【実践1】定額制動画配信サービスをMacで利用する
配信サービスを利用して動画コンテンツを楽しむ
テレビや映画離れといわれる一方で、躍進してきたのが定額制動画配信サービスです。確かにテレビの前に座る時間や映画館に通う回数は減ったかもしれません。でも、それは番組や映画を観るスタイルが変わっただけで、ニーズが減ったわけではないようです。
定額制動画配信サービスとiTunesストア(映画)の違いは何でしょう。iTunesストアでは、コンテンツごとに料金を支払います。それに対して、フールー(Hulu)やネットフリックス(Netflix)といった定額制動画配信サービスでは、一定の会費を支払うことで、提供される映画や番組が見放題になります。
パソコンの場合、WEBブラウザで視聴するサービスが主流のため、Macやウインドウズといったプラットフォームを気にすることもありません。また、スマートフォンはもちろん、アップルTVやクロームキャスト、ゲーム機などを介してテレビ画面で視聴することも可能です。こうしたサービスの登場は、これまでのテレビのあり方を変えつつあります。
米国発の動画配信サービス「フールー」。映画や海外ドラマのほか日米のテレビ番組が充実しています。
「ネットフリックス」は、元々はオンラインのDVDレンタル事業から出発した米国の動画配信サービス。
「アマゾンビデオ」はアマゾン(Amazon)が運営するオンライン動画販売、およびレンタルサービス。
日本の動画配信サービスとしては、国内最大規模のユーザ数を誇るdTV。運営はNTTドコモ。
手軽に動画を楽しむならやっぱりYouTube
ネットで動画と聞いて真っ先に思い出すのは、「ユーチューブ(YouTube)」でしょう。ユーチューブでは、世界中のユーザが投稿した動画をMacやiOSデバイスから観ることができます。映画の予告編などさまざまなメディア公式アカウントによるコンテンツも多く、とりわけ国際的に注目度が高いテレビニュースやいち早く公開される人気アーティストのミュージックビデオなどはユーチューブの利用価値を高めているといってもいいでしょう。
Macでは、WEBブラウザを通じて再生しますが、フルスクリーンやピクチャインピクチャにも対応しているので、環境に合わせた視聴ができます。
ユーチューブの再生ウインドウの上で2回右クリックを実行すると表示されるメニューで[ピクチャ・イン・ピクチャにする]を選択。すると動画ウインドウが独立してデスクトップに表示されます。
【実践2】MacとiOSデバイスで動画ファイルを共有する
エアプレイとホームシェアリング
iTunesライブラリに登録された動画ファイルは、「エアプレイ(AirPlay)」と「ホームシェアリング」という2つの機能でネットワークを経由してほかのデバイスと共有できます。どちらもネットワーク経由で動画を再生する点は同じであり、混同している方も多いのではないでしょうか。
まず、エアプレイは操作中のデバイス(MacやiOSデバイス)から別のデバイスに動画や音楽をネットワーク経由で送り出す機能になります。具体的には、Macからオーディオ機器に音楽を飛ばしたり、iPhoneからアップルTVに動画を飛ばすときに使います。ポイントになるのはコンテンツ自体は手元のデバイスにあり、再生しているデバイスは受信しているだけというところです。
逆に、ホームシェアリングは、操作中のデバイスからコンテンツが保存されているデバイスにアクセスしてストリーミング再生する機能です。具体的には、Mac内のコンテンツをiPhoneやアップルTVからブラウズして再生できます。エアプレイと同様に再生しているデバイスは受信しているだけですが、コンテンツを保持しているデバイスには手を触れていない点が異なります。
また、エアプレイで動画を受信できるのはアップルTVだけですが、ホームシェアリングはすべてのアップルデバイスで再生できます。そして、エアプレイと違いホームシェアリングで共有できるコンテンツはiTunesライブラリ内に限られます。
利用シーンで違いを述べると、エアプレイは再生するデバイスをバトンタッチしていく機能といえます。たとえば、移動中にはiPhoneで再生していた動画を自宅に帰ってきたら、アップルTVと大画面テレビで続きを再生といった使い方ができます。
一方、ホームシェアリングは、手の届かないところにあるコンテンツをリモートで再生します。たとえばリビングのアップルTV、寝室やお風呂場などのiPadからMac内の動画をブラウズして再生することができます。
