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実力診断② Interface/Performance/Other Changes

実力診断② Interface/Performance/Other Changes

【Interface】「押し込む」ではなく「長押し」に変更

新しいHaptic Touchはどう使う?

 

X以降の操作方法

iPhone XRは、ホームボタンがないオールスクリーンを採用しています。そのため、iPhone 7や8シリーズから乗り換えるユーザは、操作方法が大きく異なるので注意が必要です。特に従来ホームボタンで行っていた操作をジェスチャによって行わなければならず、最初は戸惑うかもしれません。

たとえば、もっとも頻度の高い操作の1つ「iPhoneのロック解除」と「ホーム画面に戻る」という操作は、画面の下から上に向かってスワイプするジェスチャを採用。このとき、画面の下にあるバー「ホームインジケータ」を操作するイメージでジェスチャを行うと覚えやすいでしょう。

また、ホームボタンがなくなったことにより、指紋で認証を行っていた「タッチID(Touch ID)」がなくなり、代わりに顔認証を行う「フェイスID(Face ID)」を採用しています。フェイスIDはロックの解除時に画面に顔を向けるだけで、パスコードを入力せずに解除できたり、アプリの購入や決済を行う際にも画面を見ることでパスワードの入力が不要になります。

ホームへ戻る&ロック解除

ホームボタンがなくなったことで、一番使用頻度の高いiPhoneの「ロック解除」や「ホームに戻る」といった操作もジェスチャ操作になります。操作は画面の下から上にスワイプするだけなので、すぐに慣れるでしょう。

コントロールセンターを呼び出す

ホーム画面に戻る操作が画面下から上にスワイプするようになったため、コントロールセンターの呼び出し方法も従来から変更されています。画面の右上から下方向にスワイプすると、見慣れたコントロールセンターが表示されます。

マルチタスク

これまでホームボタンを2回連続で押していたマルチタスクのアプリ切り替えは、画面下から上にスワイプし、中央付近で指を止める操作になりました。一度指を離せばこれまでどおりアプリの終了や選択が可能です。

Face IDでログイン

ロックの解除は画面に顔を向けることでパスコードを入力せずに行えます。また、アプリの購入やApple Payの利用時も、画面を見るだけで決済が可能です。なお、Face IDには「画面注視認識機能」があり、目線をiPhoneに向けていないと解除できないため、第三者が寝顔などで認証できないようになっています。

iPhone XRだけの新しい操作方法「Haptic Touch」って何?

長押しで簡単操作

今回リリースされた3つの新しいiPhoneの中で、iPhone XRにだけ採用された新しい操作方法が「ハプティックタッチ(Haptic Touch)」です。ハプティックは「触覚」という意味なので、iPhone XSやこれまでのiPhoneに搭載されてきた触覚フィードバックを伴う3Dタッチも、ある意味ハプティクタッチの1つと言えるでしょう。この2つの技術には、操作方法と触感フィードバックに違いがあります。

まず、操作方法はこれまでの3Dタッチでは「強く押す」操作でしたが、ハプティックタッチでは「長押し」操作になります。また、感覚フィードバックに使われていたリニアモータもハプティックタッチでは必要としません。すなわち、iPhone XRでは感圧センサとリニアモータを搭載しなくても、ハプティックタッチで3Dタッチとほぼ同様の操作感を実現しているのです。軽量化とコストダウンを実現し、しかしながら機能は削らない。アップルの現在の技術を詰め込んだ新しい操作方法といえるでしょう。

3D TouchがHaptic Touchに変更

iPhone XRでは3D Touch(写真右)が廃止になり、「Haptic Touch」(写真左)が搭載されました。アイコンやなどを長押しすることでコントロールセンターなどを操作できます。iPhone XS/XS MaxにはHaptic Touchは搭載されておらず、従来の3D Touchが搭載されています。

Haptic Touchでこんなことができる!

「カメラ」を素早く起動

従来まではロック画面を左にスワイプ(iPhone Xの場合はアイコンを3D Touch)して素早く起動できた「カメラ」アプリも、XRではアイコンを長押しすることで起動します。

「ライト」を素早く起動

iPhone Xではロック画面にある「ライト」アイコンを強く押し込むことで、素早くLEDライトを点灯できましたが、XRではアイコンを長押しして起動します。

キーボードのカーソル移動

従来3D Touchで行えたキーボードのカーソル移動は、キーボードの[スペース]キーを長押しすることで、今までどおりカーソルを移動できます。

コントロールセンターの操作

コントロールセンターを表示させたあとにも、Haptic Touchが有効です。素早くカメラや計算機を起ちあげたり、BluetoothやAirDropをオン/オフにしたりもHaptic Touchで操作可能です。

【Performance】スマホ史上もっとも賢いチップの恩恵を

低価格ですべて体験できる!

