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macOS Mojave 引っ越しマニュアル

macOS Mojave 引っ越しマニュアル

「macOS」は、長きにわたりユーザに愛されてきたオペレーティングシステムです。9月25日にリリースされたMacの新OSは「Mojave」という名前を冠し、より洗練されたユーザ体験を提供してくれます。さまざまな新機能を使いこなすためには、OSのアップグレードがなによりも肝心です。自分のMacをきちんとアップグレードするために、正しい知識を身につけましょう。

安定性の向上とユーザ体験の改善! より堅牢な環境を提供するmacOS Mojave

最適化を進める

6月のWWDC2018(世界開発者会議)で発表されてから約3カ月、最新macOS「モハベ(Mojave)」が登場しました。カリフォルニア州南部に広がる砂漠の名前を冠したOSは、バージョンが「10.14」となります。

もともとアップルは、1つ前のバージョンである「ハイ・シエラ(High Sierra)」でOSの内部構造を一新しており、32ビットソフトをサポートする最後のOSとなる予定でした。しかし、ここ数年毎年OSのメジャーバージョンアップが続き、新機能が追加され続ける一方で、リリース直後の安定性や動作速度への不満も一部で聞かれるようになっていました。そこでアップルはmacOSのロードマップを改訂し、最適化を一段と進められ、安定して高速に動作するシステムとして今回のモハベを提供することに決めたのだと推測できます。

そのため、モハベでは最新技術の投入よりも、安定性や使い勝手の向上といった点における改良が中心となっています。

また、引き続き32ビットソフトが動作します。古いMacを使っているユーザにとっては、今使っている機種で最新OSがもう1年利用できるようになったわけです。それでいて「ダークモード」やMacアップストアの改良、デスクトップやファインダなどによって、Macの体験が新しくなっています。

深まるiOSとの歩み寄り

アップルの売り上げの中心がMacからiPhoneへと移り、さまざまな機能がiOSに先行して搭載されるようになってから、「やがてmacOSはiOSと統合される」と予想するユーザが増えていきました。実際、WWDC2018が始まる前は、10.14ではiOSアプリがmacOS上で動作する、という噂が広く流れていたくらいです。

もっとも、WWDCの基調講演でアップルのクレイグ・フェデリギ上級副社長から、この噂に対して明白に「No」が突きつけられました。macOSとiOSが統合され、同じOSで動作するMacやiPhone、iPadが登場することはありません。ただし、モハベではiOSアプリである「ホーム」「株価」「ボイスメモ」などがmacOSソフトとして追加されており、ソフト/アプリについては両OSで歩み寄りが進んでいます。また、細かいところを見ても、スクリーンショットを撮ったときに画面の隅にサムネイルが表示されるようになるなど、iOSと挙動が共通化された点がいくつか見受けられます。

ユーザ目線に立てば、macOSとiOSで同じソフトが同様のインターフェイスで利用でき、データも簡単に共有できるというのは喜ばしいことです。特に昨今は先にiPhoneに触れてからMacを購入するというパターンも増えているはずで、こうしたユーザにとって、モハベは一層なじみやすく使いやすいOSとして受け入れられることでしょう。

一方、既存のMacユーザにとっても、これまでiOSでなければ制御できなかったホームIoT製品をMacから制御したり、会議などで議事録を作る際にMacBookのマイクでボイスメモを記録できるようになったことはメリットに数えられるはずです。

モハベで一層進むmacOSとiOSの歩み寄りは、古くからのMacユーザにとっては一抹の寂しさを覚えるかもしれませんが、Macに新たな力と魅力を吹き込むものとして、前向きに捉えるのがよいでしょう。