HHKB Studioを包めば、専用ケースのように使用できる。HHKB Studioは、日本語配列モデルが830g、英語配列モデルが840gとずっしりしているが、ぶら下げて持つようにしても落下しないのは驚きだ(下図)。

一見“ただの布”だが、折りたたむだけで強力にホールドしてくれる。

ラインアップは、ブラック、グレー、猫、キーボードの4種。使いやすいのはブラックやグレーだと思いつつ、つい猫に手を伸ばしている私がいる。

くっつくクロスHHKB風呂敷(ブラック)

【発売】
PFU
【価格】
2750円

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著者プロフィール

関口大起

関口大起

『Mac Fan』副編集長。腕時計の卸売営業や電子コミック制作のお仕事を経て、雑誌編集の世界にやってきました。好きなApple Storeは丸の内。Xアカウント:@t_sekiguchi_

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