XSシリーズと同等

iPhone XRに搭載されるプロセッサは、iPhone 8やXに搭載されていたA11バイオニックチップを進化させたA12バイオニックチップです。より高速化され、高負荷時に利用される2つの高性能コアは15パーセント、グラフィックコアは4コアのGPUにより50パーセント、機械学習に使われるコアML(Core ML)は最大9倍も高速化しています。

また、搭載されるニューラルエンジン(Neural Engine)も進化。ニューラルエンジンは、ARの認識技術や写真の検索、フェイスIDやアニ文字などの顔認識技術などに使われており、精度、処理速度ともに向上しています。A12バイオニックはiPhone XS/XS Maxにも搭載されていますが、これらの最新鋭のプロセッサを低価格ですべて利用できるのが、iPhone XRなのです。

なお、プロセッサがパワーアップしたものの、メモリは3GBとiPhone 8やXと同じ容量。しかしながらiOSが効率よくメモリを使用してくれることもあり、パフォーマンスに大きな影響を与えることはないでしょう。

搭載プロセッサの比較

iPhone XRには、iPhone XS/XS Maxと同様に次世代のニューラルエンジン搭載のA12 Bionicチップが組み込まれています。

A12 Bionicの活用シーン

進化したニューラルエンジンを搭載したA12 Bionicチップは、iPhoneのさまざまな機能で活躍します。たとえば、前面のTrueDepthカメラと組み合わせることにより、豊かで精細なARを生成。ほかにもFace IDでの認証精度が向上したり3Dゲームがより滑らかに楽しめます。これらの機能は、iPhone XRでもすべて利用できるのです。

CPUのパワー比較

ベンチマークソフトの「GeekBench」でCPU性能のスコアを確認すると、iPhone XRはシングルコア/マルチコアともにiPhone Xから10%程度の性能向上に抑えられています。

GPUのパワー比較

「GeekBench」で3Dグラフィックス性能のスコアを示す「Compute」を確認すると、iPhone Xよりも約1.4倍伸びており、iPhone XS/XS Maxと同等のスコアです。

【Other Changes】歴代最高のバッテリ駆動時間を実現!

一方でギガビット級LTEは非対応

2枚のSIMを使える

iXRは、XS/XS Max同様に、本体にSIMを2枚搭載するデュアルSIM機能を備えています。1つ目のSIMは、これまでどおりSIMトレイにナノSIMを指して利用する物理的なSIMですが、もう1枚はeSIMと呼ばれるiPhoneに内蔵された書き換え可能なSIMです。

iデュアルSIMに対応したことにより、1台のiPhoneに2つの電話番号に割り当てたり、海外旅行の際にキャリアのローミングと現地のデータSIMを組み合わせたりできます。しかしながら、現時点で日本国内の主要キャリアはeSIMの対応リストに入っていないため、現状は海外でのデータ通信用に現地のeSIMを使うなどの活用しかありません。

iまた、選択できるストレージ容量には、64GB/128GB/256GBの3種類が用意されており、XS/XS Maxにはない128GBが選べるのもXRの魅力です。「それほど多くのストレージは必要ないけれど、64GBでは少ない」というユーザにはうれしいラインナップです。

i耐水性能はiPhone 7~Xまでと同様の「IP67等級(最大水深1メートルで最大30分間)」で、完全な防水というわけではないことに注意が必要です。もし水に触れてしまう機会が多い環境で利用する場合は、より強力な防塵・耐水性を誇るXS/XS Maxの「IP68等級(最大水深2メートルで最大30分間)」を選ぶとよいでしょう。

iさらにワイヤレス機能は、iPhone 8/Xなどと同じく、Wi─FiにMIMO対応の「802・11ac」を、モバイル通信に4G LTEが利用できます。ただし、残念ながらXS/XS Maxで採用された「ギガビット級LTE」には対応していません。

ヘビーユーザはXR

iそして大きな魅力の1つがバッテリ駆動時間です。この秋登場した3モデルのなかでもっとも駆動時間が長く、歴代iPhoneトップの駆動時間を誇ります。連続通話時間は25時間とXS Maxに並び、XSの20時間よりも大きく上回っています。また、インターネット利用は15時間で、XS Maxの13時間、XSの12時間、8プラスの13時間を上回ります。

デュアルSIMに対応

デュアルSIMを採用したiPhone XRですが、トレイにはSIMを1枚しか挿すことができません。もう1枚のSIMはeSIMと呼ばれるiPhoneに内蔵されたSIMで、キャリアと契約しデータを書き込んで利用します。

歴代最高のバッテリ駆動時間

この秋登場した3機種中、もっともバッテリ駆動時間の長いのがiPhone XRで、連続通話時間、インターネット利用時間ともに、iPhone史上もっとも長く使えるiPhoneとなりました。バッテリの持ちが気になるヘビーユーザには特におすすめします。

128GBを選択可能

iPhone XRはストレージの最大容量こそiPhone XS/XS Maxに劣りますが、512GBも使い切れないけれど、64GBでは足りない!というユーザにはうれしい128GBが用意されています。

防沫・耐水・防塵性能はIP67等級

IP67/IP68の「6」は防塵についての保護等級で6が最高。「7」と「8」は防水性能を表し、7は一時的に水没しても浸水がない、8は継続的に水没しても浸水しないことを表します。なお、噴流水による影響は考慮されていないことに注意が必要です。