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天気予報アプリ「YoWindow 天候」に挑戦!

著者: 藤原鉄頭

天気予報アプリ「YoWindow 天候」に挑戦!

思わぬ出会い

思わぬ出会いというものがある。今から30年以上前にMacと出会ったのもそうだった。国産PCを目当てに訪れた西新宿の高層ビルで、Macintosh Plusに偶然出会い一目惚れ。勢いで購入した結果、今日に至るフリーランス人生をMacとともに送ることになった。

振り返れば、そんな出会いがかつては多かった気がする。ぶらりと立ち寄った古本屋で、多大な影響を受けることになる本と出会ったり、レコード店でジャケ買いをして、生涯の愛聴盤と出会ったり。それが最近ではネットショッピングが日常的になったため、偶然よりも必然、失敗しない買い物をしがちで、ついついおすすめやレビューの評価に流されている。

うーん、これじゃつまらない。もっと自分の嗅覚を信じて、面白いものを見つけよう。そんな気持ちで、今回は天気予報アプリを物色していたら、思わぬ出会いがありました。

天気はアート

『YoWindow』は2013年にiOS版がリリースされた天気予報アプリで、新作ではない。その後バージョンアップがされており、最新版は2017年5月にアップデートされている。

天気の情報元はノルウェーの天気予報サイト「yr.no」で、「日本の天気を知るのに、ノルウェーは遠いだろ?」と思わずツッコミたくなるが、今日、世界の気象機関は気象情報を共有するシステムになっており、日本の気象庁および日本気象協会が持っているのと同じレベルの気象情報をyr.noは持っているらしい。さらに、このアプリではほかにNWS(アメリカ国立気象局)からの情報も併用しているので、情報の正確さについて心配する必要はないと思われる(って門外漢のワタクシが言ったところで説得力はないですけど)。

実際、アプリを使ってみた感じでは、予報と情報に関しては、他の天気アプリと遜色ない。可もなく不可もなく、いわゆる「平均的」なアプリだと思う。ただ天気予報としては平凡だが、実はこのアプリには大きなウリがある。それはグラフィック。そう、これは見せるアプリなのだ。いっそアートアプリと言ったほうがいいかもしれない。そこにワタクシは惚れた。

アプリを起ち上げると、初回は位置情報の利用許可を求めてくる。許可すると現在いる地域の天気情報が、その地域に合った風景画とともに表示される。この風景のクオリティが高い。街、村、谷、空港、海辺など8種類の景観から自動的に選択されるのだが、リアルな効果音付きの〈動く風景〉なのだ。しかもこの風景は実際の天気の移り変わりに応じて変化する。雨が降っているときは、風景画の中でも雨が降り、晴れた日の夕方には風景画も赤く染まるのだ。時間の経過とともに、刻一刻と違った顔を見せる風景、その美しさには思わず息を呑む(ちょっとオーバー。でも本当に綺麗)。まさにアートだ。

また、この風景画には数多くの仕掛けが隠されている。空港にジェット機が離着陸し、街には人や自動車が行き交うなど、ただその細かな動きを見ているだけでも十分に楽しいのだが、さらにタップやシェイクに反応してさまざまなイベントが起こるという凝りようだ。しかも、朝昼と夜では起こるイベントが違ったりするから、そのサービス精神には脱帽する。

ロケーションを切り替えて、世界各地の気象状況を知ることもできるので、海外の都市を何気に見ていたら、雪が降ってきたのにはちょっと感動した。ほかにも落雷や台風のときはどんな風景が見られるのかと思うと、ワクワクが隠せない。ワタクシにとっては、ラッセンよりもフツーに好きなアート(なアプリ)なんである。

YoWindow 天候

【作者】Pavel Repkin

【価格】120円

【場所】App Store>天気

見て触って楽しむ天気予報アプリ。対象地域の風景を美しいアートワークで表現、実際の天気の変化に応じて、画面の中の風景も変わるのが特色。ディスプレイをスワイプすることで、時間を先に進めたり、戻したりすることができ、刻々と変化する天気の移り変わりを確認することができる。広告付きの無料版もある。

動く風景を見て楽しむ! 天気予報アプリにチャレンジ

ちなみに横位置表示だとこんな感じ

個人的には風景の中では空港が一番のお気に入り。リアルな効果音でタイヤをきしませジェット機が離着陸するアニメーションは見ていて飽きない。

楽しい仕掛けもたっぷり

遊び心満載のこのアプリには数多くの仕掛けが隠されている。それを見つけるのも楽しい。たとえば、夜に何かをすれば夜空に花火が打ち上がる。村の牛や馬にあることをするととんでもないことが起きる。