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Vol.4 ソビーゴ

著者: 山田井ユウキ

Vol.4 ソビーゴ

「これからの教育にはプログラミングが必要だ」。そんな信念から生まれたプログラミング体験教材が「ソビーゴ」だ。対象年齢は5歳からと、同種の製品に比べてかなり早い。

ソビーゴの遊び方は2段階に分かれている。矢印、三角などの図形、うさぎ、亀など動物の絵が描かれたブロックを使う体験が第1段階。そして、iPadで専用アプリを使う第2段階である。最初にブロックから入るのは、「いきなりiPadでプログラミングというのは難しいが、ブロックで遊ぼうというと子どもが興味を持ってくれる」(宮澤氏)からだという。

ブロックに描かれた図形や動物の絵は、それ自体がプログラミングのコマンド(命令)を表現しており、「矢印」はキャラクターの移動、うさぎは「速く動く」、亀は「遅く動く」といった意味となる。ブロックを好きなようにつなげることで、プログラミングを擬似的に再現している。コマンドとなるブロックをつなげ終わったら、プログラムでいうところの「実行」を表す「横向きの三角」の絵柄のブロックを重ねて完成だ。つなげたブロックのとおりにキャラクターを動かすことで、「命令どおりに実行される」「命令以外のことは実行されない」というプログラミングの基礎概念が学べる。

ブロックで楽しんだあとは、iPadを使って遊ぶ。画面に表示されたブロックをドラッグで動かし、重ねていく。最後に再生ボタンを押すと、画面内のキャラクターがそのとおりに動く。手を使ったアナログな遊びで興味を惹き、デジタルで深掘りしていくという流れは、子ども向け教材として非常によく考えられている。

ソビーゴの狙いの1つは「プログラミングには正解がない」ことを学ばせるというもの。目標も子ども自身が自由に決めることができ、どんなプログラムを組んでもゲームオーバーにはならない。子どもが自由な発想で遊べるよう、徹底的に配慮された設計となっている。

「ワークショップでも、こちらが想定していなかった発想が飛び出して、驚かせてくれますね」と宮澤氏は楽しげに語る。

実はソビーゴ開発のきっかけは、宮澤氏自身が参加したプログラミング教室で、夢中になって遊ぶ子どもを見たこと。個人の体験から生まれたICT教材が、教育の未来を変えるかもしれない。

まずブロックを使って遊び、それからiPadでプログラミング

diablock@KAWADA

ソビーゴ

【発売】株式会社ワイズインテグレーション

【価格】9800円(税抜)予定

【URL】http://wise-int.co.jp/sovigo/

【備考】2016年12月より教育機関へ導入開始予定

記号化されたコマンドをデザインしたブロックを用いて、視覚的にプログラムを組み上げることができるICT教材「ソビーゴ」。カワダ製のダイヤブロックを使用している。iPadアプリでも同じデザインのブロックが用意されているため、アナログからデジタルへの移行がスムースに行える。

ゴールまでの道筋はいろいろ。自分なりの答えを導き出そう!

右端の関数ブロックを使って最短のプログラムを作成

株式会社ワイズインテグレーション

取締役:宮澤豪臣(左)/コンシューマーマーケティング事業部:三池奈奈(右)