Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

会社の登記変更書類をiPadで作ってみた! 「ファイル」アプリとネットプリントがあれば簡単です

著者: 美崎栄一郎

会社の登記変更書類をiPadで作ってみた! 「ファイル」アプリとネットプリントがあれば簡単です

※この記事は『Mac Fan』2021年8月に掲載されたものです。

オンライン申請はWindowsのみ対応。紙の書類を作成して持参することに…

今どきの働き方に合わせて“完全リモートワーク”を実現するために、このたび私の会社である株式会社a16のオフィスを移転することにしました。移転先は、港区にあるバーチャルオフィス。そのため、本店移転の手続きが必要になりました。

登記変更などの会社の手続きは、今まで専門家に処理していただいていたのですが、「どうせなら自分自身でやってみよう」ということで、書類の作成から申請まで自分でやってみることにしました。

最初はすべての手続きをネット上で済ませてしまおうと思ったのですが、「登記・供託オンライン申請システム」という登記変更に必要なシステムが、なんとWindowsのみ対応。これでは逆に手続きが煩雑になりそう…。なので、「法務局に紙の書類を作成して持参する」というアナログな方法を採用しました。

「Googleドキュメント」上でで書類作成。でもレイアウトのズレがちょっと気になる…

まずは、法務局のホームページから本店移転の書類を入手します。Word、Excel 、PDF形式でダウンロードできるので、Word形式を選択し、書類をGoogleドライブに保存したあと、Googleドキュメントで作成していきます。これならアプリ代も無料。ただし、Googleドキュメントはクラウド上で使うことを前提に作られているので、細かい印刷設定は苦手。レイアウトがズレるたびに調整するのが面倒でした。書籍や雑誌関係の仕事をしていることもあって、レイアウトがすっきり整っていないと気持ちが悪いのです(笑)。

まずは申請書類を法務局のホームページからダウンロードします。本来はネットだけですべて完結させたかったのですが、必要な専用ソフトがWindowsのみ対応とのこと…。Macユーザの皆さんは私と同じ方法でチャレンジしてください(笑)。

ダウンロードした書類は、お馴染みの「Googleドライブ」にアップロードして、「Googleドキュメント」で作成していきます。クラウド時代では書類作成もiPadで場所を選ばず行えます。

「Googleドキュメント」上で書類を作成していきますが、きっちりレイアウトしたい私としては、印刷のための細かい調整が大変でした。苦労して用意したのですが、法務局はレイアウトなどどうでもよいらしく、文章の内容とハンコの有無のみしか確認されませんでした。結構大変だったのにな…(泣)。

iPadを活用して会社の本店移転を申請できないかな…

「ファイル」アプリとネットプリントで書類の印刷もバッチリ!

作成した書類を提出しに、東京法務局品川出張所へやってきたところで、法人の印鑑届と印鑑カードの交付申請書を用意していないことに気づきました…。急いで準備します!

そんなときでも、iPadやiPhone(と印鑑)さえあれば、その場で対応できます。私は標準の「ファイル」アプリに申請書を保存して、コンビニに向かいました。

印鑑に関する届出も法務局のホームページからPDFをiPadにダウンロードし、「ファイル」アプリ上に保存して、ローソンのネットプリントで印刷。それに手書きで書き込んで、印鑑を押して完成です。Macやプリンタを持ってなくても、iPadやiPhoneがあれば事足ります。印刷代も、2枚で合計20円。

ローソンの「ネットワークプリントサービス」を利用します。こちらは会員登録なしでPDFとWordを印刷できるサービス。会員登録すると、さらにExcelやPowerPointもプリントできるようになります。

移転元が品川区だったのですが、申請は書類を出して15分も掛からずに終了。あとは処理されるのを10日ほど待つだけ。移転先の港区にも申請が必要なのかと思っていたら、書類を回すので必要ないようです。

申請は書類を出して15分で終了! さらなるデジタル化が進むのを期待..

印鑑カードの申請だけは港区にしなければならないとのことで、印刷した印鑑カードの申し込み用紙を郵送します。「クリックポスト」という日本郵便のサービスを使って送ると、宛名も手書きする必要がありません。アマゾン・ペイかヤフーウォレットでの決済が利用できるので、切手も不要。便利ですが、書類は郵送しなければならないわけで…。申請自体も効率化してほしいなぁ。

これから仕事では港区のバーチャルオフィスを利用しますので、自宅は東京から兵庫県・神戸に引っ越すことを決断。神戸の自宅と港区の会社で、毎日リモートワークしていることにしました。

今回はiPadユーザには比較的スタンダードなアプリやサービスを駆使した登記変更のやり方を解説しました。iPadが登場した頃だと、こういった手続きをするのも相当テクニックを駆使しないといけなかったのですが、今だと普通にできちゃいますね。あとは、申請自体のデジタル化が進むのを期待しましょう…。

以前ならiPadだけでは大変だった書類の準備も今では難しいテクニックなしで完結できるようになりました。

今回の美崎式まとめ

面倒な登記変更手続きの書類もiPadとGoogleドキュメントで準備できる!

ネットプリントを活用すれば急な書類の印刷にも対応できる!

おすすめの記事

著者プロフィール

美崎栄一郎

美崎栄一郎

ビジネス書作家・講演家・商品開発コンサルタント。『iPhoneバカ』『iPadバカ』などの著者。新刊『脱ムダ、損、残念! 今度こそ、やめる技術』(あさ出版)が発売中。

この著者の記事一覧