「これからの教育にはプログラミングが必要だ」。そんな信念から生まれたプログラミング体験教材が「ソビーゴ」だ。対象年齢は5歳からと、同種の製品に比べてかなり早い。
ソビーゴの遊び方は2段階に分かれている。矢印、三角などの図形、うさぎ、亀など動物の絵が描かれたブロックを使う体験が第1段階。そして、iPadで専用アプリを使う第2段階である。最初にブロックから入るのは、「いきなりiPadでプログラミングというのは難しいが、ブロックで遊ぼうというと子どもが興味を持ってくれる」(宮澤氏)からだという。
ブロックに描かれた図形や動物の絵は、それ自体がプログラミングのコマンド(命令)を表現しており、「矢印」はキャラクターの移動、うさぎは「速く動く」、亀は「遅く動く」といった意味となる。ブロックを好きなようにつなげることで、プログラミングを擬似的に再現している。コマンドとなるブロックをつなげ終わったら、プログラムでいうところの「実行」を表す「横向きの三角」の絵柄のブロックを重ねて完成だ。つなげたブロックのとおりにキャラクターを動かすことで、「命令どおりに実行される」「命令以外のことは実行されない」というプログラミングの基礎概念が学べる。
ブロックで楽しんだあとは、iPadを使って遊ぶ。画面に表示されたブロックをドラッグで動かし、重ねていく。最後に再生ボタンを押すと、画面内のキャラクターがそのとおりに動く。手を使ったアナログな遊びで興味を惹き、デジタルで深掘りしていくという流れは、子ども向け教材として非常によく考えられている。
ソビーゴの狙いの1つは「プログラミングには正解がない」ことを学ばせるというもの。目標も子ども自身が自由に決めることができ、どんなプログラムを組んでもゲームオーバーにはならない。子どもが自由な発想で遊べるよう、徹底的に配慮された設計となっている。
「ワークショップでも、こちらが想定していなかった発想が飛び出して、驚かせてくれますね」と宮澤氏は楽しげに語る。
実はソビーゴ開発のきっかけは、宮澤氏自身が参加したプログラミング教室で、夢中になって遊ぶ子どもを見たこと。個人の体験から生まれたICT教材が、教育の未来を変えるかもしれない。
まずブロックを使って遊び、それからiPadでプログラミング
diablock@KAWADA
ソビーゴ
【発売】株式会社ワイズインテグレーション
【価格】9800円(税抜)予定
【URL】http://wise-int.co.jp/sovigo/
【備考】2016年12月より教育機関へ導入開始予定
記号化されたコマンドをデザインしたブロックを用いて、視覚的にプログラムを組み上げることができるICT教材「ソビーゴ」。カワダ製のダイヤブロックを使用している。iPadアプリでも同じデザインのブロックが用意されているため、アナログからデジタルへの移行がスムースに行える。