※この記事は『Mac Fan』2022年10月号に掲載されたものです。
iPhoneがあればレジ待ちなしで注文可能!
大手カフェチェーン「スターバックス(以下、スタバ)」では、その人気ゆえにレジの注文待ちで長蛇の列ができていることが多々あります。長い列を見て注文をあきらめた経験がある人もいるかもしれませんが、実はモバイルオーダーを利用すると待ち時間を短縮することができるのです。
モバイルオーダーの手段としては、公式サービスの「Starbucks Rewards」を利用します。iPhoneの公式アプリやWebサイト、LINEなどでモバイル注文を行えますが、ここではアプリ版を例に使い方を解説します。
まず、アプリのダウンロード後に会員登録を完了させ、モバイルオーダーやレジでの注文時に利用できる物理カード(スターバックスカード)、もしくは同アプリで発行できるデジタルカード(モバイルスターバックスカード)をアプリでの支払い用に設定します。その後、商品代金を支払うためのお金をカードに入金しておきましょう。チャージ額は1000円以上の金額から自由に決めることができ、金額決定後にApple Payなど複数の方法でチャージできます。この作業まで完了させておけば、同アプリからモバイルオーダーを利用可能。注文したい商品や商品を受け取る店舗、カスタマイズ(シロップ追加などのアレンジ)を選んで注文すると、行列を横目に約5〜15分程度で商品をサクッと受け取れますし、販売数が限られた季節限定商品が売り切れる前に購入しやすいというメリットもあります。
なお、同アプリに登録したカードにはオートチャージを設定可能。「カード残額が1000円以下になった場合、自動的にクレジットカードから2000円チャージする」など、指定した条件下で自動入金できるのです。
「Starbucks Rewards」にカードを登録すると、モバイルオーダーの代金を支払えます。
来店のモチベを高める仕掛けも複数用意
先ほども名前を挙げた物理カード「スターバックスカード」はスタバの店頭で販売されており、通常デザインのカードをはじめ、都道府県限定や期間限定など、限定デザインのカードも多数用意されています。これらを購入した場合も同アプリに登録することで残高を利用でき、カード登録時にはそれぞれの絵柄もアプリ内に表示されます。複数のカードを登録した場合は残高を1枚のカードに集約できるのですが、登録したカードはデジタルカードとしてアプリ内に残すことが可能です。私も日本全国各地で集めたカードをアプリに取り込んで、コレクションをたびたび眺めては楽しんでいます。
さらに、同アプリに登録したカードで商品を購入すると、店舗ごとに異なるオリジナルスタンプがアプリ内に溜まっていきます。これは「マイストアパスポート」というシステムで、訪れた店舗からのコメントや訪問回数をチェックできるほか、利用回数など特定の条件を達成すると「メダル」と呼ばれるスタンプも集められます。私はこれにも収集癖をくすぐられ、仕事の出張時や旅行時の休憩先にスタバを選ぶようになりました。そう、スタバの罠にまんまとハマっているわけです(苦笑)。
少し真面目な話をすると、モバイルオーダー機能を備えたほかのアプリとスタバのシステムが異なるのは、商品代金ぴったりの金額を都度支払うのではなく、あくまで「チャージ」という形にしている点。残額分のキャッシュが残り、次回の来店への動機づくりが行えるわけです。カードの収集機能や来店スタンプなどの仕組みも、来店へのモチベーションを上げるための施策のひとつ。新しい商品や割引を仕掛けることだけがプロモーションでないという好例です。
レジ業務を減らしつつリピート利用も狙える店舗側と、並ばずにサクッと商品を注文できる来店客。スタバが仕掛ける仕組みは、双方にとってメリットがある「キャッシュレス決済の見本」ともいえる画期的なシステムなのです。
私が同アプリに登録した限定カードの一部。カード収集が趣味のひとつになりました。
行列を横目に、コーヒーやラテをサクッと受け取れる便利なサービス。スタバファンは、一度使ったらきっとハマるはず!