2ウェイスピーカシステム
iMacのオーディオシステムは独特な機構で実現している。その薄い筐体には大きなスピーカを入れるスペースがないし、開口部であるiMacの底面はとても狭く、この厚さに収まるスピーカといえばモバイル機器用の圧電式スピーカしか入らない。しかし、それではデスクトップのスピーカとしては音質も音量も足りなくなってしまう。
そこで、iMacでは斜めにスピーカを配置してスペースを確保しつつ、アルミ筐体と机で音波を反射させてユーザにサウンドを届ける仕組みになっている。そのおかげで、細長い開口部にしては迫力のステレオサウンドを再生できている。なお、それでも口径の大きなスピーカの内蔵が難しいので高域用と低域用の2つのユニットを左右に搭載する2ウェイ方式を採用している。つまり合計4個のスピーカユニットがあの狭い筐体に収まっているわけだ。
肝心の音質は一体型としては及第点だが、机の材質に強く依存することに気がついた。音を吸収してしまう柔らかい材質よりも、ガラスのように硬くて滑らかな表面の机のほうがクリアな音になったからだ。iMacの下側に障害物があるだけでも聞こえ方は変化してしまう。iMac本体と机の天板の間に硬い板を斜めに置くと、反射した音波の違いを実感できるので試してみよう。
iMacの構造
iMacのスピーカシステムは、分解写真をチェックすると黒い樹脂ケースに収められた4つのスピーカによって構成されていることがわかる。左右に2対なのでいわゆる2ウェイ方式と思われる。写真は21.5インチモデルだが、27インチも同様の構造だ。音質はモデルによりわずかに異なるが、大差はなかった。デスクトップの日常的な用途では、さほど気にはならないだろう。 写真?iFixit
iMacから音が出る仕組み
スピーカはiMacのディスプレイ面に対して傾斜がついた黒い樹脂パーツに組み付けられており、音波は背面のアルミ筐体のアールに沿って反射して、底面の開口部から外に出てくる。これが机などの設置面にさらに反射してユーザの耳に届く仕組みだ。
外付けスピーカが必須?
iMacのスピーカユニットはかなり口径が小さく、ハウジング部分の容積も少ないという物理的な制限を受けている。実は、スピーカはその箱(エンクロージャ)がとても重要であり、エンクロージャ内の空気をどのように扱うかでさまざな方式があるほど。しかし、iMacにはエンクロージャと呼べるような充分なスペースがないため、きちんと音楽を聞いたり、映画を観るにはもの足りなく感じることも。
そうした場合はUSBのDACという選択肢もあるが、やはり手頃な外付けスピーカの出番となる。中でも、適切な傾斜がついたボーズの「Companion 2 Series III」が個人的なおすすめ。アンプ内蔵でアナログ入力だけのいわゆるアクティブスピーカだが、その効果は絶大だ。ボリュームも手で回すアナログ式のダイヤルなのでキーボードで段階的に調整するより直感的だ。そのほか、ケーブルが苦手ならばエアプレイ対応のワイヤレススピーカを使うという選択肢もある。
なお、今回のアップデートでiMacのヘッドフォンポートは光デジタルはサポートされなくなった。MacBookシリーズでも廃止されており、、伝送できるのはドルビーデジタル(AC-3)とCDクオリティの非圧縮ステレオ信号くらいで、不要と判断されたのだろう。
DIYや外部スピーカでiMacのサウンドを強化
外付けスピーカもおすすめ
根本的に音響をランクアップするには外付けスピーカの導入が手っ取り早い。このCompanion® 2 Series IIIはアナログ入力のシンプルなアクティブスピーカだか絶妙な角度によってiMacにはベストなスピーカといえる。
音質を改善する工夫
iMacのディスプレイ底面に硬い板を斜めに置くと、音がダイレクトにユーザの耳に届くことがわかる。見栄えは悪くなるが、100円ショップで買える写真立てなどを置いて音質を改善するというのもありだろう。