テンキーという選択
新しいiMacの発売に合わせ、テンキー付きのマジックキーボードが登場した。単体で購入すると1万3800円だが、iMac購入時のカスタマイズではわずか3000円の上乗せで変更できる。
ブルートゥースでMacと接続する点やライトニングケーブルを使って充電する点などの基本的な仕様は、従来のテンキーなしのマジックキーボードと同様だ。また、通常の文字入力に使うキー(フルキー)の大きさやキーピッチも同じだと考えてよい。印象としては、これまでのマジックキーボードの右側に、そのままテンキーなどが追加されたような感じだ。
なお、2009年以前のiMacでは、テンキー付きで有線の「アップル・キーボード」が標準で付属していた。新しいテンキー付きマジックキーボードは、この有線のテンキー付きアップル・キーボードに慣れ親しんだ人にとって、従来の使い勝手のままケーブルレスを実現できるメリットがある。
キー配列を細かく見ていくと、従来のテンキー付きアップル・キーボードで右側にあった[キャプスロック]キーが左下に移動しているのに気がつく(JIS日本語配列の場合)。これは現行のノート型Macやテンキーなしのマジックキーボードに揃えた結果であり、ノート型MacとiMacを併用している人なら操作の共通化につながる。
テンキー付きなのに机がスッキリ
キーボードなしのMagic Keyboard登場(2015年)から実に1年半を経て、ついにテンキー付きのキーボードがワイヤレスになった。横幅はワイドになったが、奥行きやスリムさは標準のワイヤレスキーボードと変わらない。左図の黒いキーボードは、PFUの人気製品「Happy Hacking Keyboard (HHKB Professional BT)」。
従来のテンキー付きキーボードの使い勝手を踏襲
NEW/Magic Keyboard(テンキー付き) 日本語(JIS)
【発売】アップルジャパン
【価格】1万3800円(税別、単品購入の場合)
テンキーのほか、[ページダウン][ページアップ][ホーム][エンド]キー、独立したフルサイズの矢印キーが並ぶ。有線のテンキー付きアップルキーボードの使い勝手そのままにワイヤレスライフを実現できる。
作業効率の改善につながる
テンキー付きのキーボードの便利さは、使ったことがない人にはイマイチピンと来ないかもしれない。しかし、いざ使ってみると実にさまざまな状況でその恩恵を享受できるようになる。
まず筆頭に挙げたいのが、ナンバーズやマイクロソフト・エクセルなどの表計算ソフトでの利用だ。テンキーを使った数字入力は、全角入力モードであっても強制的に半角入力になるという特徴がある。たとえば見積書や請求書の作成時、入力モードを何度も切り替えることなく入力していけるのは大変便利だ。
また、筆者は通知センターにある計算機を使うことが多いが、テンキーがあればリアルな電卓と同じ感覚でどんどん計算できるし、さらにWEBブラウジング時には、テンキーの隣にある[ページダウン][ページアップ][ホーム][エンド]キーも役に立つ。
そして、テンキー付きキーボードのメリットとして忘れてはならないのが、ファンクションキーが7つ増えるという点だ。たとえばフォトショップでは、自分が作ったアクション(自動処理)に任意のショートカットを割り当てることができ、ファンクションキーがあればあるほどうれしいという人もいるだろう。テンキー付きキーボードは、日々の作業効率を高めてくれる可能性に満ち溢れているのだ。
テンキーをフル活用して作業効率をアップ
ちょっとした計算も便利に
通知センターにある計算機は、テンキーを使えば本物の電卓感覚で利用できる。そのうえ[コマンド]キー+[C]キーで計算結果をコピーしてほかのソフトに貼り込めるため、実際の電卓以上の使い勝手がある。
ページ送りキーはWEBブラウジングで活躍
[ページダウン][ページアップ][ホーム][エンド]キーなどは、WEBブラウジング時のほか、テキストエディットなどの文章編集ソフト上で長い文章を読むときに役に立つ。ただし、テンキー付きマジックキーボードのキートップは、従来の「page down」などの刻印がなくなってしまい、キーの機能や呼称がわかりにくくなった。
ファンクションキーをランチャとして活用
ファンクションキーの用途が特にないという人の場合、よく使うソフトの起動を割り当ててみるのはどうだろうか。OS標準の設定ではできないが、「BetterTouchTool」などのユーティリティを使うことで、任意のソフトを割り当てることが可能だ。【URL】https://www.boastr.net/