ちなみに、iTunesストアで購入した映画はアイクラウドで同期されているため、エアプレイを使う必要がなく、アップルTV上で再生途中の映画を選べば続きから再生できます。どれが一番便利なのか状況次第で選びましょう。
エアプレイで再生デバイスを変更する
(1) iOSデバイスからアップルTVにエアプレイする場合は、コントロールセンターを出してスワイプし、[Apple TV]を選びます。エアプレイ中、iOSデバイス側には映像が出ません。
(2)MacからアップルTVにエアプレイする場合は、iTunesの右下にあるエアプレイメニューで[Apple TV]を選びます。エアプレイ中、Mac側には映像が出ません。
ホームシェアリングで動画を共有する
(1) iTunesの[ファイル]メニューから[ホームシェアリング]→[ホームシェアリングをオンにする]を選び、アップルIDで認証します。
(2)このダイアログが表示されればホームシェアリングは有効になりました。iOSデバイスやアップルTVからMac内のコンテンツを再生できます。
(3)iPhoneの「ビデオ」アプリを起動したら、ツールバーから[共有]をタップします。ホームシェアリングを開始したMac名をタップして選びます。
(4)選んだMacのiTunesライブラリにある動画が表示されます。ツールバーから[映画][テレビ番組]などのカテゴリを選びます。
(5)タイトルを選ぶと詳細をチェックでき[▲]をタップすると再生が開始されます。なお、Mac側のローカルにあるタイトルだけがホームシェアリング対応です。
Air Video HDという選択肢
おうちのWi-Fiが高速化するメリットの1つに、家庭内での動画ファイルが共有しやすくなることがあります。たとえば、Mac内の動画をiPadなどで観るには、かつてはあらかじめiTunesから転送する必要がありましたが、今ならワイヤレスでストリーミング可能です。それを実現するのは、iTunesやiOSの標準機能である「ホームシェアリング」ですが、いくつか懸念事項があります。
まず、いったんiTunesに動画ファイルを読み込む必要があります。そのうえでタイトルやシーズンなどの情報を手入力しないと目的の動画が探しにくくなります。しかも、iTunesに動画ファイルを読み込むと、いったんファイルがコピーされるため一時的にMacのストレージ容量が不足するおそれもあります。そこで、サードパーティのアプリである「Air Video HD」をおすすめします。iOSアプリは有料ですがより多くの動画ファイルを配信でき、動画ファイルの管理もファインダ上で整理しておくだけ。外付けストレージも使えますし複数のフォルダをソースとして設定できるので、複数のボリュームに分散して保存していても、一元管理する必要はありません。ファインダ上でフォルダにまとめておけば大丈夫です。
(1)まずは公式サイトからサーバソフトをダウンロードしてMacにインストールします。初回起動時に[Shared Folders]の[+]をクリックして共有する動画フォルダを指定しましょう。
(2)iPadにAir Video HDアプリをインストールして起動します。サーバは自動的に探索されるのでMac名とフォルダを選ぶと動画がサムネイルで表示されます。
(3)動画をダウンロードすることもできます。それこそ飛行機に乗るときはネットがほぼ使えないのであらかじめダウンロードしておくといいでしょう。
Air Video HD – Now with multitasking and PiP support!
【開発】Bit Cave Ltd.
【発売】360円
【場所】App Store>写真/ビデオ
【アマゾンビデオ】
アマゾンビデオの定額制サービスは、アマゾンプライムビデオとなります。プライム会員は動画のほか、配送に関する各種特典やプライムミュージックといったサービスを受けることが可能となります。
【AppleTV】
アップルTVは単体でもiTunesやHuluなどにアクセスして動画を再生可能なセットトップボックス。32GBモデルが1万5800円(税別)、64GBモデルが2万800円(税別)。
【外出中】
Air Video HDには外出先から自宅のMacにアクセスしてストリーミング再生する機能もあります。あらかじめさサーバ側でパスコードロックをかけておく必要があります。データ量が多くなるのでiPhoneのデータ通信量には注意しましょう。