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旅を仕事にする方法(後編)/四角大輔の「Mobile Bohemian 旅するように暮らし、遊び、働く」 【第16話】

著者: 四角大輔

旅を仕事にする方法(後編)/四角大輔の「Mobile Bohemian 旅するように暮らし、遊び、働く」 【第16話】

前回、ぼくがネット上で表現活動を始めたきっかけとして、2009年にTwitterを開始した経緯を書いた。しばらくはそこで発信を続けたものの、「ちゃんとした文を投稿したい」と思うようになり、2012年から約1年かけてTwitterからFacebookに移行。

Facebookで2〜3年ほど表現活動をしながら、自身のメッセージを、より包括的に、多面的に表現したくなり、約1年半かけて、オウンドメディア〈四角大輔のすべて/4dsk・co〉を制作し、2015年にローンチした。

同年、日本でのInstagramの盛り上がりを(かなり遅れて)知ることになり、慌ててInstagramを再開することに。ただ、Twitterを始めたときとは違い、完全に「1歩」遅れてしまっていた。

Instagramの台頭は、ぼくにとって大きかった。「インスタグラマー」という言葉が生み出され、多数のフォロワーと圧倒的な個人ブランドを構築している投稿者たちを、PRに活用する「インフルエンサー・マーケティング」という言葉が、一般的に使われるようになった。

さらに、「リアルタイム性」が、Instagram全体のカルチャーとなっていた。

これは、もともとリアルタイム性が売りだった、Twitter全盛期時代への原点回帰とも、「じっくり投稿」というFacebookが持つ性質への反動ともいえるだろう。そこで、昨年ぼくのInstagramが公式認証されたのを受けて、InstagramをぼくのメインのSNSとする、トータルでのSNS再設計を敢行した。

ぼくが発信できるメインコンテンツは、まさにリアルタイム性のものが多い。

ニュージーランドでの森の生活、世界中を旅する移動生活、「新しい」と称される独特の働き方、そしてライフワークとなっている長距離登山といった冒険など(日本だと山では結構3G電波を拾う!)。

その追い風を受けて、ぼくの移動生活にスポンサーが付くようになってきた。

たとえば、ぼくが毎年乗っている「ピースボート」でいうと、講演をする代わりに、船代、部屋代、食事代、港と日本の間を移動する航空機代を提供してもらっている。

ぼくの個人ブランドや表現力を提供する代わりに、移動費を旅行代理店にサポートしてもらったり。部屋や施設の状況を現地からリアルタイム発信する代わりに、宿泊費を割引してもらうパターンもある。日本とニュージーランド間を今よりも頻繁に往復していた頃には、航空会社とアドバイザー契約を結び、その報酬として年に数枚の往復航空券を受け取っていたことも。

ここに書いたのは一例で、ほかにもある。

しかも、そうやって好きな場所を自由に旅すること自体が、取材となり、連載や雑誌などの、さまざまなメディアでの記事に昇華させることができる。当然、ぼく自身の投稿のコンテンツパワーも高まる。

さらに、旅で得られる体験や知識が、ぼくのスキルや感性として蓄積され、アドバイザリー業やクリエイティブワークといった仕事のアウトプット向上にもつながる。

「旅を仕事にする」とは、二毛作、三毛作ともいえる、まさに理想の〝スキル交換〟というワークスタイルなのである。

ピースボートの船上にて。移動中もリアルタイムで情報発信する。(Photo:Daisuke YOSUMI’s iPhone)

※この記事は『Mac Fan 2017年4月号』に掲載されたものです。

著者プロフィール

四角大輔

四角大輔

作家/森の生活者/環境保護アンバサダー。ニュージーランド湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営み、場所・時間・お金に縛られず、組織や制度に依存しない生き方を構築。レコード会社プロデューサー時代に、10回のミリオンヒットを記録。Greenpeace JapanとFairtrade Japanの日本人初アンバサダー、環境省アンバサダーを務める。会員制コミュニティ〈LifestyleDesign.Camp〉主宰。ポッドキャスト〈‪noiseless‬ world〉ナビゲーター。『超ミニマル・ライフ』『超ミニマル主義』『人生やらなくていいリスト』『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』『バックパッキング登山大全』など著書多数。

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