ビジネス英語が学べること。リゾート的な立地であること。目の前が青い海であること! ぼくがフィリピンでの留学先を探すうえで出した条件は、シンプルにこの3つ。
現在、フィリピンには150を超える英語学校があるが、この条件に合致した学校はたった1つだけ。「セブ・ブルーオーシャン・アカデミー」。セブ島の海沿いにはいくつかの学校があるが、ここ以外はすべて、初心者のためのものだった。
この学校は、プール、プライベートビーチ、屋外バーなどを擁する海辺に建つホテルの敷地内にある。そのホテルの数フロアを借り切っていて、留学生はそのホテルに滞在する。海が見える部屋とそうでない部屋、個室から4人部屋まであり、当然、値段は条件によって変わってくる。もちろん、前述のホテル施設すべてが使用可能。
フィリピン留学の一番の売りは、留学費用が格安という点。学費、食費、宿泊費すべて込みで考えると、世界一安いのである。節約したい学生や20代前半の子たちは、もっとも低価格の4人部屋を、社会人経験を経てキャリアステップのために来た20代後半から40代にかけての世代は、二人部屋や個室に宿泊していた。期間は10日間ほどから、最長で約3カ月。
ぼくは「個室&海が見える部屋」をセレクト。この学校では一番いい部屋となるが、セブ島の同立地のリゾートホテルに滞在する値段プラスα程度の価格で、食費と学費込みと考えると、驚異的な安さだ。もちろん、あくまで学校の宿泊施設という位置づけのため、部屋のインテリアも学校の食事も、決して豪華ではなかったが、窓の外に広がる完全ブルーの海の絶景に、ぼくは大満足だった。
徒歩圏内には、新鮮なローカルフードを味わえるレストランや、清潔でリーズナブルなオイルマッサージ店もあった。週末には、学友たちと船をチャーターして、アイランドホッピングに出かけたり、世界で唯一ジンベイザメと泳げるビーチまで車を走らせたり。ぼくの過去の旅、トップクラスのリゾート遊びを楽しむことができた。
そして、英語を学ぶ環境としても、予想以上によかったのである。敷地内に個室、食堂、教室すべてがあり、移動はすべて徒歩1〜2分圏内。平日は毎日6〜8時間の授業が詰め込まれる。長年英語を学習してきたぼくでさえ、こんな便利で整った環境で、これほど集中的に勉強したことはなかった。
しかもぼくは、すべてを個人レッスンとしたため、約2週間という短い期間にも関わらず、飛躍的に自身の英語力をアップグレードすることができた。日本人を教えることに長けている先生たちは、日本人の苦手なポイントを熟知している。長年間違って使っていた発音や言い回しが丁寧に矯正され、ぼくの目的を理解したうえで、必要なフレーズやボキャブラリーを教えてくれる。個人レッスンならではの贅沢だ。何よりも、勤勉でフレンドリーなフィリピン人先生たちの人間性にぼくは惚れ込んだ。
ワールドクラスのビーチ遊びができ、人生をより豊かにデザインしてくれる英語力の向上も図れる。この究極のリゾート留学、ぼくは毎年やろうと思い始めている。
※この記事は『Mac Fan 2017年1月号』に掲載されたものです。
著者プロフィール
四角大輔
作家/森の生活者/環境保護アンバサダー。ニュージーランド湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営み、場所・時間・お金に縛られず、組織や制度に依存しない生き方を構築。レコード会社プロデューサー時代に、10回のミリオンヒットを記録。Greenpeace JapanとFairtrade Japanの日本人初アンバサダー、環境省アンバサダーを務める。会員制コミュニティ〈LifestyleDesign.Camp〉主宰。ポッドキャスト〈noiseless world〉ナビゲーター。『超ミニマル・ライフ』『超ミニマル主義』『人生やらなくていいリスト』『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』『バックパッキング登山大全』など著書多数。